日本共産党

2002年5月26日(日)「しんぶん赤旗」

主張

有事法案

参戦への道 共同の力で阻もう


 陸・海・空・港湾労組、宗教者団体が呼びかけて東京都内で開かれた「STOP!有事法制5・24大集会」は思想・信条の違いを超えて四万人余が集い、「国民を戦争に動員する有事法案反対」の声をとどろかせました。

 大集会を跳躍台にしてさらに世論と運動を一気に広げて、政府・与党を包囲し、有事三法案を廃案に追い込もうではありませんか。

広がる世論と運動

 小泉政権の危険なたくらみに、これまでの枠を超えて幅広い人々から有事法案反対の声が上がっているところに大きな特徴があります。

 労働界では、安保・防衛問題で政府の方針に反対してこなかった連合が、有事三法案について「今国会で急いで成立をさせることは反対」を明確にしたことはその一例です。

 日本ペンクラブをはじめ、作家や学者、芸術家など著名な人たちが、「日本の平和と憲法の危機」として相次ぎ反対を表明しています。

 有事法制に直接組みこまれ国の手足とされる地方自治体では、法案反対や慎重審議を求める首長が三百八十八人に達し、回答者の82%にのぼります(自治労連のアンケート)。

 国民の中で急速に法案への疑問や批判が広がっているのは、この間のわずかな国会審議を通しても、国の進路と国民の自由・権利にかかわる恐るべき法案の危険性が次々に明らかになってきたからです。

 有事法案は、アメリカが海外で起こす介入戦争に、自衛隊が武力行使を含めて参戦できる仕組みをつくることが狙いです。「有事への備え」という政府の主張はごまかしです。

 この戦争に国民を強制動員するために、国民の自由と人権をしばる戦時体制をつくることも重大です。

 国民が物資の保管命令などに従わなければ犯罪者として処罰されます。NHKなどの指定公共団体や医療、輸送、建設などの関係者も強制的に動員されます。

 かつて太平洋戦争中、労働者は戦時動員で多大な犠牲を受けました。民間船員は六万二千人が戦場の海に戦没した痛ましい歴史があります。

 それだけにアメリカの戦争に加担する有事法制は「日本の平和と安全にとってきわめて危険な選択」と強く反対しているのです。

 この有事法制の危険な内容が国民の間に知れわたるのを恐れて、まともな審議もつくさず数の力で押し通そうとする与党の暴走は、いっそう世論の怒りを強めています。

 いったん強行決定していた公聴会も延期せざるをえなくなりました。さらに審議を重ねていけば、この法案が「日本を守る」ためではなく、「海外での武力行使法」「国民の強制動員法」であるという本質がいっそう明らかになるでしょう。

 「強行成立は許さない」という声を含めて、有事法案反対の世論と運動を大結集して、日本列島を揺るがすような大きなうねりにしていけば法案を阻止することは可能です。

内閣追い詰め廃案に

 いま国会では悪法が山積みになっています。言論の自由を規制する個人情報保護法案と人権擁護法案、国民の命を削る健康保険法改悪案、郵政民営化の一里塚・郵政関連四法案など、いずれも与党の支持基盤だった人々を含めて反対運動が起きている法案ばかりです。

 これらの法案のごり押しは許さない世論と運動を大合流させて、国民的な共同の力で小泉政権を追い詰め、有事三法案をはじめ悪法を廃案に追い込もうではありませんか。

 


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