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林萬太郎さん(大阪府立高等学校教職員組合副委員長)

胸が痛むとともに、こんな事態を作り出した財界と自公政権への憤りを強く感じます

 47人の方の声を読ませてもらいました。今回は、30歳台で不安定雇用や厳しい労働条件、そしてパワーハラスメントやいじめを受けながら働いている人の声が多く寄せられています。本来は仕事にも慣れ、職場の中核的人材として自分自身と仕事・会社の将来をも考えつつ一番元気に働いているはずの世代が、生活や人生についての深刻な不安をかかえながら必死に生きている姿を見ると、胸が痛むとともに、こんな事態を作り出した財界と自公政権への憤りを強く感じます。

 3番・25番・27番の声をはじめ、相変わらず「サービス残業」を強制されている人がたくさんいます。サービス残業は明確に法律違反であり、今は労働基準監督署に連絡すれば調査し対応してくれるはずです。近くの労働基準監督署か、わからなければ全労連の「労働相談ホットライン:0120-378-060」に電話しましょう。パワハラやいじめに遭っている5番・6番・13番の人、自分を守るためには知恵をつけ、声を挙げ、仲間をつくることが必要です。誰か信頼できる人に相談するか、「労働相談ホットライン」などに電話してみましょう。

 4番と9番の声で、ハローワーク職員の対応が取り上げられています。全国600近いハローワークの中にはいろいろな職員がいると思いますが、私は相談者の立場になって真剣に仕事をしている職員もたくさん知っています。まずは自分の思い・受け止めを率直に話してみて、それでもダメなら「労働相談ホットライン」などに電話してみましょう。

 14番・28番の声をはじめ多くの人が指摘しているように、非正規雇用を増やし、働くルールを破壊し、若者を使い捨てる政治が続けば日本の将来はありません。このような状況を変えるには、当事者である若者が声を挙げていくことが大切です。16番の声の人は、勇気を出して社長に訴えてやっと日曜出勤の代休をとっています。日本全体でみれば、この6年間のとりくみで、やっと若者の雇用と労働の厳しさが社会問題になり、サービス残業問題や偽装請負問題での改善など、一定の前進を勝ち取りました。全国各地で若者の集会が開かれ、署名行動が進められ、個人加盟の労働組合に入ってたたかう人も増えています。一人で悩まず、このような動きに参加してみませんか。

 今年は選挙の年でもあります。7月には、国の政策を直接決める参議院議員を選ぶ選挙があり、4月には多くの都道府県・市町村の首長や議員を選ぶ一斉地方選挙があります。15番・30番の声が言うように、若者の将来と日本の将来を危うくする自公現政権の国会議員を減らすチャンスです。若者の意思をしっかりと表示しましょう。


プロフィール

はやし・まんたろう

大阪府立高等学校教職員組合副委員長。
「高校・大学生、青年の雇用と働くルールを求める連絡会」(略称:就職連絡会)前事務局長

1948年大阪生まれ。
1973年立命館大学理工学部卒業、1978年立命館大学文学部卒業。
1967年大阪府に実習助手採用、1973年教諭採用。
1967年より大阪府立高等学校教職員組合の実習助手部・青年部・支部・本部役員を歴任。
2001年度より日本高等学校教職員組合(日高教)中央執行委員、2003年度から2004年度まで中央執行副委員長。
2005年度より現職。

「新規学卒者への就職保障の運動と課題」(雑誌「月刊全労連」)、「インターンシップ問題を考える」(雑誌「技術教育研究」)、「今日における高校生の就職保障問題」(雑誌「人権と部落問題」)など、論文多数。

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