日本共産党

2002年1月31日(木)「しんぶん赤旗」

不審船問題

日本共産党の「見解と提案」

領海と排他的経済水域区別するのが国際ルール


 日本共産党が二十八日に発表した「不審船」問題についての「見解と提案」は、この問題を「なによりも国際法上のルールにしたがって検証し、対応を検討する必要がある」と指摘しました。

 それは、今回の事件の場合、海上保安庁が「不審船」を発見したのは日本の領海ではなく、排他的経済水域(EEZ)であり、追跡・射撃されるなかで沈没したのが中国のEEZだったという問題があるからです。

 その解明のためには、「領海」と「排他的経済水域(EEZ)」を明確に区別する必要があります。

 「領海」とは、沿岸から十二カイリ(約二十二キロメートル)までの海域で、国の主権が及ぶ範囲です。海上保安庁法によれば、ここでは「不審船」に対し、「停船、立ち入り検査ができるようになっており、違法行為があれば、これを国内諸法規によって、取り締まる」ことができます。

 これに対して「排他的経済水域(EEZ)」は沿岸から二百カイリ(約三百七十キロメートル)までの海域で、国連海洋法条約によって(1)天然資源の開発等にかかわる主権的権利(2)人工島、設備、構築物の設置および利用にかかわる管轄権(3)海洋の科学的調査にかかわる管轄権(4)海洋環境の保護および保全にかかわる管轄権――が沿岸国に認められています。

 EEZは前の権利以外、公海とまったく同じように、すべての国の船舶が自由に航行できるよう保障されています。国連海洋法条約に定められた権利または管轄権を侵害する行為(密漁や無許可の海底資源探査、海洋汚染行為など)に限って、沿岸国は取り締まることができるというのが国際的なルールです。

 今回の「不審船」事件への対応も、この国際的ルールにそってみる必要があります。

 「不審船」が発見されたのは日本の領海ではなくEEZですから、取り締まるためには、密漁やわが国の許可のない海底資源の探査など、先の権利または管轄権を侵害したという疑いがなくてはなりません。

 しかし、海上保安庁は「最初から漁船だとは認識していなかったが、漁業法違反で対処」しています。密漁の疑いはそもそもなく、漁船でない船を漁業法で取り締まるというのは、国内法上も、国際法上も説明がつきません。

 だから、「見解と提案」は「このようなやり方は…あやまった対応である」としているのです。

 それでは、領海ではないEEZでの「不審船」への対応はどうするのか。これについては、先にあげた取り締まり対象のほかは国際法上、明確な取り決めがありません。

 日本共産党の「見解と提案」が「排他的経済水域においては、周辺国と共同対処できるルールづくりを」と求め、中国、韓国、北朝鮮、ロシアなど周辺国との協力・共同を提案しているのは、そうした理由からです。

 「見解と提案」が指摘するように、政府・与党などの議論には領海と排他的経済水域の混同が見られ、「危害射撃ができる範囲を排他的経済水域にまで拡大すべきだという意見が出ている」だけに、領海と排他的経済水域とを明確に区別する必要があるのです。(山崎伸治記者)

 


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