2002年5月3日(金)「しんぶん赤旗」
全国の青年が平和について語り、学ぶ集い「ピースエッグ」(日本平和委員会主催)が、三日から大阪・和泉市で始まります(五日まで)。四月末、準備で大忙しの実行委員会(大阪市)を訪ねました。和田肇記者
ぺたぺたぺた。真剣な目で赤や青、黄、緑の手形を模造紙に押し付けます。「けっこう、ええんちゃう?」「イケてるイケてる!」。「ピースエッグ」の横断幕はカラフルな仕上がりです。四月二十八日、実務に参加した十数人は十七歳から二十三歳の青年たち。精力的に作業を進めていきます。
どうして「ピースエッグ」にかかわるようになったのでしょう。同二十七日、「平和ってなんや」をテーマにしたグループトークの練習でお互いの思いを語っていました。
中尾杏奈さん(19)=学生=は「沖縄のジュゴンを守りたいという一心でこの世界に入った」といいます。小学生のとき、両親に連れられて広島市の原爆資料館を見ました。「今でも思い出しただけでどきどきする」。資料館には人の影が焼きついた石の階段や八時十五分で止まっている時計がありました。「一瞬にして命を奪うなんて怖い。時計の持ち主の時間、ここで止まったんだと思った。こういうことを教えてくれた両親の存在は大きい」
ビラのデザインなどを手がける田中伴樹さん(22)=デザイナー=は一九九九年、戦争法(新ガイドライン法)が成立しそうだと聞いて「戦争? 知らんうちになんやねん」と行動に踏み出しました。宮崎真雪さん(21)=学生=も、広島と長崎の原爆資料館を訪れました。「出てきた瞬間、ものが言えなかった」といいます。「戦争のひどさを広げていかなあかんなあ」
話は、経済格差と貧困、物質的な豊かさと精神的な豊かさ、心のゆとり、つめこみ・競争教育の問題にまで発展。夕方五時から始まった議論は十一時まで続きました。
杉村出(いずる)実行委員長(23)は、「平和がいちばん」という気持ちを大切にしたいといいます。「有事法制ができれば基地監視行動なども取り締まられそう。めっちゃヤバイ」。有事になると通信規制で携帯電話が使えなくなるおそれもあります。「平和にあまり興味をもってない青年にも伝わるよう、ふつうの言葉で語りたいんです」
ピースエッグは今年で十二回目。昨年(約百五十人)を大きく上回る二百六十人余りが参加する予定です。インターネットで知った人は「有事法制によって世の中が変わってしまうのかと心配です……ぜひ『ピースエッグ』に参加して勉強したいのですが」とメールを寄せました。
立命館大学の安斎育郎教授などを招いてのパネルディスカッションや分科会、キャンプファイアーなどの企画で三日間びっしりです。分科会のテーマは「平和ってなんや!? 入門編」「留学生と世界の平和をトーク」「ピース&ポップカルチャー」「平和ってなんやねん!? 鉄人コース〜徹底検証『有事法制と憲法』」などなど。
「いちばんの魅力は何時間も話しあえること」と事務局長の鈴木久さん(22)=会社員=はいいます。
「三十代のおとなから中学生まで、学生や会社員など幅広い層が集まって討論します。最初は知らない者同士だけど、三日間のうちに本当に深まっていくんですよ」