日本共産党

2002年6月19日(水)「しんぶん赤旗」

韓国

与党が“金大中離れ”

大統領三男不正事件 二男にも収賄捜査進む


 【ソウル18日面川誠】韓国の与党・新千年民主党(民主党)が、“金大中離れ”をはっきりさせ始めました。大統領三男の不正事件の影響を受け大敗した一斉地方選挙後、党内の若手議員を中心に金大統領への批判が急速に高まっています。

 十七日付の各紙が報じた与野党大統領候補の支持率は、民主党に衝撃を与えました。東亜日報では、民主党の盧武鉉候補26・8%に対しハンナラ党の李会昌候補41・4%、中央日報では盧候補36・3%に対し李候補48・9%など、野党が与党を圧倒しています。

 八月八日には国会議員補欠選挙が十の選挙区で同時に実施されます。盧氏は十七日の党幹部会合で、「補選勝利に全力をあげよう」と呼びかけ、「結果次第では、大統領候補を選びなおすことも受け入れる」とのべました。

 一方、検察は十七日、大統領三男・金弘傑氏の逮捕・起訴に続き、二男の金弘業氏も収賄疑惑で十九日に事情聴取することを明らかにしました。与党にとって金大統領との関係は「重荷」になりつつあります。金大統領はすでに民主党を離党していますが、国民が民主党を「金大中氏の党」と見ていることは地方選挙の惨敗であらためて明らかになりました。

 十四日には民主党議員が選挙法違反の確定判決で議員職を喪失、この結果ハンナラ党が国会在籍議員の単独過半数を確保、四年ぶりに国会を掌握しました。

 危機的な状況を受け、盧候補を強く支持する若手グループは「金大統領との明確な決別」を求めています。辛基南議員らは十五日の同党若手議員の会合後、金大統領との決別宣言、大統領二男・三男の厳正な司法処分、長男・弘一議員の民主党離党などを盧候補と韓和甲・党代表に要求する声明書を発表しました。

 「金大中党」から決別し盧候補を中心に民主的な勢力を再結集すべきだという声に、金大統領の長年の「同志」である薛勳議員や李相洙議員らも賛意を示しています。

 民主党関係者は、「民主勢力の結集体というのが民主党の価値だが、いま国民はそれを信じていない。あまりにも金大中氏個人に頼りすぎてきた。八月の国会補選でも敗北すれば、民主党は存在理由を失う」と危機感を強めています。

 


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