日本共産党

2002年3月7日(木)「しんぶん赤旗」

小泉予算案採決

暮らし破壊に拍車かける

与党推薦公述人も評価せず


 これで、どうして日本経済の再生がはかれるのか――。六日衆院本会議で採決された〇二年度予算案は、公聴会(二月二十七日)で、与党推薦の公述人も含めだれ一人、評価しなかったほど、成立前から“期待薄”の評価が定着しています。

中小企業に還流してこない

 大阪商工会議所の小池俊二副会頭(公明党推薦の公述人)は、大銀行には公的資金、金融緩和によってジャブジャブ資金を流しながら、それがいっこうに中小企業に還流してこない実態に、こう怒りを強めました。

 「本格的な不良債権の処理に伴って本当の痛みを受けるのは雇用の大多数を抱える中小企業であり、その経営者だ」

 政府・与党が“採決先にありき”の立場でひた走る予算案は、医療・雇用など暮らしにかかわる分野で国民に“痛み”を押しつける一方、一部の大企業・大銀行にはいたれりつくせりの従来の自民党型予算そのものです。小泉内閣発足後、日を追ってますます悪化する日本経済の実態もあいまって、小泉流「構造改革」路線そのものに批判が高まっています。

医療、雇用予算に大なたふるう

 実際、予算案は不況にもっとも苦しんでいる人たちにさらに、“痛み”を強いる無慈悲な仕打ちのオンパレードです。

 なかでも、高齢者の増加などで自然増が見込まれる社会保障関連の予算の伸びを二千八百億円もカット、そのうえ医療分野では、お年寄りの患者負担引き上げなどで大幅な負担増を打ち出しています。

 七十歳以上の通院の場合、自己負担限度額を月三千円から一万二千円(一般)へと十月から引き上げます。患者負担は、自己負担限度額を設けたうえ、かかった医療費の一割負担となります。

 雇用分野では、失業者急増にもかかわらず、大企業のリストラは野放しで、失業者の支えである失業手当の給付対象を絞ろうとしています。昨年五月以来、失業給付の受給者は月百万人を超えていますが、予算案では、月平均八十四万四千人しか予定していません。

金融庁主導の信金・信組つぶし

 一方、自民党政治が長年続けてきたムダな公共事業は温存、さらに、大銀行に新たに公的資金の投入まで検討しています。

 小泉内閣は〇二年度予算案と同時に〇一年度第二次補正予算案を決定。〇二年度予算案で公共事業費を削減したといっても第二次補正予算は、公共事業に二兆五千億円も追加計上しており、扇千景国土交通相も、「(十五カ月予算とすると)公共事業費6%増えました」と認めざるをえない内容です。

 しかも、小泉内閣が進める「不良債権の早期最終処理」の方針のもと、大銀行による中小企業への血も涙もない「貸し渋り」「貸しはがし」、金融庁主導による信用金庫・信用組合つぶしで、地域金融が崩壊し、中小企業の資金調達の手段が奪われています。

 その一方で、予算案ではペイオフ(預金の元本一千万円とその利息までを保障する措置)の四月解禁を前提に、銀行支援の公的資金枠七十兆円を維持する方針。

 “支離滅裂”な小泉「改革断行予算」に、自由党推薦の公述人・小野善康大阪大学教授が強い批判を表明しました。

 「(構造改革)の先には二極分化、すなわち非常に限られた数の優れた企業と、とてつもない失業者が残る」「どうして中期的に(景気が)回復するのか、私には全く理解できない」(二十七日の衆院予算委員会の公聴会)

 


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