日本共産党

2002年4月4日(木)「しんぶん赤旗」

イスラエルのパレスチナ侵攻

世界で広がる非難、撤退要求の声


 三月二十九日未明から始まったイスラエル軍によるパレスチナ自治区への侵攻・制圧とアラファト・パレスチナ自治政府議長への監禁に対し、イスラム・アラブ地域はもとより世界各地で非難と撤退要求の声が急速に広がっています。


□欧州□

 欧州ではほとんどの国がイスラエルに批判的で、同国のシャロン政権に対してイスラエル軍の引き揚げを求めているのが特徴です。

 欧州連合(EU)議長国のスペイン外務省は二日、マドリードのイスラエル大使を呼び出し、同軍のパレスチナからの撤退、アラファト議長の解放と、直ちに停戦することを求めました。ピケ・スペイン外相は同日、ロシアのイワノフ外相とソラナEU共通外交・安保上級代表との会談後記者会見し、イスラエル侵攻の翌日・三月三十日の国連安保理決議の完全な実行をイスラエルに求めたと述べました。

 この決議は「自治政府議長府に対する攻撃に重大な懸念を表明」し、「パレスチナの都市からイスラエル軍を撤退させるよう求め」ています。イスラエルが、この安保理決議を無視し軍事侵攻を拡大したことに批判が続いています。

 ストロー英外相は三月三十日に、フランス外務省は同三十一日にそれぞれ駐在イスラエル大使を呼んで、イスラエル軍の撤退、国連安保理決議の履行を求めました。シラク仏大統領は三月三十一日、唯一のパレスチナ代表者のアラファト議長の「交渉能力を物理的に損なう行為は重大な誤り」だと語っています。

 カナダのグラハム外相も二日、安保理決議の実行を求めました。

□アジア□

 アジアでは、中国の唐家〓外相が、イスラエル軍侵攻の三月二十九日、カタール外相との電話で「野蛮な侵犯」と態度表明し、同三十一日には、イスラエルのペレス外相に電話し、アラファト議長の安全と軍の撤退を求めました。中国外務省は二日の会見で、安保理決議の実行を求めました。

 アラブ諸国では、イスラエルと国交を結んでいるエジプト、ヨルダンが、駐在イスラエル大使の国外撤去もありうると警告しました。クエート国会は一日、イスラエルの侵攻をやめさせるようアメリカに対し呼び掛けました。

 クアラルンプールで開かれていたイスラム諸国会議機構(OIC)の特別外相会議でも、イスラエル軍の軍事攻撃拡大を非難する宣言を採択しました。

 また、アラブ各地で市民によるイスラエルを非難する大規模な行動が起きています。エジプト、ヨルダン、リビア、スーダン、シリアなど少なくとも七カ国に及んでいるといいます。ロイター電は二日、インドネシア、ブラジルの街頭での行動を伝えました。ブラジルの首都ブラジリアでは、パレスチナ移民と子孫がイスラエル大使館前で「シャロンは二十一世紀のナチスだ」と叫びました。

 


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