2002年5月29日(水)「しんぶん赤旗」
「こんなことがまかりとおるとは…」。防衛庁が、情報公開法にもとづく請求者にたいし、思想信条もふくめた調査をおこない、内部リストに記載していた問題で、怒りと批判が広がっています。
防衛庁に資料請求した長谷川順一さん(新宿平和委員会会長、元日本共産党新宿区議) 私も防衛庁に情報公開を請求した一人です。年間四万人もの人が防衛庁を見学しているので、そのうち小・中学生、高校生が何人見学したのか知りたいと思って請求しました。
新聞社からリストに掲戴されていると知らされて驚きました。特に、防衛庁が知らないはずの「長谷川オフィス」の記載がリストにあったことは、私が共産党の区議をやめて何をしているのか、防衛庁が監視しているということです。背筋が冷えます。防衛庁は、戦前の政府が「非国民」とレッテルをはったのと同じように、請求した団体や人のことを考えているのではないでしょうか。
有事法案で、戦争に反対は許さないという内心の自由への侵害が問題になっているが、この問題はその先取りです。徹底して解明してほしい。
情報公開の運動をすすめるNPO情報公開クリアリングハウス室長の三木由希子さん(29) 防衛庁が、情報公開法に基づく請求者の身元を独自に調べてリストをつくるのが最大の問題で、情報公開法を大きく逸脱し、憲法の思想、信条の自由を侵す行為です。
情報公開法では、あくまで請求手続きのために請求者の氏名、住所、電話番号が必要だということで、これに必要のない職業やセンシティブ情報(思想、信条など)を収集して、リストにするのは情報公開法からも大きく逸脱しています。このリストの作成は、現行の行政機関個人情報保護法の収集制限と目的外利用にあたり、法律違反といわざるをえません。
こういうことがまかり通れば、情報公開法に基づく請求自体を市民が抑制することにもつながり、法律の目的を損ねる重大な問題です。
今国会に提出されている行政機関個人情報保護法の抜本改正案にも、このような行政機関の違法行為に歯止めをかける仕組みがなく、防衛庁にとどまらず政府の個人情報保護への対応に懸念と、疑問を感じます。