日本共産党

2002年3月28日(木)「しんぶん赤旗」

参院本会議

02年度予算案にたいする

宮本議員の反対討論


 二十七日の参院本会議で、日本共産党の宮本岳志参院議員がおこなった二〇〇二年度政府予算案への反対討論(大要)は、次のとおりです。


 討論に先立って、野党が求めている鈴木宗男衆院議員、加藤紘一自民党元幹事長らの証人喚問が実現に至らないまま、予算案が採決されようとしていることに強く抗議します。

鈴木、加藤疑惑全容解明こそ

 いわゆるムネオ疑惑なるものは、「北方四島」支援をめぐる入札への介入にとどまらず、防衛庁、国土交通省、科学技術庁など省庁を横断して行政をゆがめ、税金を食い物にしてきたものです。そればかりか、外交方針をねじまげ、領土問題を事実上の二島返還で終わらせるという、国益を損ね日本の主権をも食い物にした疑惑まで明らかになりました。これらの行為は、鈴木議員一人でできないことは明白で、外務省はいわば共犯者であったといわざるをえません。

 さらに鈴木議員は自民党、公明党の国会議員に多額の政治資金を配ってきましたが、原資は税金が還流した疑いがもたれるものです。そればかりか、自民党は「北方四島」・ロシア支援を受注した商社八社からばく大な献金を受け取ってきました。まさに自民党全体が汚染されているといっても過言ではありません。

 また、加藤紘一事務所の前代表が脱税で逮捕された事件は、加藤氏の政治資金集めの中心にいた人物にかかわるものです。このような人物が集めた資金を頼りに政治活動を行ってきた加藤氏自身の責任こそが厳しく問われています。

 鈴木、加藤両議員に共通するのは、金丸(元自民党副総裁)巨額脱税以後も何ら変わらず、公共事業を食い物にしてきた自民党の金権・腐敗政治の姿です。鈴木議員や加藤元幹事長の数々の不正、腐敗が委員会の審議で示されたにもかかわらず、全容解明が不十分なままで予算を成立させることは、執行に重大な禍根を残すものです。

 このような問題が次々と起こった背景には、政と官とをつなぐ企業・団体の存在があります。企業が政治に金と票を流し、官には“天下り”ポストを提供する、これが接着剤となって政と官の関係がゆがめられてきたのです。わが党は、すでに本院に企業・団体献金禁止法案、天下り禁止法案を提出していますが、この方向こそ国民の求める改革であることを指摘します。

 また、社民党政審会長だった辻元清美衆院議員による政策秘書の名義借り、政治資金規正法違反も重大です。同議員は議員辞職を願い出ましたが、ことの真相は明らかになっておらず、この究明も引き続き進めなければなりません。

長びく不況をいっそう深刻に

 次に予算の内容についてです。予算案に反対する第一の理由は、今日の不況の解決に役立たないばかりか、長引く不況をいっそう深刻にするものだからです。

 小泉内閣の誕生から一年、日本の経済は再生に向かうどころか、GDP(国内総生産)が三期連続マイナスを記録するなど、一貫して悪化をつづけました。過去に例のない5%台の失業率、完全失業者数の十カ月連続増加など、いまや「小泉大不況」という言葉すら生まれています。

 そもそもこの予算案の審議の途中で「デフレ対策」をまとめざるをえなかったこと自体が、この予算がデフレと不況を同時進行させるものだと認めたものです。しかも、第一の柱として掲げられている不良債権処理の促進は、デフレ解消どころかデフレ加速要因となることは政府自身も認めていたではありませんか。

 そればかりか、不良債権処理を口実に、金融庁は地域経済に大きな貢献をしてきた信金・信組を狙い撃ちして計画的につぶしてきたことが、わが党の追及で明らかになりました。破たん処理に際してつぶされた金融機関の債務者が、ときには恣意(しい)的に不良債権のらく印を押されるなど営業を続ける権利を脅かされる事態が急増しています。「構造改革」の名で地域金融、地域経済を破壊し、景気をいっそう悪化させる政治はただちにやめるべきです。

苦しむ人々にさらにしわ寄せ

 反対理由の第二は、不況に苦しむ人々にいっそうのしわ寄せを押しつけるものだからです。サラリーマンなどの医療機関の窓口負担を三割にし、高齢者の負担と政管健保の保険料を引き上げる医療制度の改悪によって、二〇〇三年度には約一兆円の国民負担増になることが明らかになりました。高齢者マル優の廃止や米軍への「思いやり」予算と比べて四分の三にまで削減された中小企業予算などは、弱いものいじめ以外の何ものでもありません。

 政府にこそ責任があると首相も認めたBSE(狂牛病)問題でも、生産者や流通業者へのまともな対策はありません。次世代を担う子どもたちを健やかに育て、教育・研究条件を拡充するために必要な予算は、さらに貧困な内容です。

 国立大学の学費は来年度もさらに二万四千円を値上げし、三十年間で四十倍もの値上げとなり、無利子の奨学金も一万六千人削減しています。母子家庭への児童扶養手当は年間三百六十億円も削ろうとしています。このように次世代を担う子どもたちに冷たい政治を進めるなど、「米百俵の精神」が聞いてあきれるではありませんか。

浪費はそのまま財政破たん拡大

 理由の第三は、必要性が疑われる大型プロジェクトの公共事業、大銀行支援のための七十兆円枠の温存など、浪費にメスを入れないまま財政破たんを拡大するからです。

 川辺川ダムや諌早湾干拓などは、事業の目的そのものが失われているのに、国民の批判に挑戦するように事業が進められています。私の地元の関西空港は、完成した一期工事分だけで、空港機能には十分な余裕があります。国が関空の建設にあたり過大な経済効果予測に基づいた投資を地元に押しつけたことで、今日財政破たんに直面する地方自治体が続出しています。その反省もないまま、いままた過大な需要予測に基づき二期工事を進めていることは二重三重に許しがたいものです。

 また、アメリカの戦争にいっそう深く組みこまれている自衛隊装備の拡充や、ムネオ疑惑の舞台にもなった在日米軍支援など、憲法違反の防衛関係費を聖域化し、従来通り巨額のまま温存していることも問題です。

 自民党政治のゆきづまりに対して、“自民党を変える”と絶叫して誕生した小泉内閣はこの一年、自民党を何一つ変えられないばかりか、従来型の自民党政権そのものであることが明らかになりました。本予算案の内容にも示されています。日本共産党は国民の立場で国政転換を求めるすべての人々と力を合わせ、小泉政治と正面から対決し、国民生活と営業を守り、有事立法に反対し、憲法が生かされる政治を実現するため全力を挙げることを表明します。

 


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