2002年3月26日(火)「しんぶん赤旗」
「真実一路にたたかってきて本当によかった」。二十五日、東京・霞が関の厚生労働省で和解にかんする確認書に調印した薬害ヤコブ病大津訴訟原告団長の谷三一さん(53)はいいました。三人の姉妹とともに遺影をもって調印式に臨んだ谷さん。「一人ではじめた裁判。五年四カ月、感無量、涙の出る思いです」と声を詰まらせました。
東京訴訟原告団長の池藤勇さん(65)が「妻の無念の思いを少しでも晴らしたいと裁判を起こしました。悲惨な被害がなくなるわけではない。失われた命は戻らない。本当に、本当にもう二度とこのようなことがないようにしてください」と被告に訴えると、調印を見守った約百五十人の支援者から拍手がおきました。
峰下政己さん(67)は娘を二十六歳で亡くしました。一九八四年に新潟大学病院で脳外科の手術をうけ三十三カ月後にヤコブ病を発症しました。九一年七月に日本の薬害ヤコブ病の第一症例として医学雑誌に報告されました。
「娘の亡くなった原因が薬害だったと知らされたのは発病から十五年以上たった、昨年です。医学雑誌に載っていることも知りませんでした」と峰下さん。「今日は仏壇に“行ってくるぞ”といって新潟から上京しました。帰ったら“やっと終わったぞ”と報告します」と話します。
今年一月に六十一歳で力尽きた小畑君子さんの夫弥広さん(68)は「“謝ってくれたよ”と(妻に)報告したい」といいます。責任の明確化と謝罪を要求し、厚生労働省前に数度に渡り座り込みでたたかってきました。「仲間とともにたたかって言葉にならないほどうれしい」と勝利和解の実感をかみしめていました。
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