日本共産党

2002年3月8日(金)「しんぶん赤旗」

アフガンでの米軍との共同行動拡大

独国内で懸念、批判


 【ベルリン6日坂本秀典】ドイツ軍特殊部隊(KSK)がアフガニスタンで米英軍とともに国際テロ組織アルカイダ掃討の秘密作戦に参加していたことなど、ドイツ軍と米軍との共同行動がいっそう拡大し、一方でその「軍事情報の制限」が顕著になっています。ドイツ軍の海外参戦が新たな段階に入った事態に対し、与党の一部を含めて懸念、批判が広がっています。

 昨年十一月の連邦議会でのアフガン関連のドイツ軍海外派兵承認にあたって、シュレーダー首相(社会民主党=SPD)は、「ドイツ軍は地上戦には参加しない」と言明、また軍の行動の連邦議会委員会への報告義務が課せられました。

 保守野党の自由民主党(FDP)のエルク・ファン・エッセン議員は五日、マスコミにたいし「国防省は特殊部隊の作戦で情報を知らせなくなっている」と批判しました。民主的社会主義党(PDS)のバルチュ幹事長は「政府が公開性を意図的に侵害している」と非難。また連立与党内でも90年連合・緑の党のベーレ防衛政策委員が、情報が正確に伝わっていなかったことを認めています。

 軍関係者も、ラインハルト・元ユーゴ・コソボ派遣国際治安部隊(KFOR)最高司令官が、米軍との秘密作戦の大きな危険性を指摘しています。しかしシャーピング国防相らは「安全」を強調するだけで、作戦内容を明らかにするのを拒否したまま。六日には、装甲車をアフガニスタンに増派する計画が伝えられました。

 米軍との共同作戦はアフガニスタンに限らず、全面化しています。同国防相は六日、アフリカの角地域のジブチに足を向けましたが、ここでは三隻のフリゲート艦などドイツ艦隊が「対テロ作戦」のために基地を守っています。アラビア海に展開するドイツ軍はあわせて千二百七十五人で、米海軍の指揮のもとに行動しています。

 一方、米国が攻撃を準備しているイラクの隣国クウェートでは、対放射能・化学・生物兵器装甲車とともにドイツ軍二百五十人が駐留、米軍主導の軍事演習に参加しています。ケニアにも百人以上が駐留する計画です。米国内では、中東・アフリカ地域への出撃に備えている米軍基地で、五十人が協力しています。

 


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