日本共産党

2002年6月15日(土)「しんぶん赤旗」

中国側の謝罪要求

連行事件 身柄の引き渡しも

韓国


 【ソウル14日面川誠】北京の韓国大使館領事部から中国の警備員が北朝鮮住民を強制的に連行し、韓国外交官が負傷したとされる事件で、韓国外交通商省の金恒経・次官は十四日、李濱・駐韓中国大使を同省に呼び、中国側の謝罪と北朝鮮住民の原状回復を要求しました。

 韓国放送公社(KBS)などによると、金次官は、「中国の行為は、外交関係にかんするウィーン条約上の外交公館および外交官の身体に対する不可侵権を侵害した国際法違反であり、強く抗議する」と伝えました。

 李大使は「両国間の友好協力関係の発展に否定的な影響を与えないよう努力する」とのべ、韓国の抗議と要求を本国に伝えることを約束しました。


中国、身柄引渡し拒否

 【北京14日小寺松雄】中国外務省の劉建超報道官は十四日、記者会見し、十三日に北京の韓国大使館領事部で起きた北朝鮮から脱出したとみられる住民の連行事件について、韓国領事部の行動を「公務執行妨害だ」と批判、身柄引き渡し要求を明確に拒否しました。

 劉報道官は当日の状況について、「父子が駆け込みをはかったので、韓国側が雇っていた中国人警備員が近くのビルの警備員とともに取り押さえようとしたが、一人は中に入った」とし、もう一人を捕まえたのは「門のところ」だとのべました。

 劉報道官はそのうえで、韓国領事部職員が門外の詰め所前に来て、中国側による侵入者の連行を阻止しようとした行動について、「中国公安当局の正常な職務を妨害した」「外交官の権利を乱用したもので、外交官にふさわしくない」と非難しました。

 また、事件の最中に中国外務省の羅広田領事局長が韓国の金殷洙公使を呼んで、「強い不満」を表明したことも明らかにしました。

 劉報道官はさらに「五時間余にわたっての警告が聞き入れられなかったので、午後四時にやむをえず連行に踏み切った」とし、そのさいの韓国職員らの負傷についても「やむをえなかった」と述べました。

 このような説明のうえで劉報道官は「韓国側の引き渡し要求はまったく道理がない」と拒否しました。また、五月二十三日の北朝鮮住民の韓国領事部への駆け込み事件以来、「韓国側はこのような事態は望まないとして、中国側の協力を求めていた」と指摘しました。

 


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