2002年2月4日(月)「しんぶん赤旗」
【パリ2日山田俊英】一般教書演説でのブッシュ米大統領の「悪の枢軸」発言にフランスで批判が続いています。
リベラシオン紙二日付は第一面から三面にかけてブッシュ批判の記事を掲載。「聖ジョージ・ブッシュW」というトップ見出しで、一人でやりをもって竜を退治したという聖ジョージ伝説になぞらえて、同大統領の振る舞いを皮肉りました。
同紙は「『悪の枢軸』を打ちのめすという米大統領の好戦的演説を世界が非難している」として、社説で「ブッシュ氏はまれに見る野蛮さで、自分は世界の裁判官、警察官だと宣言した」「自分が気に入らないすべての国にたたかいを広げ、予防の名目で一方的に対処する特権をブッシュ氏は勝手にわが物としている」と痛烈に論評しました。
同紙は、「帝国主義的陶酔」(仏政治科学基金のアスネ教官)、「イラク、ましてイランに対する戦争でブッシュ氏に従おうという世論はドイツにも欧州にもない」(独ヘッセン州紛争研究基金発起人チェンピール氏)と欧州の識者の批判も紹介しています。
すでに三十一日付で「戦争状態のブッシュ」と題する批判の社説を掲載しているルモンド紙は、その後もブッシュ大統領を「戦争の首脳」と呼び、「米大統領は『自分と価値を同じくしない者』への攻撃宣言を繰り返した」(二日付)と報道。「人類を救おう」と英語で書いたTシャツ、短パン姿の、見るからに凶暴そうな男が歯をむいている漫画で米政権の好戦性を皮肉りました。保守系紙のフィガロも「ブッシュ・ドクトリンは同盟国から反感を買っている」と報じています。
世界経済フォーラム出席のためニューヨークを訪れたベドリヌ仏外相は一日、記者団から「悪の枢軸」発言について感想を聞かれ、「そのような方法ではとても解決を見いだせない」と批判しました。
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