日本共産党

2002年6月18日(火)「しんぶん赤旗」

長尾さん再選で清潔市政発展へ

東大阪市長選 23日告示、30日投票

利権・腐敗への後戻り許されない


「いっぱい出てきた市政のいい芽、

大きな森に育てていきたい」

 東大阪市長選(二十三日告示、三十日投票)で、日本共産党や広範な市民で構成する「明るい東大阪をつくる会」が推す長尾淳三市長は、くらしを支える清潔市政の発展を訴えています。他方、ムネオ疑惑などの腐敗にまみれ、国民いじめの悪政をすすめる国政与党勢力に推されているのが相手陣営の二候補。利権争いと党利党略で反目しながら、ともに四年前の利権・腐敗市政への逆戻りを狙っています。

長尾市長の実績に幅広い市民が共感

 告示前ラストサンデーの十六日。真夏日の暑さの中、市内最大の繁華街布施駅前に「市長はもっぺん長尾さん」の青年たちのメガホンコールが響きます。メガホン隊の女性(24)は「生まれも育ちも東大阪。いっぱい出てきた市政のいい芽を、抜き取らせずに、大きな森に育てていきたい」といいます。終日市内を駆け回る長尾市長も合流し、「住民の願いと力を合わせてさらに進んでいきたい」と訴えました。

3つの理由で支持

 四年前、「不正・腐敗のデパート」といわれた前市長の利権・横暴ぶりは、今でいえば「疑惑のデパート」鈴木宗男議員の市長版。清潔・公正な市政に転換することが前回市長選で長尾市政を誕生させた市民の最大の願いでした。

 市の元職員で自民党代議士の後援会員でもある男性(61)は「三つの理由で長尾市長を支持する」といいます。

 「第一に、通勤費の架空請求など市役所内の不正交通費を正したことです。第二に、職員採用の口利きをなくしました。第三に、同和行政終結に踏み出したことです。差別もいかんが、(解放同盟という)ある団体だけ優遇する逆差別もいかんのは当然です」

 東大阪は東京・大田区と並ぶ中小企業の集積地。「ものづくりのまち」です。市長、市職員が手分けして、二年がかりで全事業所を訪問。実情、要望をよく聞いて支援策を進めてきました。市内事業所の製品情報を発信するホームページもそのひとつ。アクセスは二年で十七万件を超え、多くの受注に結びついています。

私心・利権一切なし

 こうした取り組みについて、長尾市長は「市が企業のために仕事をとるというと、大抵はムネオマネーのように金が動く。そこでほかの市は遠慮してしまう。ところが、私心も利権も一切ない私だから、市の職員と協力してここまで踏み込めた」と語ります。

 金型業を営む堀尾大作さん(51)は「われわれ住民と同じ考えに立つ市長だから応援しています。党利党略で議会を開かない野党に対して私たちも直接抗議しましたが、やっと開いたのも自分たちのボーナスを決める会議で、とんでもない連中です。選挙になって市長は公約違反だなんて変なビラを出しているけど、本当にあきれます」と市長にエールを送ります。

悪政推進勢力に推される松見、東口の両候補

 「恥ずかしいことになっとる。市民不在の勢力争いや」――ある自民党大阪府議は、こう嘆きます。

清潔な政治とは無縁

 市長選に名乗りをあげた自民党市議団長の東口貞男候補(69)=自民党府連・東大阪支部推薦=は、小泉内閣の重要閣僚である塩川財務相の後援をうけているにもかかわらず、党本部には推薦されません。元NHK職員の松見正宣候補(59)=自民党第十三支部、公明、保守、連合大阪、「解同」推薦=のほうは、西野陽自民党衆院議員が推し、自公保の「与党三党幹事長確認」という正式文書で立候補が認められています。

 地元では、支持をめぐって保守会派の一つが分裂するなど、市議の争奪戦も激烈です。

 「ねじれ」たのはなぜか。自民党府連関係者が打ち明けます。

 「背景には、塩川氏と西野氏の衆院選挙区をめぐる確執がある。最初の小選挙区選挙で新進党から出た西野氏が、創価学会の支援を受けて塩川氏を追い落とした。それ以来の遺恨だ。さらに国政与党の自民党と公明党のせめぎあいもある。五十二万都市の覇権がかかってるから必死だ」

 利権をかけていがみあう両勢力ですが、共通しているのは、清潔な政治とは無縁ということです。

 前回市長選に立候補して「清水市政の継承」を公約したのが松見候補です。同陣営の中心を担う公明党は、前市政時代に市議会議長だった同党市議が「口利き」で辞職しています。さらに西野氏は、鈴木衆院議員から百万円の「ムネオマネー」を受けとっていたことが明らかになっているのです。

 東口候補は、清水前市政与党のもとで市長を支え、現在も暴力団と「会えば、あいさつはする」と公言する人物。塩川財務相も前市長の最大の後見人でした。

反共攻撃と実績否定

 松見、東口両陣営は、後援者まわりや演説会など、市政奪還へ活発に動いています。その選挙戦略の柱は、反共攻撃と長尾市政の実績否定です。

 「市政は全く動いていない」(松見氏)、「共産党員の市長で議会が迷惑」(東口氏)などと、筋違いな長尾市長批判を繰り返しています。

 自民党は、市長選の最大の目的を「共産市政を倒す」(柳本卓治府連会長の見解文書)ことだと強調。松見陣営の実働部隊である創価学会も十二日に大阪の「幹部会」を開き、「共産市政を許さない」という一点での運動を指示しています。

 すでに長尾市政を攻撃する謀略ビラが三回もばらまかれています。「明るい会」は、選挙を汚す公明党・創価学会のいつもの手口と同じだと厳しく批判しています。

 長尾市政を妨害する自民、公明などの態度は、マスコミから「(自らの)不祥事への反省がない限り、市長・共産党攻撃は問題のすり替えでしかない」(「読売」九九年九月二十日付)と指摘されています。今回の市長選でも、その救いようない反市民的体質がいっそう露骨になっています。

 


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