日本共産党

2002年4月3日(水)「しんぶん赤旗」

韓国大統領選挙

候補者選び本格化

国家保安法、米国中心外交など議論白熱


 韓国大統領選挙(十二月十九日投票)に向け、与野党の候補者選びが本格化しています。国家保安法の改廃、米国中心外交の是非など、重要課題の論戦が繰り広げられるなか、与党内からは野党・ハンナラ党も巻き込んだ「政界再編」論が飛び出し、政局は急速に熱を帯び始めました。(面川誠記者)

 目下、旋風を巻き起こしている人物は、与党・新千年民主党(民主党)で二位につける盧武鉉・党常任顧問(前国会議員)。人権侵害の国家保安法の廃止、米国中心外交からの脱皮を掲げて支持率を上げています。

 盧氏は、与党が全羅道地方、野党が慶尚道地方を強固な地盤としている「地域主義」を打破するために、「理念と政策」にもとづく政界再編を力説、「野党内の理念を同じくする議員も対象に、公開された政界再編を進める」と宣言しました。

 歯に衣(きぬ)着せず改革を提起する盧氏は、若年層を中心に人気を集めました。盧氏と李会昌・ハンナラ党総裁の対決を想定した世論調査では、盧53・8%、李30・8%(ハンギョレ三月三十一日付)、盧44・8%、李33・7%(朝鮮日報三月二十五日付)など、盧氏が野党を圧倒しています。

●“アカ攻撃”に批判

 一位を走る李仁済・党常任顧問(前京畿道知事)は、国家保安法は改定、外交では米韓協調の強化を主張し、「中道路線」を掲げます。盧氏に対しては、「左翼」、「プロレタリア革命」だと“アカ攻撃”を仕掛けました。しかし、野党時代の民主党や金大統領がさんざん浴びた“アカ攻撃”を繰り出した李氏は、党内で厳しい批判を浴びました。

 盧氏と李氏は、一九八八年の総選挙で金泳三・前大統領が総裁をつとめていた野党・統一民主党から国会入りしたかつての同志です。その後、李氏は野党から与党へ渡り歩き、「大統領の座が目的の渡り鳥政治家」との批判を受けました。これに対し、盧氏は九一年に金大中氏の野党と合流したあと、あえて反金大中感情が強く不利な慶尚道地方の釜山から「地域主義打破」を掲げて国政、地方選挙に出馬して落選を繰り返し、その愚直さが好感を与えました。

 民主党の候補選出は、順次開かれる地方党大会での得票を積み重ねる方法です。約半数の投票が終わった現在、得票率は李氏が45・8%、盧氏が42・1%。今月二十八日にソウルで開かれる全国大会で最終決定します。

●支持率下げる野党

 ハンナラ党は四日に候補者登録が始まります。最有力の李会昌総裁は、最高裁判事、中央選挙管理委員長を経て九三年に首相に就任、九六年に当時与党の新韓国党(現ハンナラ党)選挙対策委員長に迎えられました。「健全な保守」を掲げ、清廉潔白が売り物ですが、豪華な自宅マンションを支持者から無料で提供されていた事実が暴露され、支持率低下を招いています。

 李総裁と候補者の座を争うのは、李富栄・前副総裁。七〇年代から民主化運動、労働運動に参加し服役を繰り返しており、ハンナラ党では異色の経歴の持ち主です。「ハンナラ党も変化しなければならない」と、二日に出馬を宣言しました。

●次期政権の課題

 韓国政治は、「三金時代」が三十年近く続きました。軍事政権の実力者だった金鍾泌氏と民主化運動の指導者だった金大中氏と金泳三氏が、出身地域を強固な支持基盤としてきた「地域主義」の政党構図です。

 金泳三・前大統領に続き、金大中大統領が政界の表舞台を去る十二月の大統領選挙は、与野党とも地域主義を脱皮した政策政党への転換が問われます。手つかずの国家保安法の改廃も、次期政権の課題になりそうです。

 対外政策では、金大統領が心血を注ぐ北朝鮮に対する「太陽政策」の継続が焦点です。与党内でも意見は分かれ、南北経済協力について李氏は「政経分離にもとづき、収益性を重視する」と慎重な立場。盧氏は、「北の開放政策を前提に、金剛山開発、京義線鉄道の連結、電力支援などを進める」と積極姿勢です。

 


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