2002年2月9日(土)「しんぶん赤旗」
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健保本人の窓口負担を二割から三割に引き上げることへの国民の怒りが噴出するなかで小泉首相と与党厚労族議員が、その実施時期をめぐって「正面衝突」と報じられています。両者とも三割に引き上げることに変わりありません。では、どこで「衝突」しているのかみてみると――。
小泉首相は予定通り三割負担を来年四月から導入と主張。同時に、中小企業の労働者などが加入する政府管掌健康保険の保険料を現行の7・5%から8・2%に引き上げます。
一方、厚労族は「当面、三割負担は先送り」。その財源は保険料の引き上げでまかなうとしています。「先送りした分は当然8・2%より増えます」(厚労省)。
結局は、「痛み」の比重を窓口(三割負担)におくか、給料からの天引き(保険料引き上げ幅の増)におくか、の「対立」です。
この両者の対決のはざまにいる、坂口厚労相は三割負担の前にまず「抜本改革」の方向性をといっています。「抜本改革」は、新たに高齢者医療制度をつくりお年寄り全員から重い保険料を徴収します。
小泉首相、厚労族ともこの「抜本改革」を推進する立場は同じ。いずれにしても終着駅は国民への大幅負担増です。
この「対立」の発端は、負担増に反対する国民世論の高まりで、改悪の既定路線をそのまますすめなくなってきていることからおきているようです。
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