日本共産党

2002年5月29日(水)「しんぶん赤旗」

政府・与党の会期延長論

“渋滞”悪法成立が狙い

党略的思惑でルールやぶり


 六月十九日に通常国会の会期末を控え、政府与党内で会期延長問題が浮上しています。

 有事法制三法案、健康保険法改悪案、郵政関連四法案、個人情報保護法案など、政府・与党が「重要法案」と位置付ける悪法の審議が軒並み“渋滞”しているなかで、悪法成立へ突破口を開こうというねらいです。

■会期制ふみやぶる

 しかし、会期制は、議会制民主主義のルールとして、重要なものです。通常国会は会期が百五十日間と定められています。予算案や法案の審議に要する時間を見込んで算定されたものです。

 会期の延長は、通常国会は一度だけ認められていますが、これも、「原則的には、常会では会期の延長は可能な限り行うべきではないとする法意と解される」(『現代行政法学全集』)というのが常識です。政府・与党の党略的思惑で勝手に会期を延長できるものではないのです。

 しかも、有事法制三法案の審議をみても、短時間に次々と重大な危険性と問題点が明らかになっています。審議をすれば、政府答弁は支離滅裂になるばかり。「『欠陥』露呈次々と」「政府、全容示せず」(「毎日」二十二日付)とマスコミからも酷評されるようなありさまです。本来なら、政府は法案を撤回すべきです。

 こんな悪法が、議論が熟さないまま、会期末を迎えるならば、「会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続しない」とする国会法六八条の「会期不継続の原則」に照らし、審議未了、廃案とするのが、当然のルールです。

 会期延長でゴリ押しするのは、「相撲で負けそうになって、土俵を変えるようなもの」(志位和夫委員長)です。憲法に違反し、政府自身が説明もつかないような法案を押し通すための会期延長は、議会制民主主義に照らして許されるはずがありません。

■あせる政府・与党

 一九九九年の通常国会では、与党が数の力で五十七日間という大幅会期延長を強行、「日の丸・君が代」法や「盗聴法」をゴリ押ししました。これには、議会制民主主義を破壊するものとして、強い批判があがりました。

 今回も、数の力で党略的な会期延長を強行するなら、小泉政権は、政治手法の面でも、古い自民党政治をそのまま引き継いでいることを白状することになります。

 日本のあり方を根本から危うくする悪法の会期延長による強行ではなく、残された会期内に、「政治とカネ」の問題が焦点となった国会にふさわしく、鈴木宗男衆院議員などの疑惑を徹底解明し、必要な手だてをとることこそ、求められています。(小林俊哉記者)

 


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