2002年5月17日(金)「しんぶん赤旗」
【ベルリン15日坂本秀典】自動車、電気、機械などドイツの基幹産業である金属産業労資の賃金交渉は、金属産業労組(IGメタル)が拠点とする南西部バーデン・ビュルテンベルク地区で十五日、六月から4%、来年六月から3・1%引き上げることで合意に達しました。新協定の有効期間は二〇〇三年末までの一年十カ月。また今年五月分として、一律百二十ユーロ(約一万四千円)が支給されます。
同地区は金属産業労資の交渉で先行モデル地区と位置づけられ、全国的な合意もこの水準で決着するものとみられます。
七年ぶりで本格ストを実施してきた労組側は十七日、賃金交渉委員会で交渉結果を確認し、その後組合員による投票を行います。
今回の交渉にあたったIGメタルのフーバー地区責任者は「労働者が経済発展に貢献できる目標値を達成した」と評価。ツウィーベルホーファー地区金属産業連盟会長は「責任ある妥協の結果だ」と述べました。金属産業連盟のカネギサ会長も、同地区の合意が全国的に波及することを容認する姿勢です。
シュレーダー首相は同日、「当事者の交渉の自律性によって合意がもたらされた。合意は経済発展を促進するだろう」と歓迎を表明しました。
なお、ベルリン・ブランデンブルク地区では妥結しておらず、ストが続いています。