日本共産党

2002年3月9日(土)「しんぶん赤旗」

「金庫番」逮捕、加藤元自民党幹事長を直撃

"代議士の言葉と思え"

脱税容疑の事務所前代表


 「代議士の言葉と思え」―。所得税法違反(脱税)容疑で逮捕された加藤紘一元自民党幹事長の前事務所代表、佐藤三郎容疑者(61)は、加藤氏の「金庫番」として事務所運営を取り仕切った人物。今回の逮捕は、加藤氏自身を直撃しています。


公共工事牛耳る

 「加藤王国」として知られる加藤元自民党幹事長の地元、山形県鶴岡市や酒田市などの庄内地方。加藤事務所の佐藤前代表は、加藤氏の圧倒的な影響力を背景に、地元建設業者らに圧力をかけ、公共工事を牛耳っていました。

 口利きを依頼する業者は、東京・赤坂の佐藤前代表の事務所に、“赤坂もうで”を繰り返しました。

 関係者は「会うだけで五十万円、大きい業者は百万円を持参していた」と証言します。佐藤前代表への依頼の結果、工事を受注した同地方の建設業者は、成功報酬として百万円を持参。しかし、佐藤前代表は「けたが一つ違う」と言って突き返したといいます。

 ある設計業者は「初対面なのに、いきなり『いくら出せるんだ』と切り出された。とても議員秘書とは思えない態度だった」と話します。

 口利きとは関係なく工事を受注した業者にも、受注後にいきなりコンサルタント料の領収書を送り付けたり、献金やパーティー券の購入を要求することも。

 加藤氏の父親の代から支援してきたという地元建設会社幹部は「放置していた議員にこそ問題があり、知らなかったでは済まない。何十年も支援してきて、裏切られた気持ちだ」と話します。

事務所を仕切る

 佐藤前代表は加藤氏と同じ山形県出身。一九七〇年以降、港湾運送会社「コーショー」(横浜市)を設立したほか、複数の企業を買収するなど、実業家として活動していました。

 同郷の有力支援者として、加藤氏とは古くから「家族ぐるみの付き合い」(同氏)で、加藤氏の妻がコーショーの役員を務めていました。加藤氏が防衛庁長官だった当時には、買収した会社から自衛隊艦船にポンプを納入する商談のため、長官室を直接訪れたこともあったといいます。

 九三年から加藤氏の秘書活動を始め、「金庫番」として政界に名前が知れわたりました。佐藤前代表は「おれの言葉は代議士の言葉と思ってくれ」と周辺にいい、代表として事務所を取り仕切りました。

 派閥事務所の人事に介入し、所属議員の批判を浴びたこともあります。

 


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