日本共産党

2002年2月17日(日)「しんぶん赤旗」

東名高速と周辺の資料入手

タイヤ脱落事故

ハブが64件 全国調査も必要


 相次ぐタイヤ脱落事故が大きな問題になっていますが、本紙は十六日までに、東名高速道路(全長三百四十七キロメートル)の大井松田―清水間(九十キロメートル)とその周辺国道で発生した事故の詳細な資料を入手しました。

 資料は、同区間で事故・故障車を救済する民間団体、全日本高速道路レッカー事業協会・日本ハイウエイセーフティ研究所(加藤正明所長、静岡県沼津市)が作成したもので、一九九七年から二〇〇一年までの五年間で起きた百八件のタイヤ脱落事故について、発生場所や故障個所などが記載されています。

 資料によると、故障個所は、タイヤを車軸に固定するハブが最も多く六十四件、ホイール取り付けボルトが三十一件、その他ホイール割れなどが十三件となっています。同所は、「こう配の変化が多い山間部やカーブの手前など、衝撃の強い場所での事故が多い」と分析します。

 加藤氏は「大型車のタイヤ脱落事故は、どのメーカーの車種でも頻繁に起きている。全国では相当数、発生していると思う。もっとしっかり注意を喚起すべきだ」と警告します。

 国土交通省は十二日、三菱自動車工業製大型車のタイヤが主婦を直撃、死亡させた横浜の事件を受け、三菱自工はじめ日本自動車工業会、整備関連団体などに再発防止に向けた通達を出しました。

 同省によると一月の大型車タイヤ脱落事故は、全国で七件。三菱自工製が三件、他メーカーで四件起きています。

 加藤氏は「外れたタイヤが、第三者に危害を及ぼすことを考えると放置できない。発生状況の全国的な調査が必要だ」と強調します。

貨物車タイヤ脱落事故(2年分)東名高速道路大井松田―清水間
日 付 車 種発生場所(キロ地点) 故障個所
00年1月12日2.5トン国1清水町ハブ 前輪右
2月19日12.2トン下り127SAハブ 前輪右
2月24日14.2トン上り66.6ハブ 後輪左2軸目
3月22日14.2トン国1沼津市ハブ 前輪左
4月6日13.2トン国139富士宮ハブ 後輪左2軸目
4月11日9.25トン国246裾野市ハブ 前輪左
4月26日12.7トン国1清水町ハブ 前輪右
5月19日10.25トン国246裾野市他 後輪右1軸目ホイール割れ
6月22日9.8トン下り106PAハブ 前輪左
7月4日12.8トン富士市水戸島ハブ 後輪右1軸目
9月21日20トン上り99.9ハブ トレーラー右1軸目
10月3日3.0トン西富士道路ハブ 前輪左
10月11日12.0トン上り85.6ボルト 後輪左1軸目
11月30日14.5トン上り110.6BSハブ 前輪右
12月5日12.7トン国1高浜インターハブ 前輪右
12月20日8.5トン下り53.7PAハブ 前輪右2軸目
12月20日9.75トン国1沼津市ハブ 前輪左
12月29日2.0トン三島駅北口ボルト 後輪左
01年1月21日9トン上り97.3ハブ 前輪右
2月6日9トン国1上り富士東ICハブ 後輪左1軸目
2月9日8.5トン下り127SAハブ 前輪左2軸目
3月3日12.6トン上り90PAハブ 前輪右1軸目
3月23日10トン国1上り一本松ボルト 後輪左2軸目
5月17日9.25トン下り106PAボルト 前輪左2軸目
5月27日8.2トン下り133.5ハブ 前輪左
7月23日7.0トン芝川町内房ハブ 前輪左
8月7日2.5トン下り90PAハブ 前輪左
9月9日9.3トン下り109.2ボルト 後輪右1軸目
10月1日15.25トン上り120.8ボルト 後輪左1軸目
10月7日10.5トン上り75.4BSハブ 前輪右2軸目
12月3日2.75トン上り72.3ハブ 前輪右
12月18日35トン上り98ボルト トラクター後輪左1軸目
12月21日14.5トン下り114.7ハブ 後輪左2軸目
12月27日7.8トン下り90PAボルト 後輪左1軸目
※国:国道、IC:インターチェンジ、SA:サービスエリア、PA:パーキングエリア、BS:バス停

 


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