日本共産党

2002年1月3日(木)「しんぶん赤旗」

アルゼンチン

大統領にドゥアルデ上院議員

就任演説で新自由主義批判


 【メキシコ市1日松島良尚】アルゼンチンの上下両院合同会議は一日、正義党のエドゥアルド・ドゥアルデ上院議員(60)を次期大統領に選出し、任期をデラルア元大統領の残り任期である二〇〇三年十二月までと決定しました。

 同大統領は就任演説で、「圧倒的な国民を絶望に追い込んだ経済モデルを終わらせ、生産と雇用、国内市場を回復し、より公正な富の配分をすすめることのできる新モデルの基礎をすえる」と強調。政権の基本的目標として、政治制度の権威の回復、平和の保証とあわせ、「経済、社会モデル転換の基礎構築」の三点をかかげました。

 同大統領はまた、「アルゼンチンは破産している」とのべ、十二月の税収が昨年同月比で33%落ち込んだことなど、具体的な指標を提示。現在の経済モデルが国内産業や中産階級、雇用を破壊したと指摘しました。

 経済政策は四日に発表するとしていますが、ロドリゲス前暫定大統領が発表した対外債務の一時支払い停止の継続と返済計画の交渉、預貯金の保証とともにドル預金はドル、ペソ預金はペソでしか引き出せないとする方向などを示しました。

 ドゥアルデ次期大統領は、正義党の党首であるメネム元大統領と対立し、元大統領が推進した一九九〇年代の新自由主義経済政策について批判的態度をとっていました。就任演説は、新自由主義への批判そのものでした。

 次期大統領は両院合同会議で、最大野党の急進市民連盟を含め圧倒的多数で選出されました。挙国一致内閣として、他党から入閣する可能性もあります。

 


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