日本共産党

2002年4月3日(水)「しんぶん赤旗」

戦争法、米軍への協力具体化

自治体に対応策づくりの動き


 政府が有事立法で地方自治体も組み込んだ“国家総動員体制”づくりを狙うなか、地方自治体の一部で米軍がアジア・太平洋地域で起こす戦争である「周辺事態」に協力する仕組みづくりがすすんでいます。周辺事態法(戦争法)九条では、「周辺事態」のさい、政府が「地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる」としており、地方自治体が戦争準備を余儀なくされていることを示しています。

 政府は、周辺事態法第九条にもとづく「協力」の内容について、二〇〇〇年七月に発表した「解説」で具体的な協力項目を明示。すでに各都道府県に配布したうえで、二度の説明会を開いています。また、国会提出準備をすすめる有事立法では地方自治体に対する首相の「指示」権まで検討しています。

 こうしたなか、秋田県は、一月に「危機管理計画」の「素案」を作成。「想定される危機の態様」を示し、県当局内の連絡体制や対応手順などをまとめています。

 そこでは、「地域防災計画」で定めた危機以外に、「県民の生命、身体、財産に被害・損失が生じる」危機として、「米軍関係事故」や「自衛隊関係事故」のほか、「金融危機の発生」、「大規模な労働争議」などとともに「周辺事態安全確保法の発動」をあげています。

 県総務課は策定の経過について「一昨年六月頃から準備を始めた。災害以外にもいろんな(危機の)ケースがあり、対応はどこがやるのか明確にするよう議会から求められた」と説明しています。

 岩手県も「危機管理」の一つとして「周辺事態」を位置づけた「危機管理対応方針」を決めています。

 「周辺事態」に独自の対応を決める自治体もあります。

 広島県では、十二月県議会で藤田雄山知事が自民党議員の質問に対し、周辺事態法第九条にもとづく地方公共団体への「協力要請」に対する「基本的な対応マニュアルの作成を検討していきたい」と答弁。県当局が作業に着手しています。

 滋賀県では「周辺事態安全確保法第九条に基づく協力要請への対応体制」を確立。三重県も「周辺事態に関する危機管理マニュアル」を策定しています。

 


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