日本共産党

2002年3月10日(日)「しんぶん赤旗」

参院予算委 筆坂書記局長代行の質問(大要)


 日本共産党の筆坂秀世書記局長代行は八日、参院予算委員会で自民党の鈴木宗男衆院議員にかかわる疑惑について質問しました。以下は、その大要です。

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パネルを示しながら鈴木宗男衆院議員の疑惑を追及する筆坂秀世書記局長代行=8日、参院予算委員会

筆坂 資格ない4社参加で競争入札装う

外相 再調査を約束

ムネオ・ハウス

 筆坂秀世書記局長代行 私は、外務省と鈴木宗男議員をめぐる問題について、いくつか質問をしたいと思います。

北海道内には本社がない

 鈴木議員と外務省をめぐる外務省の調査報告によりますと、いわゆる「ムネオ・ハウス」を受注した渡辺建設工業、犬飼工務店のほかに四社が入札説明会に参加したとありますけれども、この四社とはどこですか。

 斎藤泰雄外務省欧州局長 村井建設、渡辺建設工業、犬飼工務店、大和工商リース、第一土建工業および山九の六社が入札説明会に参加いたしました。

 筆坂 この場合の入札参加資格はどうなっていましたか。

 欧州局長 入札資格の主なポイントは、北海道内に本社を有する者であって、気象条件が国後島に近似する根室管内(根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町)において類似施設建設工事の施工実績を十分に有する者であること、それから、最新の経営事項審査における業務一式の総合評点が単体または共同企業体、JV(ジョイントベンチャー)のいずれかの場合においても九百点以上の者であること等でございます。

 筆坂 この外務省の報告を拝見しますと、入札参加資格を有する他の三社とありますね。この入札参加資格を有する他の三社、つまり渡辺建設工業、犬飼工務店以外の他の三社とはどこですか。

 欧州局長 先ほど申し上げました六社の中から先生ご指摘の二社および大和工商リースを除いた三社でございます。

 筆坂 大和工商リースは、そもそも参加資格がなかったということですね。これは、本社が北海道内にはない。したがって参加資格がなかったということです。

 では、山九の本社はどこにありますか。

 欧州局長 本社の所在地について、ちょっと調べさせていただきたいと思います。

 筆坂 山九の本社は東京にあるんです。

 何でこれが入札参加資格あるんですか。この報告では、大和工商リースは入札参加資格ないと(している)。北海道に本社がないからです。しかし、山九だって北海道に本社がないじゃないですか。

 欧州局長 支援委員会事務局に確認する必要があると思いますけれども、もしそういう事実関係において誤認があったとしたら、大変遺憾なことであると思います。

外務省報告は偽装では…

 筆坂 この報告が間違っているということになりますね。まず一カ所間違いがありました。

 それでは、報告書に、十分な施工実績がなかったというので辞退したのが二社あると書いてありますでしょう。これはどこですか。

 欧州局長 至急、事務局に確認の上、お答えしたいと思います。

 筆坂 この問題は、今度の国会で大問題になって、川口(順子)外務大臣の責任で、外務省が、園部(逸夫・同省)参与とおっしゃいましたか、(同氏に)調査を依頼して国会に報告されたものでしょう。そんなことが何ですぐに答えられないんですか。

 欧州局長 申し訳ございませんが、細部に至るまでの事実関係は、事務局に照会させていただきたいと存じます。

 筆坂 では、国土交通省北海道局、来られていますね。

 村井建設は根室管内で十分な施工実績はありますか。

 林延泰国土交通省北海道局長 平成九年度から十一年度までの間の北海道開発局が発注いたしました建築工事のうち、村井建設が受注した工事件数は平成十年度の二件でございます。

 筆坂 それは根室管内ですか。

 北海道局長 一件は釧路市、それから一件は阿寒町でございます。

 筆坂 つまり、根室管内では実績ゼロだということです。村井建設は外れるということです。

 (外務省が)さっきも答えないんで、私の方から言いましょう。(十分な施工実績がないので辞退したというのは)第一土建工業と山九ですよ。つまり、四社全部、入札資格がないということでしょう。六社入札に参加したと言うけれども、本社が大阪とか東京にあるものが二つある。施工実績が全くないものが、三つある。ダブりがありますから。つまり六社と言うけれども、実際に入札資格を持って参加したのは渡辺建設工業と犬飼工務店しかないということですよ。

 これ、どういうことですか。一般競争入札に見せ掛けるために参加資格がないものを四社呼び込んだということでしょう。まさに偽装工作じゃありませんか。

 そして、外務省の報告はそこを全く解明していない。偽装報告じゃありませんか。

 川口順子外相 外務省が、強制権がないという制約の下で(園部参与に)最大限の努力をしていただいて作った報告書でございます。

 筆坂 答弁になってないですね。私、これは昨日、今日で調べたものです。こんなものすぐ分かるじゃないですか。

 しかも、この文章自身がおかしいんですよ。「入札参加資格を有する他の三社のうち、二社は自社の施工実績が不足であるとして参加を辞退し」(と書いてある)。実績不足だったら、参加資格ないんですよ。ところが、この報告では参加資格がある中に入っているんですよ。こんなでたらめな報告がありますか。直ちにこれは再調査する。そして国会に報告する。当然ではありませんか。

 外相 園部参与には、十日間という中で、ヒアリングができること、あるいは資料で可能なことにつきましてはしていただいたわけでございまして、新しい何か、こういうことが違うということがご指摘ございました分については、また調べさせていただきます。

 筆坂 大臣、聞いてなかったんですか。今したでしょうが、いかにこの報告書がでたらめか(の指摘を)。園部さんの責任にしちゃだめですよ。だって川口大臣の名前でこの報告出したんでしょう。そんな無責任な答弁ないですよ。

 外相 先ほど申し上げましたのは、新しい情報、新しいご指摘をいただいたことについては調査をさせていただきますと申し上げました。

 筆坂 実に役人的な答弁ですね。今、私が指摘したんだから、その指摘に基づいて再調査します、そしてこの部分については少なくとも再報告します、それが日本語の答え方でしょう。再調査して報告するということですね。

 外相 ご指摘がございましたことについては、そうさせていただきます。

筆坂 商社出身者が日本センター所長

首相 指摘された問題は、よく調査する

ロシア支援

 筆坂 これ大問題でしょう。一般競争入札でやったのが、実はそうじゃなかったと。そこで鈴木議員の関与があったということが大問題になったんですよ。しかも、それに外務省がかかわって偽装工作やっていたという話じゃないですか。本当に事の重大性が大臣はお分かりになっていない。

 次に、もう一つ聞きます。

 ロシア支援のために支援委員会というのがつくられています。

 この支援委員会がつくったものに、ロシア国内に七カ所の日本センターというのがあります。対外支援のための出先機関ですね。一つの国の中に七つも同じような日本センターをつくっている。もちろん、ODA(政府開発援助)はJICA(国際協力事業団)が中心ですから、名称とか形は違いますけれども、JICAにはこんなことはないでしょう。一つはありますよ。一つの国に七つも日本センターつくっているという、こんな例はロシア以外にありますか。

 欧州局長 支援委員会の日本センターでしたら、ロシアに七カ所、あと、キルギス、ウクライナにそれぞれ一カ所あると承知しております。

 筆坂 ですから、七カ所もつくっているような国がロシア以外にありますかと聞いているんです。

 欧州局長 日本センターにつきましては、ロシアだけでございます。

鈴木議員が開所式に出席

 筆坂 この七つの日本センターのうち、鈴木宗男議員が開所式に出掛けたものはありますか。

 欧州局長 サハリンとニージュニー・ノヴゴロドの二カ所の日本センターに出席されたと承知しております。

 筆坂 この日本センターというのも、やはり鈴木宗男議員とまた結び付いているんです。サハリンには行かれている。そして、ニージュニー・ノヴゴロドというところの日本センター、これは招待もされて鈴木宗男議員は行っています。

 この七つの日本センターの所長というのは民間企業の出身者で占められていますけれども、出身企業名はどうなっていますか。

 欧州局長 モスクワにございますミルビス日本センターの所長の前職は丸紅、ハバロフスク日本センターの所長の前職は住友商事、ウラジオストク日本センターの所長の前職はニチメン、サハリン日本センターの所長の前職は丸紅、MGU、モスクワ大学の日本センターの所長の前職は伊藤忠商事、サンクトペテルブルク日本センター所長の前職は日商岩井、ニージュニー・ノヴゴロド日本センター所長の前職は松下電器と承知しております。

 筆坂 資料を配布してください。

 今、答弁があったとおり、実態は「日本商社センター」ですよ、松下電器を除けば。有名商社がほとんど全部入っています。異常ですよ。商社から日本センターに行く、俗に言う一種の天上がりのようなものですね。

 逆に外務省から商社への天下り、これもなかなかすごいものがあります。お配りした資料ですけれども、日商岩井から二人、住友商事、三菱商事二人、豊田通商、丸紅、伊藤忠商事二人、三井物産、そしてトーメン二人と。中でも注目すべきは、いろいろ最近、話題になる都甲岳洋さん、欧亜局長、ロシア大使経験者ですね、これは三井物産。あるいは枝村純郎さん、ロシア大使、住友商事。日本センターの方には商社から行く、外務省からは商社に行く、こういう関係ができ上がっている。

天下り前後に事業を受注

 しかも、この資料の右の欄を見ていただきたいんですけれども、主な受注件名というのが書いてあります。黒丸が北方四島支援事業です。白丸がロシア支援事業です。しかも、天下ったその年やその前後に、この問題のロシア支援、北方四島支援事業、こういうものを全部受注している。

 私、総理におうかがいしたいと思うんですけれども、支援委員会、日本センター、外務省、そして商社、この関係というのは、正常なまともな関係だというふうに私は思えないんですけれども、総理のご認識をぜひおうかがいしたいと思います。

 小泉純一郎首相 今、この資料は初めて拝見いたしましたけれども、支援委員会そのものがいかにずさんだったかというのは、この衆参の委員会の質疑を聞いて私も理解できます。そういう点から、委員会で指摘された問題についてよく調査して疑惑のないようにしなきゃいかぬと思っております。

 筆坂 しかも、これらの商社からは、自民党の政治資金団体である国民政治協会に、ロシア支援が始まってからの十一年間で二十一億一千九百三万円と巨額の政治献金がなされている。もちろん、私はこれを全部ロシア支援と結び付けて言うつもりはありませんが、しかし十一年間で二十一億ですよ。年間二億円近いですね。やはり、こういう企業から結び付いてそして巨額の企業献金を受け取る、これは鈴木議員が突出しているわけですけれども、同時に私は、自民党政治全体がこれは見直すべきことだということも、あわせて指摘をしておきたいというふうに思います。

なぜ大変熱心にのめり込んだか

 次に、なぜ鈴木宗男議員という人があれほど熱心に、熱心過ぎるぐらい北方四島支援にのめり込んできたのか。私は、一つは、今回の一連の経過の中で明らかになったように、それ自体を食い物にしている、ここに大きな動機があったことは、もう否定できないと思うんです。しかし、それだけにはとどまらない重大な疑惑があると思います。

 資料でお配りしていると思いますが、こういうものがあります(パネルを示す)。これは、名古屋市にある「広小路」という不動産会社が、歯舞諸島に住んでいた、あるいは色丹島に住んでいた方々に、ぜひ色丹島や歯舞諸島に持っている土地を売ってほしいということを書いた往復はがきです。これはお名前がありましたけれども、ご迷惑をかけますので、根室市とだけ残してありますが、実際に根室市に九五年十月十一日(に送られてきた)。この方は志発島に住まわれていらっしゃった方です。

 どう書いてあるか。ちょっと略して読みますが、「当社は…北方領土に関心が有り、この度、貴殿所有の北方領土について、お答えを頂ければ幸いに思います。現在、北方領土は売買による所有権移転登記は、法務局では、受け付けられていません。返還される目途も全くつかめない今、将来の夢を求め貴殿所有の土地を譲受けたく、今回アンケート調査する運びになりました。つきましては、貴殿所有の物件所在地をお知らせ下されば、当社で譲受額を提示し、売買契約に応じたいと思います。何卒ご協力下さい」。実際に、これは根室市に住んでおられる元島民の方のところへ送られてきたものであります。

 私自身、今月の五日、六日と根室に調査に行ってきました。そうしましたら、少なくない人が、この会社からこういうはがきを受け取った、あるいは電話をもらった、そして、ぜひ土地を売ってくれないかということを言われたという証言を得てきました。中には、この会社に土地謄本を全部送って、売買契約の交渉をやった、しかし、この方によれば、金額で折り合わなかったので売らなかったという証言でありました。

 総理は、歯舞や色丹で、ここの土地を将来返ってくることを見込んで、買いあさりといいますか、こういう動きがあるということをご存じだったでしょうか。

 首相 いや、今初めて聞きました。ロシア側が日本の領土とまだ認めてない。それを日本人が持っていると、それを売ってくれという話ですか。こんなことあるんですか。

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追及する筆坂議員=8日、参院予算委員会

筆坂 領土交渉にかかわる外交問題

首相 奇怪な行動。理解に苦しむ

2島の土地買収の動き

 筆坂 総理が初めて聞かれたのも無理もないと思う。私も実は、これを見て初めて知りました。

 もちろん、今は移転登記はできないんです。これは法務局でも受け付けられません。ですから、やり方はどうかといいますと、念書を出すそうです。もし返ってくれば、必ず私どもが買いますと。そのときの値段を前もって決めておく。そして、手付金のようなものを払うそうです。私が聞いたところによれば。まだ登記できませんからね。そういうやり方がやられている。これは残念なことだけれども、返還のめどは率直に言って今立っているとは言えません。そういうときに、こういうものを買いあさる。

「島の土地を売ってくれ」

 私、(「広小路」という不動産会社が)どういう会社か調べてみました。資本金が一千万円。ちょっと古いですけれども、九七年から九八年にかけての実績を見ましたら、賃貸の取り扱いはゼロ、建物、土地の仲介実績がわずか七件しかない。取り扱い実績は一千四百六十七万円、利益は出ていない、営業損益が出ている。

 会社も訪ねていきましたよ。ビルに行ったら、看板がない。部屋に行くと、一室にやっと「広小路」という看板がある。とても色丹島や歯舞島を買いあさろうと、こんな会社には私は見えなかったですよ。しかし、現にこういうものが届いている。電話もある。これは間違いないです。

 これは、元歯舞諸島の方の、私たちが調査に行ったときにうかがった証言ですけれども、こういう証言がありました。

 一九九九年、「今から三年前、『鈴木宗男さんが島の土地を欲しがっている。買いたいと言っているので、だれか売る人はいないか』という話があった」と。この方は四十分ぐらい話をしたそうですが、「土地を持っている人は限られている。売るわけがない。そんな人はいない」という話をしたそうです。

 さらに、今年の三月、今月です。やはり同じ歯舞諸島の人からこの方に話があって、「鈴木宗男さんから土地を売ってくれと言われている」と。「売ったか」と聞いたら、「売っていない」と。この方は頭にきたので、すぐに鈴木宗男議員の釧路の事務所に電話をしたという。「土地を買いたがっているようだが、島でも返ってくるのか。私たちは一生懸命、今返還運動をしているんだ、何をしているんだ」と文句を言ったという。そしたら、その事務所の応対に出てきた方が、「だれが売った売らないという話をしたんだ」と言う。まあ名前を言ったそうです。ちょっとここでは言えませんけれども。そしたら、「ああそうですか」というので、一切、話を否定する者はこの鈴木事務所からはなかったということであります。

 根室じゃ実はこのことが話題になっています。どこそこの企業が動いているとか、どこそこの不動産会社が動いている、どこそこの建設会社が動いている、こういうことが話題になっています。広がっています。

 私は、これはほうっておけない問題だと(思います)。私は、これは外交問題にもかかわる問題ですし、あるいは領土返還交渉にもかかわる問題です。こういう動きがあるというのをほうっておけない。私はこう思うんですけれども、総理のご認識をおうかがいしたいと思います。

二島先行返還論関係ないのか

 首相 私も今初めて聞きまして、何でそんなことをしているのか。奇怪な行動ですね。私の知識では理解に苦しみます。どうなっているのか。またどういう意図があるのか。分かりません。

 筆坂 領土問題というのは今、日ロ間にまたがる、言わば最大の外交案件というふうに言ってもいい問題です。そこに政治家までからんでこういう動きがあるということになれば、これは外交上も本当に許されない問題になってくると思います。

 しかも、今行われている土地買いあさりの対象となっているのは、どこででもじゃないんです。私たちがつかんだ限りで言えば、歯舞諸島の中では志発島、多楽島、もう一つは色丹島です。国後、択捉にはこういう動きはありません。つまり、歯舞、色丹しかないということです。

 色丹というのは、もともと九九%が国有林、民有地は一%ぐらいしかないと言われています。そして、その民有地というのが、穴澗湾というところと斜古丹湾というところに、海岸べりにくっつくようにして民有地があり、かつて島民の方はここに住んでおられた。聞きますと、入り江になっていて、箱庭のような、本当に風光明媚(ふうこうめいび)なところで、大変きれいなところだという話でありました。

 私は、なんでこんな動きが起こってきたのか、鈴木議員らが唱えている「二島先行返還」論、こういうものが背景にないのか、これは無関係なのかということを考えざるを得ないと思っています。

 鈴木議員が一九五六年の日ソ共同宣言に基づく「二島先行返還」論という立場に立っていることは有名な話です。問題は、この立場というのが、日ロの領土問題交渉担当者にとってどういう理解になっているかということです。

 例えば、ロシアのロシュコフ外務次官はこう言っています。「日ソ共同宣言から交渉を始めるというなら二島返還が最終決着になる」。つまり歯舞と色丹で終わっちゃうということをロシュコフ外務次官は言っている。

 一方、日本でも、対ソ連外交、対ロシア外交に深くかかわってきた、今回オランダ大使更迭と報道された東郷和彦さんという方、自らの著書の『日露新時代への助走』という本の中でこう言っています。「二島返還・二島継続という案には大きな難点があって、事実上二島返還と同じ」だと。つまり歯舞、色丹で終わると。つまり、日ロの交渉担当者がいずれも、この立場は二島返還で終わるよと言っているわけです。つまり、鈴木宗男議員が言う「二島先行返還」論というのは「先行」論じゃないんです。「二島のみ返還」論というのが、その実質だということであります。

北方四島支援どんどん増額

 私は、率直に言って、こういうことまで利権にしようとしているのかという疑いを持たざるを得ない。

 だって、昨日だって、ここで、民主党の委員の方から指摘がありました。佐藤優主任分析官が、「まず二島だ、まず二島だ」というので走り回っている。二島だけだったらすぐ返るという幻想を振りまいている、そして北方四島支援だってどんどん金額を増やしてきた。そういうものが、この背景にあるということであります。

 私たち、この問題は独自にも今後も引き続き調査をしていきたいと思いますけれども、総理、政府の方でも、こういう問題についてよくつかんで調査をしていただきたい。

 首相 今初めて聞いた話ですので、どういう調査の方法があるか分かりませんが、領土交渉、北方四島と日ロ平和条約交渉に関して、こういう問題がもし事実であるとすれば、広がっていくのは好ましいことではないと思いますので、政府としても、この動きに注目して今後の交渉に支障のないような体制を整えていきたいと思います。

筆坂 受注した企業から多額の献金
   小泉総理が究明に責任もつべきだ

米軍演習施設建設

 筆坂 私たち、歯舞、色丹、千島の問題については、歯舞、色丹はもともと、北海道の一部だと、これはサンフランシスコ条約に基づいても日本から奪う権利はどこにもない。同時に、千島も歴史的に日本の領土だと。全千島が日本のものなんだというのが、私たちの立場でありますけれども、その立場の違いはあったとしても、こういうものが利権にされているというふうなことは絶対にあってはならないということを指摘して、最後に次の問題に移りたいと思います。

内部資料の所在を確認

 北海道矢臼別でのアメリカ海兵隊による実弾砲撃演習と鈴木宗男議員の介在についてであります。

 私どもの佐々木憲昭議員が(三月六日の)衆議院(予算委員会)で、防衛庁の内部資料を明らかにしましたけれども(注)、防衛庁長官、この内部資料は本当に内部資料だったということでしょうか。

 中谷元・防衛庁長官 その資料が存在するかどうかという点につきまして当庁で調査をした結果、三月七日に防衛施設庁の関係課におきまして、その資料と同様の資料の所在が確認をされたところであります。

 現在、この資料に基づきまして事実関係を調査中でございます。

 筆坂 この矢臼別への海兵隊の実弾砲撃演習が移転をするという話が持ち上がったときに、関係自治体の厚岸町、浜中町はどういう態度を当初は取っておりましたか。

 防衛庁長官 当初は、(一九九六年)八月のお盆前あたりから防衛庁長官自らが地元に理解をいただくように説明に行かれたり、また地元の局も対応いたしました。最終的に年末の十二月二十日にこれの受け入れを認めていただきましたけれども、その際の立場といたしまして、厚岸町長は、まだ容認できる環境ではなくて反対であるが、国が政策決定した以上やむを得ないものがあるという立場でありました。また、浜中町長は、あくまでも反対であるが、他町が容認し、国防上の見地から決定したことについては誠に遺憾でやむを得ないものがあるという意向が示されたところであります。

厚岸町長は恫喝された

 筆坂 今、防衛庁長官からもご答弁あったように、当初、厚岸町そして浜中町は絶対反対だと、最終的に受け入れるのはやむを得ないというときにも、反対だと、あるいはあくまでも本当は反対だと、こういう態度を取られていました。

 そこへ乗り出してきたのが、またまた鈴木宗男議員なんですね。厚岸町の沢田町長は、鈴木議員に恫喝(どうかつ)された、一九九六年十二月二十日のことを厚岸町議会全員協議会の場で、「人間扱いをしてもらえなかった、屈辱の一日だった」ということを答弁されているほどです。実際、この九六年十二月二十日というのは、(沢田町長が)国に陳情するので羽田に降り立ったら、そこにはすでに防衛施設庁の職員が待機していて、そのまま鈴木議員のところへ連れていかれたと、そしてそこで恫喝をされたと。まあ拉致されたようなものですね。こういうやり方までやって、無理やり抑え込むということがやられました。

 それだけに終わりませんでした。今度は特別交付金で異常な差別をしました。最初に受け入れた別海町は、前年比五〇・六%増。反対だがやむを得ないと言った厚岸町は三〇・三%増、あくまでも反対だと言った浜中町は伸び率ゼロ。これ、鈴木議員本人が、「海兵隊を受け入れれば増やすのは当たり前だ」「私がこういうことをきちっとやったんだ」と(言っている)。やりたい放題です。

 しかし、だれがアメリカの海兵隊の実弾砲撃演習を自分の町でやることを歓迎する町長がいますか。いるわけないじゃありませんか。やむを得ず受け入れている。それが全国の実態でしょう。

 ところが、鈴木宗男議員は、なんと、その海兵隊が矢臼別に最初に乗り込んできたとき、その歓迎会を自衛隊で行っている。防衛庁、間違いありませんか。

 防衛庁長官 平成九年の九月十六日に別海駐屯地内で開催をいたしたというふうに承知をいたしております。

 筆坂 実は送別会まで行っていますね。それが佐々木憲昭議員が明らかにした防衛庁の内部資料に書かれています。

 海兵隊の演習というのは、大分県日出生台、宮城県の王城寺原、そして東と北の富士演習場。国会議員が主催して歓迎会やったところありますか。

 防衛庁長官 ほかの地域で開催したということは承知いたしておりません。

 筆坂 なんで鈴木宗男議員が歓迎会までやったのか。私、分かる気がします。また新しい利権が、これでつくることができると思ったからですよ。そう思うしかないですよ。

 防衛施設庁に聞きますけれども、矢臼別演習場におけるSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)関係経費による工事契約で、食堂厨房新設工事を請け負った企業、海兵隊用の隊舎新設工事を請け負った企業はどこですか。

 嶋口武彦防衛施設庁長官 食厨につきましては十一年度にございまして、犬飼工務店、高部電気、池田暖房工業、寺井建設でございます。十二年度もございまして、犬飼工務店がやっています。隊舎は十二年度にございまして、渡辺建設、高部電気、奥村工業、別海工業建設でございます。

 筆坂 聞いた名前ですよね。食堂厨房二億三千四百六十七万五千円、これは犬飼工務店。隊舎は一億九千二百十五万円、渡辺建設工業。あの「ムネオ・ハウス」でジョイントを組んだ企業二つがここでも大口の建設工事です。これはしっかり取っているということであります。

あらゆるものを利権にしている

 しかも、SACO関連の事業を受注した企業は鈴木議員に多額の献金を行っています。防衛施設庁発注の事業では、二十社で三千四百七十三万四千円の献金を行っています。同じように、SACO関連事業で別海町が発注者となった事業、これでは五社で三百三十五万円です。合わせて総額三千八百八万四千円という献金が鈴木宗男議員に入っている。異例の歓送迎会までやった理由がよく分かるというものであります。

 総理、私はこうして鈴木宗男議員の行動を見たとき、自分がかかわり合ったあらゆるものを利権にしている、こういう政治家だというふうに思わざるを得ません。しかも、省庁も多岐にわたっています。

 鈴木宗男議員は自民党所属議員です。外務省、防衛庁、いろんなところ出てきますけれども、やはり総理でもあり、総裁でもある小泉総理自身がこの問題の徹底究明にやはり責任を持つ、こういう立場に立つべきだということを最後に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。


 (注)北海道・矢臼別演習場での米海兵隊実弾砲撃演習をめぐり、防衛施設庁が、同地域を地盤とする鈴木宗男衆院議員やその地元秘書に対し、現地の物品調達先や宿泊先の業者選定について、詳細な事前説明をしていたことを示す内部資料のこと。

 


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