日本共産党

2002年5月14日(火)「しんぶん赤旗」

戦争する国、拒否します シリーズ有事法制

平和脅かす動きに“否”

キリスト者ネットが奮闘

祈りつつ学習会や集会も


 「『戦争体制づくり』の憲法改悪の動きに抗し、武力によらない平和を創(つく)り出すために…」(呼びかけ文)と結成された「平和を実現するキリスト者ネット」。各教派・団体や個人が協力しあって、有事法制に反対する運動とネットワークを広げています。

ニュース出し行動を提起

 キリスト者ネットは、有事法案審議や憲法調査会など国会傍聴をつづけ、他団体が呼びかけた請願行動にも駆けつけています。毎日のファクスニュースで行動提起をしたり、メールや「ニュースレター」で国会の様子やリポートなどを載せています。

 重視しているのが「有事法案の危険性をかみ砕いて伝えること」。「しっかり問題点を学習して教会関係者に広めたい」(日本キリスト教協議会=NCC・大津健一総幹事)と学習会を開いています。二十四日の明治公園での「STOP! 有事法制5・24大集会」成功にも力を入れています。

37教派団体が運営主体に

 同ネットはカトリックとプロテスタントの三十七教派・団体が運営主体となって一九九九年十月に結成されました。同年五月に宗教者と陸・海・空・港湾労組二十団体が呼びかけ、各界から五万人が参加し、画期的な共同行動となった「ストップ戦争法! 5・21全国集会」がきっかけでした。

 同ネットの西原美香子さんは「宗教団体が集会を呼びかけたといっても、キリスト者は入っていませんでした。これでいいんだろうかと反省したんです」と話します。事務局が置かれているNCCの幹事も務めます。

侵略戦争協力を反省

 かつて日本がアジア・太平洋地域に侵略した第二次世界大戦。教会はすすんで協力しました。同ネットは、この教訓に立って、設立の「趣旨」で「私たちは、平和の福音を宣べ伝えたイエスをキリスト=救い主と信じる者として、自ら歴史の反省に立ち、日本は二度と他国の隣人に軍事的脅威をあたえてはならない」とのべています。

 西原さんは「教会は社会状況とは切り離せません。祈るだけでなく社会状況を見極める力をつけること、そしてやってはいけないことには『否』ということが本来のあり方です」と指摘します。

 大津さんは十日の学習会で「有事三法案は英語では戦争法と翻訳しています。日本が戦争国家体制を確立する重大な法案です」と語りました。

 全国のキリスト者が「二度とあの戦争の道には戻りたくない」と募金や激励を寄せ、国会に駆けつけたりしています。祈りつつ行動するキリストス者の輪が広がっています。

 


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