日本共産党

2002年6月17日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPRESS

夢語る仲間と

励まし合って商売続ける

不安・悩み・恋愛の話も


静岡民商青年部

 好きです、商売――。夢をもち、信じる道をすすむ青年たちがいます。不況のなか、経営は決して楽ではありません。つらいとき、苦しいとき、仲間たちが支えてくれます。「愚痴をいいたいときは青年部へ」。静岡市の静岡民商青年部のメンバーは元気です。

形になる喜び

 瀬川るみさん(31)=「室内装飾セガワ」 主に室内のクロスやふすま、障子の張り替えなどをしています。イメージしたものが形になる、完成するのが目に見えてわかるのが、この仕事のいいところ。できあがったときに「いいね」って喜んでもらえるのがうれしいんです。

 青年部には一年半くらい前に入りました。最初のうちは忙しくて、なかなか参加できなかった。飲み会に誘われたときに「商売やりはじめたばっかで、遊びどころじゃない。わざわざ青年部で飲む必要なんてないじゃん」っていったんです。

 そうしたら部長が「おれらだって何やればいいのかわかんないんだよ。だから何やればいいのか教えてくれよ」って。自分もここまでいった以上は何かしなきゃな、と積極的に参加するようになりました。

 彼氏彼女の悩みも話すようになったんですよ。今では会議が楽しみです。

充実しています

 繁田知瑞子(ちずこ)さん(30)=総菜屋「おかげさん」 毎日10種類くらいのおかずを売っています。午前・午後でメニューを変えていて、飽きたり、栄養が偏ったりしないように気をつけています。1個100円のコロッケサンドなどが人気です。

 小さいころから料理が好きでした。短大で栄養士の資格を取り、建築関係の仕事をする父の事務所を改装してお店にしました。お客さんと話をするのが楽しい。知り合いも増えました。近所の小学校の運動会に行ったら、「おかずやのお姉さんだ」なんていわれましたよ。暇な時間がないほど充実しています。

 父は「バブル時代は何をしても仕事になった」といいますが、今の時代はそうはいきません。人件費や経費の削減には気を使います。若い世代が頑張っていけるように、青年部で力を合わせていければいいと思います。バザーとか、やってみたいですね。

話してスッキリ

 黒田貴さん(31)=リサイクルショップ「リセール」 大資本は強い。中小企業が生き残るには「やり方」次第だと思います。うちでは飲食店を開く人を対象に調理器具の販売をしています。値段は普通より1〜2割は安いですよ。中古の品のリサイクルが主ですが、新品の仕入れも始めています。

 青年部の部長になったばかりです。青年部は「心のよりどころ」なんです。サラリーマンじゃない人たちの集まりなので、課題も似たようなものが多い。パソコン教室や簿記教室などもやってきました。いろんなことをやりながらヒントをみつけていきたいな、と思っています。

 景気そのものが下を向いているので売り上げが伸びているところはそうそうありません。切羽詰まった人もいれば、のんびりやってる人もいる。両方の期待に応える活動をしたい。「疲れたら青年部へ」。話しているうちにスッキリしますよ。

丁寧な仕上げ

 平山伴剛(ともたけ)さん(32)=「平山クリーニング」 うちは固定客から注文をとって回るやり方をしています。でも、不況のなかで、「このままでいいのか」と家族で話し合って、来年春にも持ちこみ用の店をオープンすることにしました。

 値段では大手にかないません。でも、丁寧さをみてほしい。うちは一つひとつの服を手作業で仕上げます。服のほつれやボタンが外れていたりするのも、サービスで直していきたいと思っているんです。職人による手作業、高品質のクリーニングが「売り」なんです。

 自営業は愚痴をいえる相手がいないんですよ。サラリーマンなら、同期の人なんかと話せるでしょ。寂しさや不安、悩み、冗談を話せる場が青年部なんです。税金の話なんかは役に立ちますし。もっとも、僕は「飲み会盛り上げ係」なんですけどね。

「心のケアも」

 ヘアアーティストの北堀二味世(ふみよ)さん(30)=「ローヤル美容室」 昨年十二月末にオープンしたばかりなんです。美容院は「待つ商売」なので、なかなか結果は出ません。私の店の魅力を感じてもらうことが大切だと思っています。

 お客さんの気持ちをくんで、安らぎや愚痴を聞くことも、美容師の仕事です。髪のケアだけでなく、心のケアもできる。お客さんが笑顔で帰っていく姿がいいですね。

 青年部は、みな業者青年なので似た価値観を持っています。悩みを打ち明けやすいし、真剣に考え合える。オープンのときも、年末で忙しいのに、引っ越しや内装、看板作りなどを手伝ってくれました。励まし合いながら、「私もがんばんなきゃ」って思えるんです。

トラブル回復

 エステティシャンの小沢淳子さん(32)=リラクゼーションハウス「Maile(マイレ)」 肌のトラブルが起きているお客さんを時間をかけてでも回復させるのに、やりがいを感じます。「ありがとう」といってもらえると本当にうれしい。

 ハーブの効用をエステに取り入れています。肌は自分で新陳代謝する機能をもっています。刺激の強い化粧品を使い続けると、機能が低下してしまいます。その人の肌にとってそれが本当にいいのかよく考えて、場合によっては刺激の弱い化粧品を使うよう勧めます。

 中小業者の青年は、親のもとで働いている場合が多く、狭いつながりのなかで生活しています。青年部は、経験の交流ができ、協力しながらやっていける場所なんです。お店の内装も、青年部の人に頼んだんですよ。今後、経営の仕方なども、もっと勉強できるようにしていきたいですね。

「遊びとまじめ」

 四十人近い会員がいる青年部。二年間で会員を八倍にしました。飲み会やバーベキュー、パソコン教室、簿記教室など「遊びとまじめ」の二本柱で活動してきました。

 青年部事務局長の茅根(ちのね)裕之さん(30)は「不況のなかでも自分たちで仕事おこしができないかと思っているんです。経営面でもプラスになる青年業者のネットワークづくりや情報発信、行政への働きかけをしていきたい」。


「てぃろー」にお頼り

 3日付「ゆうプレス」と12日付国民運動面で紹介した前川史郎さん(22)の「てぃろーのメール日記」に、たくさんの反響をいただきました。前川さんは、核兵器の廃絶などを訴えて国民平和大行進「東京〜広島コース」を歩き続けています。国民運動面で随時掲載をつづけます。

 とびきりの笑顔と行進日記を読んで、あふれるように涙し感動しました。なんだかいっしょに歩いているような気がします。元気をありがとう。(福岡県 松延クニエ 70歳)

 あなたのような青年がいることに感動します。「タクシーから1000円」にはニンマリ。(60代の)わたしらの世代に多いかも。最後までガンバレ! (東京都 赤司喜美子)

 平和への熱意に感銘しました。私は、あなたのお父さんといっしょに行進したことがあります。平和は受けつがれ、世界の平和へとつながっていくのですね。(大阪府 藤尾幸男 61歳)

 「おかしなことはおかしい、と声をあげる社会正義に忠実な人間でありたい」というてぃろーさんに教えられます。一日一日を大切にね。(愛知県 桜井久美子)


セクハラ 4分の1が「がまん」

名古屋工業大調査

 名古屋工業大学はこのほど、セクシュアルハラスメントに関する学内の実態調査を公表しました。一昨年十月、同大の防止委員会が過去五年間の卒業生、退学者、在校生(休学も含む)、職員(非常勤職員含む)の女性千四百二十一人を対象にアンケートを実施し、三百十九人(22・4%)から回答を得たもの。

 加害者の年齢(回答合計百二十二人)は、二十代が39・3%、五十代の25・4%、三十代、四十代と続き、立場(同百二十一人)では、指導教官47・1%、クラブの先輩、同級生でともに16・5%、同僚10・7%。性別(同百二十一人)では、男性98・2%、女性1・8%(二人)でした。

 不快に感じた行為(同四百九十二人)は、お茶くみ・お酌・学会受け付けなどの押しつけ16・6%、目につく場所にヌード写真16・3%、容姿・身体・服装・私生活などで不快なことを言われた16・0%、女性というだけで甘やかされた15・7%でした。

 セクハラへの対応(同二百四十六人)では、「がまんした」「相手を避けた」が、ともに約四分の一にのぼり、第三者に相談した14・2%、冗談で済ませた13・4%、相手に抗議・頼んだ12・6%。

 防止委員会は、(1)加害者は圧倒的に男性が多い(2)加害者の約半数は指導教官である(3)被害者自身が何らかの対応をとっても、多くの場合、事態は変化しなかった…と概評しています。


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