日本共産党

2002年3月24日(日)「しんぶん赤旗」

無駄の典型 6大架橋

「調査費」に5億5200万円

「公共事業の見直し」どこに


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 公共事業の「一割削減」や「見直し」をとなえる小泉内閣。ところが、二〇〇二年度政府予算案に、全国の海峡に六カ所も長大橋などを架ける「六大架橋」プロジェクトの調査費が、五億五千二百万円も計上されていることが二十三日までにわかりました。

 「六大架橋」とは、東京湾口道路(第二アクアライン)、伊勢湾口道路、紀淡海峡道路、関門海峡道路(二本目)、豊予海峡道路、島原・天草・長島架橋です(地図参照)。

 日本列島の各地に長大橋を架ける構想は、一九八七年の第四次全国総合開発計画(四全総)で打ち出され、九八年に閣議決定された「二十一世紀の国土のグランドデザイン」(五全総)で、六大架橋について「調査」し「構想を進める」ことが盛り込まれました。

 その調査費は、九四年度予算で「新交通軸調査費」の名で二億九千五百万円つけて以来毎年計上され、二〇〇一年度予算では六億一千二百万円に。八年間で総額四十億円を超えます。国土交通省道路局は「調査費がどう使われているかはいえない」としています。

 関係予算は自治体でも組まれており、伊勢湾口道路にかかわっている三重県の二〇〇二年度予算案では、同道路の調査費として一億円計上されています。

 大規模架橋としては、本州四国連絡橋で三本も橋を架け、四兆円近い借金を抱える例にみられるように、過大な需要予測にもとづく破たんが相次いでいます。国と地方の借金が合わせて七百兆円に達しようとしていますが、さらに「六大架橋」の建設を推進すれば、いっそう借金が膨らむことになります。

 小泉内閣は、無駄な公共事業を拡大する全国総合開発計画への批判が強まっているなか、その「見直し」を打ち出さざるをえなくなっています。しかし、無駄の典型ともいえる「六大架橋」の調査費をのこしているように、公共事業費は二〇〇二年度予算案でわずかに「コスト削減」しただけで事業そのものの見直し・中止にはなっていません。

 


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