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大木寿さん(全労連・全国一般労働組合 中央執行委員長)

写真みなさん一人一人の大切な人生です。一人で悩まず、一歩踏み出してまず相談してください。

 みなさんと同じ思いを持っている人が多くいます。私たち全労連(全国労働組合総連合)は、みなさんの思いを重く受け止めて、労働者を使い捨て部品として扱う社会ではなく、人間らしく働き生きることができ、希望の持てる社会をめざして運動をしています。私たちは、異常な格差社会と貧困を無くすために、何よりもまともな雇用と働き方の実現、まともに生活できる賃金と労働条件、正規社員と非正規社員の均等待遇、サービス残業根絶、まともな社会保障と税金を企業と政府に求めて運動を進めています。いま政府は、日本がアメリカと一緒に海外で戦争できるように、憲法9条の改悪をしようとしています。私たちは、全国各地で平和憲法守れの運動を多くの人たちと一緒に進めています。

 小泉「構造改革」によって、企業の横暴がますますひどくなり、「許せない。何とかしたい」と労働相談に駆け込む人が急増しています。労働基準監督署、自治体や労働組合や弁護士などに多数の労働相談が寄せられています。厚生労働省が行っている全国約300カ所の総合労働相談コーナーに寄せられる件数は90万件を超えています。相談者は正社員が60%、パート・アルバイト21%、派遣・期間契約社員15%です。相談内容は、解雇が一番多く、労働条件の引き下げ、いじめ・嫌がらせ、退職勧奨などです。

 私たち全労連の全国各地の労働相談センターにも多数の労働相談が寄せられています。労働相談の半数がパート・アルバイトなどの非正規雇用の人たちですし、半数が若者です。

 私たちは、親身になって相談者と話し合い、一緒に力をあわせて問題を解決しています。私たちが大切にしていることは、お互いに悩みや苦しみを出し合い、「自分だけではないんだ。同じ境遇の仲間がいる」と共感し合い、「みんなで力をあわせて何とかしようよ」と話しあいます。お互いに支え合い、助け合い、連帯して、困難を打開することが大切です。私たちは問題を解決するために、勉強会をし、「知を力」にして何をするのか、何ができるのかをみんなで話し合います。当然なことですが、組合役員のアドバイスを受け、多くの組合員の支援を得て、企業や金融機関、自治体や政府などに問題解決の要求をし、宣伝や署名や行動を進めています。特に、マスコミに訴えて、社会的な問題にしていくことが、問題解決に大きな力となります。

 いま、若者が全国各地で一人でも入れる労働組合に入って、問題解決のために努力し合い、生き生きと活動しています。賃上げ・労働条件の改善、雇用延長、非正規雇用から正規雇用に、解雇や賃金引き下げ、嫌がらせ・いじめ、偽装派遣や偽装請負などをやめさせる成果をあげています。みんなで力をあわせれば、道は開かれます。みなさん一人一人の大切な人生です。一人で悩まず、一歩踏み出してまず相談してください。連絡先は「0120−378(みなは)−060(ぜんろうれん)」です。


プロフィール

おおき・ひさし

(略歴)
1943年 東京生まれ。5人兄弟の末っ子
1971年 電子部品メーカーSMKの神奈川工場で組合結成。委員長に選ばれる。
会社は組合つぶしのために、私を配転命令拒否を理由に解雇。組合員の脱退や6年半のたたかいで勝利し、私は労働組合の仕事(専従)につく。
1987年全国一般労働組合神奈川地方本部の副委員長に選出される。労働相談・組合づくり、解雇や倒産、経営危機などの対策とたたかいに明け暮れる。
1989 年 全労連・全国一般労働組合が結成され、中央本部書記長に選ばれる。
2002年 中央本部委員長、全国労働組合総連合(全労連)副議長に選ばれる。
(家族)妻:保育士、子ども:2男2女
(趣味)山登り、スキー、旅行

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