2002年7月1日(月)「しんぶん赤旗」
![]() 市長選の結果をうけ記者会見にのぞむ長尾淳三氏=30日、東大阪市 |
当選は松見氏
三十日投開票された東大阪市長選で日本共産党や労働組合、民主団体でつくる「明るい東大阪をつくる会」推薦、新社会党支持の長尾淳三市長(50)=無現=は六万五千五百八票(得票率35・81%)を得、善戦健闘しましたが惜しくも再選はなりませんでした。当選は、公明党、自民党大阪府第十三選挙区支部(支部長=西野陽衆院議員)、民主党、保守党、「解同」(部落解放同盟)などの推す元NHK職員の松見正宣氏(59)=無新=。
東大阪市では、四年前の前回市長選で利権・腐敗市政の転換を訴えた長尾氏が初当選。以後四年にわたり清潔・公正・民主の市政を推進してきました。
これにたいし、清水・前市政与党の自民党や公明党などは、市議会を党利党略的に利用し、「混乱」を演出。長尾市政に対する妨害を執ようにおこないつつ、「共産党市長は何もできない」などという悪宣伝をつづけてきました。
今回の選挙では、塩川正十郎財務相と西野衆院議員との確執と、公明党・創価学会を含めた主導権争いを背景に、松見候補以外に、塩川財務相の推す東口貞男氏(69)も立候補。しかしいずれも、「長尾市政打倒」を最大の目標とし、告示前に出所を隠した謀略ビラが五種類もまかれるなど激しい反共攻撃をおこない、徹底的な組織動員、企業・団体しめつけをおこないました。
長尾市長と「明るい会」は、この四年間の長尾市長の実績、(1)清潔・公正な市政への転換(2)福祉とくらし守る市政へ変化(3)中小企業の支援に本腰を入れて乗り出す(4)同和行政の乱脈・不公正をただす―を市民に訴え大きな支持をよびかけましたが、及びませんでした。
開票結果は次の通り。
当松見 正宣59無新 八三〇六六
長尾 淳三50無現 六五五〇八
東口 貞男69無新 三四三三八
(投票率46・99%)
大勢が判明した同夜午後十時半すぎに、「明るい東大阪をつくる会」事務所に到着した長尾淳三市長は、「選挙戦は、思う存分取り組みをさせていただいた。選挙戦の結果を受けて、市民のみなさんとともに社会をよくしていくための仕事、住民のために奉仕をするという思いについて、私心なく今後とも続けていきたい」とのべました。
「四年間、東大阪市の流れを清潔な政治へと、市民のくらしを励ます政治へと変えることができたと自信を持っています。しかし市民のみなさんに、候補者としてそれを十二分にお知らせをし、ご理解をいただくという点では十分でなかった。私自身の不徳のいたすところです。『明るい会』のみなさんに四年間支えていただいたお礼を申し上げながら、住民とともに今後も市政発展のためがんばりましょう」と決意を語りました。