2020年5月26日(火)
緊急事態全国で解除 衆参議運委質疑
衆参両院の議院運営委員会は25日、政府が新型コロナウイルス感染拡大に対する「緊急事態宣言」を全国で解除するにあたって西村康稔経済再生担当相による事前報告をうけ、各党が質疑しました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員と倉林明子副委員長(参院議員)が質問にたちました。
医療機関へ補償必要
衆院・塩川氏 減収で経営深刻
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塩川氏は、受診抑制やコロナウイルス対応などによる減収によって医療機関は6・7月にも経営破綻しかねない深刻な経営状態にあると強調し、「コロナ感染の再拡大に備え、そして医療崩壊を決して起こさせないために昨年比の減収分に対して補償することが絶対に必要だ」と迫りました。西村担当相が「診療報酬や包括支援交付金に加え必要な措置を取っていく」と従来の答弁にとどまったのに対し、塩川氏は、日本医師会による要請ではコロナ対応で1兆6千億円、通常の医療を継続するために2兆5千億円の支援を求めているとして、「診療報酬の増額と包括支援交付金3千億円プラスアルファの予算では全く足りない」と重ねて抜本的な予算措置を求めました。西村担当相は「2次補正予算で対応していきたい」と繰り返し、正面から答えませんでした。
また塩川氏は、文化芸術事業への支援について、「自粛要請に協力し、感染防止に大きな貢献をしてきた関係者に対して、経費負担に対する補償もいまだに行われていない」と指摘。演劇・音楽・映画3団体による「文化芸術復興基金」の創設の要請に触れ、「売り上げ減少、経費増大に対する補てんをしっかりと行うことが国の責務だ」と主張しました。
PCR検査抜本増を
参院・倉林氏 第2波への備え
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倉林副委員長は、新型コロナウイルス感染拡大の第2波に備え、PCR検査の実施件数を抜本的に増やすことを求めました。
倉林氏は、治療目的だけにとどまらず、広く感染の有無を調べるスクリーニング目的でのPCR検査の実施を提起。スクリーニング検査は診療報酬の対象とはならないが、医療・介護分野での院内感染・集団感染を防ぐためにも従事者や入院患者、介護サービス利用者の検査を徹底して行う必要があると強調しました。
西村康稔担当相は「医師が(検査を)必要とする人が受けられるのが大事」と繰り返し答弁。倉林氏は「それだけでは足りない。(スクリーニングは)感染拡大防止、安心して経済活動に取り組むためにも重要だ」と重ねて求めました。
倉林氏はまた、新型コロナ感染拡大の影響で解雇・雇い止めされた人は1万人を超え、リーマンショック時を超える失業者になる可能性があることにふれて「休業要請を全面解除しても、補償・給付金を打ち切ることは到底あってはならない」と指摘しました。
西村担当相は、中小企業に支給する「持続化給付金」は本年12月までに収入半減の月があれば支援することをあげて「(休業要請解除でも)これで終わりではない」と表明しました。