日本共産党

2002年5月16日(木)「しんぶん赤旗」

架空領収書で虚偽報告

佐藤容疑者の支援委資金私物化

国際会議で接待、観光


 背任容疑で東京地検に逮捕された外務省の前国際情報局主任分析官、佐藤優容疑者(42)は、外務省関連の国際機関「支援委員会」に国際会議への参加費用など約三千三百万円を不正に支出させたさい、虚偽報告や架空領収書まで作って資金を引き出し、私的な観光旅行などに使っていたことがわかりました。鈴木宗男衆院議員の側近だった佐藤容疑者が、同議員の力を背景に支援委員会資金を私物化していた実態がますます浮き彫りになってきました。


 佐藤容疑者が支援委員会に不正に支出させた、として背任容疑に問われたのは、(1)二〇〇〇年四月にイスラエルで開催された国際会議への学識経験者、外務省職員計十七人分の参加費用(約三千万円)(2)同年一月に来日した研究者夫妻の旅費と滞在費(約三百三十万円)――の二つです。

 佐藤容疑者は、イスラエルの研究者から、外務省費用での訪日と会議への代表団派遣を依頼されて了承。その資金源として、鈴木議員が影響力を持っていた支援委の資金に着目し、ロシア支援室課長補佐だった前島陽容疑者(37)に働き掛けました。支援委の設立趣旨に反するとして異論が出たものの、鈴木議員に近い、当時の東郷和彦欧亜局長が決裁し、不正に資金を引き出しました。

 代表団メンバー全員を事実上決定したのも同容疑者。佐藤、前島両容疑者とともに参加した外務官僚の男女四人は、佐藤容疑者が省内で組織した「佐藤機関」と呼ばれる同容疑者側近グループに属していました。参加した研究者もほとんどは同容疑者の知人でした。

 メンバーは六日間の日程でイスラエルを訪問。会議への出席は前半の三日間のみで、残りはゴラン高原や死海などの国内観光に費やされました。

 前島容疑者が現金で受領した前渡し金のうち、佐藤容疑者は三十数万円を私的に流用。帰国後の精算時に受け取った中からも数十万円を個人的な飲食費などに充てていたといいます。その際、流用を隠ぺいするため、現地で会議に関連した支出を行ったとする虚偽の書類や架空領収書を作成し、同省側に提出していました。

 また、代表団派遣に先立ってイスラエルの研究者夫妻が来日した際には、飛行機のシートを実際はビジネスクラスなのにファーストクラスを使用したように虚偽報告。差額分を佐藤、前島両容疑者で着服し、飲食費などに充てていました。

 研究者夫妻来日の名目は、「国際会議の事前打ち合わせ」。実際は関係者を集めての会議などは一度も開かれず、「電話で済む」(関係者)程度の簡単な話し合いを交わした程度でした。夫妻は八日間の日程のほとんどを、会議とは無関係の知人と会ったり、観光旅行するなどして過ごしたといいます。

 関係者は「いずれも佐藤容疑者が個人的な人脈を強める狙いで支援委を利用した、接待と観光のための旅行だった」と指摘しています。


鈴木議員

“おれが取ってきた金”

外務省職員にわび状書かせる

 背任容疑で逮捕された外務省の前主任分析官、佐藤優容疑者(42)が一九九九年春、イスラエルの研究者の来日費用を国際機関「支援委員会」に支出させようとして認められず、鈴木宗男議員が担当職員を「おれが取ってきた金だ」としっ責し、同氏が複数の職員にわび状を書かせていたことが十五日、関係者の話で分かりました。

 佐藤容疑者は九九年三月、イスラエルのロシア研究者を日本に招へいした費用を支援委に肩代わりさせようとしましたが、支援委の事業の趣旨に反するなどとする省内の反対で実現しませんでした。

 当時、官房副長官だった鈴木氏は、これを知り激高。反対した条約局の複数の職員を官邸の副長官室に呼び付け、「おれが取ってきた金だ。支援委の資金はもっと弾力的に使うべきだ」としっ責し、職員にわび状の提出を要求しました。複数の職員は後日、「今後は弾力的に対応します」などと書いたわび状を鈴木氏に提出したといいます。

 翌年春、支援委による国際会議への参加費の肩代わりが認められた背景には、鈴木氏のこうした圧力があったとみられます。

 


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