日本共産党

2002年6月4日(火)「しんぶん赤旗」

身元調査リスト

防衛庁内局、陸・空幕も

長官「組織的」認める


 中谷元・防衛庁長官は三日の記者会見で、情報公開請求者の個人リスト問題で、海上幕僚監部の担当者(三佐)以外にも同庁内局(事務当局)、陸上幕僚監部(中谷正寛幕僚長)、航空幕僚監部(遠竹郁夫幕僚長)も、それぞれ独自に個人情報リストを作っていたことを明らかにしました。組織ぐるみの違法行為のうえ、事実を隠ぺいしていたことになり、小泉内閣の責任は免れません。

 リストはLAN(庁内情報通信網)に流れており、広範囲に閲覧可能。中谷長官は、「リストをLANに載せていたのは事実で、それをもって組織的と言うならそう思う」とのべ、組織的関与を認めました。また、陸幕長と空幕長は、それぞれの情報公開室長が作成を指示していたことを認めました。海幕リストの発覚(五月二十八日)後、LANが停止されており、隠ぺい工作との見方が出ています。

 中谷長官は自らの責任問題について「情報公開のあり方をすべて明らかにすることに全力をあげる」とのべるにとどまり、辞任は否定しました。一方、最終的な調査結果の公表は今週後半以降になる見通しで、官房長ら幹部の責任も問い、懲戒処分とする方針です。

 防衛庁の公表によれば、リストは陸幕、空幕に統計データや請求一覧など複数存在し、所属などを明記。情報公開請求のうち個人情報に触れていたのは、陸幕が百三十九件、空幕が百二十件、内局は件数がまだ判明していないとしています。

 


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