日本共産党

2002年6月3日(月)「しんぶん赤旗」

創価学会の「池田教」設立宣言

会則と宗教法人規則を変更


 本紙三月三十日付が報じたように、創価学会の会則が変更されました。また、四月二十六日には宗教法人「創価学会」規則が文部科学大臣の認証を受けました。創価学会は、設立以来、「我々はそこらの新興宗教とは違う、七百年の伝統をもつ日蓮正宗創価学会だ」と自賛してきましたが、新会則・新規則によって、日蓮正宗との関係を断ち、池田大作名誉会長を事実上の「教祖」と仰ぐ、独立の新興教団に完全に変質したということができます。

 旧会則では、「この会は日蓮正宗の教義に基づき、日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎ、日蓮正宗総本山大石寺に安置せられている弘安二年十月十二日の本門戒壇の大御本尊を根本とする」(第三条、教義)、「この会は、日蓮正宗を外護し、弘教および儀式行事を行ない」(第四条、目的)となっていました。

 新会則は、第2条(教義)で「この会は、日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎ、一閻浮提総与・三大秘法の大御本尊を信受し、日蓮大聖人の御書を根本として」と、日蓮正宗の「教義」や「本尊」を捨てました(「一閻浮提総与」とは全世界に与えられた、という意味で、「三大秘法」とは日蓮の教え、すなわち「本門の本尊、題目、戒壇」をさしています)。本尊と教義は仏教団体の根幹というべきものですが、「一閻浮提総与・三大秘法の大御本尊」といっても、具体的に何をさしているのか、明らかではありません。会則・規則ともに「日蓮正宗を外護」という文言もなくなりました。

 旧会則で本尊を規定していた第三条が、新会則第3条(三代会長)となり、牧口初代会長、戸田第二代会長、池田第三代会長を「死身弘法の体現者であり、この会の永遠の指導者である」と明記しました。牧口、戸田両氏はすでに亡くなっているので、池田氏が生きた「弘法の体現者」「永遠の指導者」つまり「教祖」となります。

 一九九一年、正宗から破門されて以来、創価学会は、江戸時代の大石寺第二十六世日寛が書写した「本尊」をコピーして、会員に交付してきましたが、今後、これを続けるつもりなのかどうか、これまで各会員の家庭で拝んできた「本尊」は今後どうなるのか、新会則・規則では不明です。

「池田礼賛」に終始

 新規則改定後、最初の本部幹部会で秋谷会長は、規則改定にはふれず、新会則について、「『三代会長』こそ、創価学会の永遠の指導者」とくに「池田先生は、仏教史上初の壮挙である、仏法の世界広宣流布の道を開いてくださり、今や、世界百八十一カ国・地域にSGIのメンバーが活躍する時代を迎えました」、「池田先生の人間主義の思想と行動が、世界の文明と宗教を結び、平和と人道の方向へと時代をリードしていく、時代精神の軸となっていることは、相次ぐ顕彰が証明している通り」(「聖教新聞」五月三日付)と強調しました。五月二日付と四日付「聖教新聞」は、その「証明」として、二十二の国家勲章、二百十六の名誉市民、百二十四の名誉博士をあげています(同紙五月三十日付「座談会」では、名誉学位百二十六、名誉市民二百十八、その他の顕彰五百三十八)。新会則では「この会は……創価学会インタナショナルを設置する」(第77条)と、旧会則にはなかった池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長の位置づけを明確にさせています。

「邪教撲滅」と「政教一体」の路線は変わらず

 まったく無縁となったはずの日蓮正宗の阿部日顕法主にたいして、秋谷会長は、依然として、「広布を阻む諸悪の根源、その元凶は日顕」「偽法主」「法衣をまとった畜生」「毒蛇」と、あらんかぎりの悪ばをあびせています(「聖教新聞」五月三日付)。ここには、会則・規則を変更しても、その歴史、信仰の上から、独立することができないという矛盾があることを示しています。古参会員の動揺を抑え、会員の脱退の拡大を防ぐためにも、日蓮正宗への信教の自由を侵す攻撃は続くことが予想されます。同紙五月三十日付「座談会」では、「軒並み信者を減らす他宗教」と、「邪教撲滅」を語り合っています。

 さらに、「この会に、社会問題についての見解ならびに国・地方自治体の選挙に関する対応を協議・決定する機関として、中央、方面、県の各本部にそれぞれ社会協議会を置く」(第45条)と、「国・地方自治体の選挙」が会則に盛りこまれました。社会協議会とは、創価学会と公明党の表向きの協議会のことです。選挙で公明党支持者(フレンド)を増やし、公明党の「実績」をもって選挙でつながった人々を折伏して、会員や「聖教新聞」読者に変え、その会員をまた選挙に駆り立てるという「政教一体」のやり方を、会則のうえでも鮮明にしたのです。

矛盾を深めることに

 三十二年前、言論出版妨害事件を契機に、創価学会・公明党の「邪教撲滅」や「政教一体」などの民主主義とは相いれない活動にたいして、日本の社会をあげた大きなたたかいが展開され、池田大作氏は“猛省”発言に追い込まれました。今日、その“猛省”が「ウソ」だったことが、明らかになっています。こうした人物を「教祖」とすることによって、創価学会はさらに深い矛盾の泥沼におちいることになるでしょう。(平)

 


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