日本共産党

2002年3月19日(火)「しんぶん赤旗」

検査で差別 受け皿有利に

参院委で大門議員

信金・信組つぶし実例あげ追及


 金融庁が特定の信用金庫・信用組合をターゲットにして計画的につぶしたうえ、その破たん処理も、受け皿金融機関の意向通りに、無法なやり方で取引先の切り分け(仕分け)をやっている――。日本共産党の大門実紀史議員は十八日の参院予算委員会で、昨年から全国で五十六もの信金・信組が相次いで破たんしている問題を取り上げ、政府を追及しました。

 大門氏は、金融庁の検査で(1)大阪の相互信金(一月破たん)では、近隣の信金が100%認められている不動産評価が70%しか認められなかった、(2)千葉の船橋信金(同)では、ほかでは認められたのに、赤字企業であっても社長個人の資産を加味する査定が認められなかった例――をあげ、同庁が「ターゲットを決めて差別的検査でつぶしている」と告発しました。

 大門氏は、「こうしたやり方でつぶされた信金・信組の借り手である中小企業の方々は、なんの罪もないのに、大変な苦境におとしいれられている」と指摘。船橋信金で、金融整理管財人団に入っている受け皿金融機関の職員が直接、取引先の切り分け作業に従事し、受け皿金融機関から「正常先は二割にしろ」との指示を受けて、実際にその通りになっていることを告発しました。

 また、相互信金の受け皿金融機関の大阪信金が、特定業種の取引先については債権の内容にかかわらず、「いっさい受け取らない」とし、内部文書では、そのことを「預金保険機構に了解ズミ」としていることを明らかにして、「こんなことが許されるのか」と追及しました。


信金破たん

金融庁の手口 大門議員追及

つぶす対象は徹底的に差別

 日本共産党の大門実紀史議員は、十八日の参院予算委員会で小泉内閣が強行する「不良債権早期最終処理」の異常なすすめ方の典型として金融庁の信用金庫・信用組合つぶしを追及しました。

 大門議員 あらかじめターゲット(目標)を決めて、青写真をもって、計画的につぶしてきたのではないか。

 柳沢伯夫金融担当相 検査マニュアルにもとづく当然想定している手続きで、差別的待遇にはあたらない。

ターゲット決め計画的につぶす

 昨年から金融庁によって破たんさせられた信金・信組は五十六にのぼります。その預金総額は約四兆円、借り手の中小業者は三十万から四十万、営業地域は二十八都道府県、市区町村の三分の一にあたります。

 金融庁は、これらの信金・信組をどうやってつぶしてきたのか。大門氏は、金融庁が大銀行と同じ「金融検査マニュアル」にもとづいて検査をおこない、正常な債権を不良債権に区分し、貸し倒れ引当金の積み増しを強い、積みきれずに破たんに追いこんできたことを解明しました。

 重大なことは、金融庁があらかじめ破たんに追い込むターゲットを決め、「差別的検査」を実施していることです。

 大門氏は、相互信金(大阪市)と船橋信金(千葉県)の具体的な事例を示しました。相互信金は、近隣の信金では不動産評価を100%認めているのに、七割しか認めず、超過債務に追い込まれました。船橋信金の場合、受け皿の東京東信金には会社が赤字でも社長の個人資産を加味して査定する「セーフティーハーバー基準」よりも緩い基準の査定を認めているのに、船橋信金には「セーフティーハーバー基準」さえほとんど認めませんでした。

 「おかしいじゃありませんか」と迫る大門氏に、柳沢金融担当相は「(不動産評価は)実体を見てそれぞれ処理した」と答弁。小泉純一郎首相に質問しても、「具体的な問題があれば、柳沢大臣に質問してほしい」とゲタをあずける無責任な態度をとりました。

受け皿機関が債権切り分け

 大門議員 受け皿金融機関に都合の良い(債権の)切り分けをやっている。

 柳沢金融担当相 切り分けは、受け皿機関が選択権をもっている。

 大門氏は、信金・信組を破たんに追い込む手口につづいて、破たん後、受け皿金融機関が引き継ぐ優良な債権と整理回収機構に引き渡す不良債権の「切り分け」の作業が、受け皿金融機関の都合の良いようにおこなわれている問題を追及しました。

 大門氏は、船橋信金を調査した結果にもとづいて、次の事実を示しました。

 ――受け皿の東京東信金の職員が審査部で「切り分け」作業を担当

 ――同職員に東京東信金の審査部長から毎日指示の電話が入る

 ――同部長から「正常先は二割にしろ。あとは不良債権だ」と指示が入る

 ――金融庁の検査では正常先は六割を超えていたが、管財人団の「切り分け」作業の結果は正常先は22%だった

 異常な事実を突きつけられた柳沢金融担当相は、まともに答えられず、「切り分けは受け皿が選択権を持っている」と開き直りました。

 そこで大門氏は、破たん金融機関に資金援助をおこなう預金保険機構までが「切り分け」に関与している重大な疑惑を示す文書(写真)を提示しました。

 相互信金の受け皿である大阪信金が「〇〇業は譲渡の対象にならない。よって大小にかかわらず引き受けしない」とし、これを預金保険機構が了解済みと明記しています。

 小泉首相は「調査していない点は調査し、疑惑にこたえるよう措置する」と答弁しました。

 


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