日本共産党

2002年3月4日(月)「しんぶん赤旗」

記者座談会

小泉内閣

政策に党内から批判

若手も公然と 元外相は“従米”と苦言


 自民党・鈴木宗男衆院議員の疑惑にかかわる国会証人喚問問題、いちだんと厳しさを加えてきた不況・経済・金融問題を焦点に、小泉内閣は綱渡りの政権運営に迫られています。担当記者で話し合いました。

  先週末も、小泉首相は首相官邸に閉じこもった。人前に出てもひところの熱狂的歓迎を受ける光景を演出できなくなったからだという。

  自民党橋本派の若手議員が二月末に東京都内で開いた資金集めパーティーで、小泉首相の祝電が披露された。まったく拍手が起きなかった。三日付「朝日」調査によると小泉内閣支持率は44%、不支持40%。女性では不支持が上回る逆転現象が起きている。

解散権にもしばり

  自民党三役の一人は「内閣支持率は40〜50%だからまだいい。自民党支持率の落ち込みが心配。党支持率が20%台だと選挙戦はたたかえない。政党支持率20%台に落ちたあとの衆参選挙で自民党はすべて負けている」といっていた。「朝日」調査だとその20%台に落ち込んだ。

  政局運営で小泉首相による解散権の脅しが効かなくなったと言っているのと同じだ。小泉首相は政権維持のため最大派閥・橋本派へ傾斜しているのもうなずける。

「小泉内閣に火つく」

  橋本派若手議員は「鈴木宗男問題の次は小泉内閣そのものに火がつく」と物騒だ。江藤・亀井派議員は「ライオンの髪型(小泉首相を指す)ではなく、象の耳を持って人のいうことを聞く耳をもってもらいたい」と、小泉旋風に押されて沈黙していた議員たちがおおっぴらに小泉批判を口にし始めている。

  小泉内閣の政策へ批判が向かっているのが特徴だ。若手議員の会合で江藤隆美・江藤亀井派会長が「小泉デフレ対策は半年遅れ。財界とか大手金融機関じゃなくて、もっと中小企業や庶民のことを考えてもらわないといかん」というと、千五百人の参加者からやんやの喚声と拍手が沸いた。

  自民党議員の支援者の中核は中小業者。彼らは信用金庫や信用組合など地元の中小金融機関との取引で生きてきた。小泉政策は、そこを直撃している。くわえて健保本人三割負担への引き上げ、ペイオフ解禁など。自民党の経済ブレーンでさえ「『小泉改革』とは日本の制度やしくみの改革ではなく弱者切り捨てである」と指摘している。

  堀内光雄総務会長や亀井静香前政調会長、財務副大臣経験者なども、金融不安と混乱に拍車をかけるという理由からペイオフの実施延期を主張し、政府方針の変更を求めている。

  小泉内閣の経済閣僚自身が自信を失いつつある。竹中経済財政相は「デフレ対策」発表の翌二月二十八日、東京都内の会合で「内容が不十分というご意見はあろうかと思いますが……」と前置きしないと中身の説明へ入れないありさまだった。

  著名なエコノミストは小泉経済政策は「タリバンの政策」、中小金融機関へ情け容赦ない不良債権処理を迫る金融庁は「アルカイダだ」といっている。タリバン政策と日本版アルカイダに破壊された日本の“復興会議”を開く必要があると皮肉る。

ブッシュ・ショック

  二月中旬来日したブッシュ米大統領は「小泉総理が必要な改革を実現することに全幅の信頼を置いている」(二月十八日の日米首脳会談)と表明した。ところがそれは表向きのこと。訪日前に小泉首相へ極秘親書を突きつけ、金融・経済政策にきびしい懸念と注文をつけていたことが、二月末に明らかになった。

  そのブッシュへ全面的に追随する小泉外交に、高村正彦元外相は東京都内の講演で「日米基軸であっても“従米”であってはいけない。国民が日本外交は何でもアメリカに隷属していると感じることがあっては、親米でなくなる。超大国アメリカの超勝手な外交には日本は友人としてモノをいう必要がある」と苦言を呈した。

  鈴木宗男・外務省問題という難題のうえにブッシュの本音を聞かされ、政策全般にたいし党内外から批判が起きはじめた。小泉首相には泣きっ面にハチ。トリプル・パンチを浴びて相当なショックを受けていると、周辺は話している。

  昨年末からいわれてきた三月政権危機の、まさに渦中に入っている感じだ。

 


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