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林萬太郎さん(大阪府立高等学校教職員組合副委員長)

「裏切られたくない気持ちから何も感じないふりをしている」といわれているけれど…

  みなさんのメールを読ませてもらいました。政府発表の雇用データでは改善していますが、「今春大学を卒業したが、正社員になれず、アルバイトで月収7〜10万円。人間らしい生き方もできない」「ハローワークで何回応募しても書類審査で落とされる。はじめから採用する気がないように思える」「マスコミが「複数内定の学生も」と報道するが、それは一部の有名大学の話で多くの大学の現実は違う。内定率が上がっているのも、離職率の高い会社が大量採用しているからではないか」など、現実にはまだまだ深刻な状況に置かれている若者が多いことを実感しました。また、「暴力やいじめを受けてノイローゼ状態だが、誰も助けてくれない。社会から弾き出されそうだ」「失業1年で生活保護の相談に行ったら、「まずは仕事をして下さい」と言われた。家賃も滞納し、電気・ガス・水道も止まっている。」など、いじめや低収入で仕事や生活もままならない実態も寄せられています。このままでは、日本の将来はないとも思える状況です。

 しかし、今回はこのようなひどい現状に対して、「大手に派遣されているが契約外の仕事をさせられたので、一人で派遣元と派遣先を相手にたたかった」「ヘルパーで働いているが、格差やいじめがあり、精神的に苦しんだ。労働組合に参加して、やっと脱出しつつある」など、「たたかっている」という声が多くなってきているように感じます。さらに、「派遣や請負求人をハローワークで大量に受け付けているのは問題だ。望んで働いている人はほとんどいない」「若者が日本の将来を担うのなら、その若者が健全に生きていける社会にすべき。派遣会社なんか日本から消滅させるべきだ」など、派遣という制度そのものがおかしいという声もたくさん寄せられています。3300人が集まった5月20日の中央青年大集会でも、「自分の賃金や誇りを守るためでもあるが、企業の横暴を許せないから、最後までたたかう」という決意が相次いで表明されていました。

 今の若者は「裏切られたくない気持ちから何も感じないふりをしている」「しがみつくあてがなくさまよっている」といわれます。しかし、この若者たちが、学び、連帯すれば、世の中を変えていくこともできます。若者の願いと違う政治、世論と違う国会議席、このゆがみをただすチャンスである参議院選挙も日程が決まりました。日本社会の主権者として、誤った政策の被害者として、未来を作る若者として、声を挙げ、学び、行動していきましょう。


プロフィール

はやし・まんたろう

大阪府立高等学校教職員組合副委員長。
「高校・大学生、青年の雇用と働くルールを求める連絡会」(略称:就職連絡会)前事務局長

1948年大阪生まれ。
1973年立命館大学理工学部卒業、1978年立命館大学文学部卒業。
1967年大阪府に実習助手採用、1973年教諭採用。
1967年より大阪府立高等学校教職員組合の実習助手部・青年部・支部・本部役員を歴任。
2001年度より日本高等学校教職員組合(日高教)中央執行委員、2003年度から2004年度まで中央執行副委員長。
2005年度より現職。

「新規学卒者への就職保障の運動と課題」(雑誌「月刊全労連」)、「インターンシップ問題を考える」(雑誌「技術教育研究」)、「今日における高校生の就職保障問題」(雑誌「人権と部落問題」)など、論文多数。

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