日本共産党

2002年6月2日(日)「しんぶん赤旗」

移民の指紋登録 人権侵害

各国俳優ら反対アピール

伊下院法案可決に抗議


 【ローマ31日島田峰隆】右派政権が提出した移民規制法を審議中のイタリア下院は二十九日、滞在許可証を申請あるいは更新する移民に指紋登録を義務付ける修正を与党右派連合の賛成多数で可決しました。

 これに対し、世界各国の作家や俳優など約四十人の文化人らは三十一日、同項目の撤回を求める連名アピールを発表し、決定に抗議しました。

 アピールには米国の女優アンジェリカ・ヒューストンさんやスペイン出身の俳優アントニオ・バンデラス氏、作曲家のバカロフ氏など、俳優や歌手、評論家などの著名な文化人が名を連ねました。

 アピールは、指紋登録は「移民を潜在的犯罪者」とし、「人間の基本的人権、平等の権利を踏みにじる法規」であると強調。決定に「憤り」を表明し、国会と政府に同項目の撤回を求めました。「欧州を横切る外国人嫌いの風に譲歩するもの」であり、移民問題は「感情的、差別的な方策では対処できない」とも指摘しました。

 移民規制法案は、入国の際に企業との労働契約を義務付けるなど、移民受け入れを極端に厳しくする内容で、非人道的と批判されています。

 法案提出以来、イタリア各地で反対運動も広がっています。

 


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