日本共産党

2002年5月30日(木)「しんぶん赤旗」

日本経団連発足と自民党

政治への発言力強化へ

企業献金あっせん再開論議も


 「従来にも増して政治と経済界との間の意思疎通の強化が求められる」――二十八日に経団連と日経連が統合、発足した日本経済団体連合会第一回総会で採択された決議は政治との関係をさらに濃密化する方向を打ちだしました。

小泉首相がエール送る

 総会後のパーティーに出席した小泉純一郎首相は「今井さん(敬・統合前までの経団連会長)にも奥田さん(碩・日本経団連初代会長)にも小泉内閣に格段の協力をいただいている。日本経済界の総本山というべき日本経団連が結成された。政府のやれることは民間が動きやすいような経済環境をつくることだ」とエールを送り、財界との二人三脚による小泉・自民党政治の推進を強調しました。

 日本経団連の発足のねらいは、政治への発言力と影響力の強化です。発足総会にあわせて、企業幹部と自民党を中心とした保守政党との交流をはかる企業人政治フォーラム(九六年七月発足)は会員一万人拡大運動をスタートさせました。

 財界と自民党の関係は、企業政治資金を通じたスポンサーと政治的代理人という関係。戦後保守政党の合同による一九五五年の自民党結党そのものが改憲、戦後体制打破、保守政治の安定基盤を求めた財界の要請とバックアップをうけたものでした。両者の深い関係は企業政治献金を通じて政官財の腐敗・癒着構造をつくってきました。

 小泉内閣では経済財政諮問会議メンバーに奥田会長ら有力財界人が加わり、政府と一体で政策決定に参画。日本経団連の発足は、自民党政治と政財の一体関係をさらに深めたい狙いがあります。

ムネオ疑惑の企業から役員

 自民党など保守政党との関係では、リクルート事件後の企業献金批判で一九九三年から中止している企業政治献金あっせんを再開する論議が起こる可能性をはらんでいます。「国に経済が直面している問題を指摘し、環境整備を促す必要がある。その意味で政治との距離は近い必要がある。政治献金については、個人、企業が社会貢献活動の一環として、政党に献金していけばよい」(今井敬前経団連会長記者会見、五月二十三日)。日本経団連の同日の総会で承認された事業計画は「政治資金のあり方を含めた経済界と政治の関係」を検討するとしています。

 発足した日本経団連に、企業・団体献金が数々の金権腐敗事件を引き起こしてきたことへの真摯(しんし)な反省はうかがえません。むしろ逆に政財界の癒着・腐敗が深まることが新役員名簿をみるとわかります。鈴木宗男衆院議員の「ムネオハウス」疑惑で入札不正談合事件にかかわった日揮の渡辺英二会長が理事、日本工営の和田勝義社長が評議員(※下線部分削除、また鈴木宗男衆院議員のゼネコン後援会「宗建会」の幹事メンバーである川田工業の川田忠樹会長が評議員にそれぞれ選任されています。

 新たな事業計画では経団連から日本経団連へ引き継がれた防衛生産委員会は「『防衛計画の大綱』の見直しに向けて、働きかけを行う」として、有事体制を見越した「大綱」の改定へ積極姿勢を示しています。さらに「適正な国民負担の実現」と庶民増税を打ち出しています。

 日本経団連がかかげる政界と経済界の意思疎通の強化とは、支持離れが激しい小泉内閣、自民党を支え、連携強化することを意味しています。


※7月13日付「しんぶん赤旗」に訂正記事

◎訂正 5月30日付「日本経団連発足と自民党」の記事中、「また鈴木宗男衆院議員のゼネコン後援会『宗建会』の幹事メンバーである川田工業の川田忠樹会長が評議員」の部分を削除します。「宗建会」メンバーの川田工業は同名の別会社で、記事中の川田工業(川田忠樹会長)は「宗建会」とは無関係でした。訂正して、関係者におわびします。


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