[閉じる]

笠井 亮さん(衆議院議員)

組合をつくれば、団体交渉権が保証されます

 立春とは名ばかりの寒さが続いていますが、皆さんお元気でしょうか?

 1月20日に第164回通常国会が開催され、衆議院の予算委員会で論戦が始まっています。昨年の国会では。郵政民営化をめぐって小泉総理の勇ましい答弁が連日聞かれたものです。しかし、今年の国会は、マンション耐震偽装問題に続いて、ライブドア・ホリエモンの突然の逮捕、手抜きが明らかとなった米国産輸入牛肉問題、防衛施設庁の自作自演の官製談合などの問題が発生し、まるで「政権末期」の様相の国会となっています。

 さらに新たな論点として、貧困と所得格差の深刻なひろがりが問題となっています。この五年間で正社員は323万人も減らされ、逆に非正社員は337万人も増えています。所得格差拡大の議論のなかで、フリーターの増加に示される政府と財界の不安定雇用政策がその原因として浮かび上がってきています。青年雇用をめぐって、塩の流れは明らかに変わりつつあるといえます。

 今回、21名の方からメールをいただきました。15歳から38歳まで、年齢層には幅がありますが、共通しているのは法違反だらけの「ルールなきフリーター資本主義社会」への嘆きであり、怒りと告発でした。何百万人という青年労働者が、多かれ少なかれ同じような現実におかれていることを考えるとき、一瞬、どうしようもないという無力感さえ覚えることがあります。

 ところがつい最近、このような気分を吹っ飛ばす話がありました。それは、日本共産党の月刊誌『前衛』2月号に掲載されている「200人の組合でも大企業や政府、そして社会を動かします」という自治労連・首都圏青年ユニオン書記次長・菅原良子さんのわずか10ページの報告ですが、確信にみちた話でした。

 首都圏青年ユニオンは、220人の非正規雇用のフリーターを主体とした1人でも入れる個人加盟の労働組合です。しかし、菅原さんたちは、不当解雇やサービス残業、年休取得や雇用保険の未加入問題など、寄せられた相談や要求を解決するために憲法と労働組合法に基づき、正々堂々と会社に団体交渉を申し入れ、一年間で50社、のべ何百回もの交渉をしたそうです。その結果について、「勝率は99%で、ほとんど勝ちます。というのは、ほとんどのケースが労働基準法違反だからです」と述べています。

 メールの嘆きや怒りをそのままにせず、現実に解決し要求を実現するためには、少人数でも固まって「労働組合をつくる」ことが一番の近道ではないでしょうか。

 労働組合をつくるのにお金はいりません。組合をつくれば、団体交渉権や団体行動権が法律で保証されます。3人でも5人からでも労働組合を! 青年ユニオンに学ぼうではありませんか。


プロフィール

かさい・あきら

 2001年まで参議院議員を勤め、05年の総選挙で東京比例ブロックから衆議院に選出され、国会では、厚生労働委員会、憲法調査特別委員会などに所属。参議院時代より、小泉首相まで歴代4人の総理を相手に論戦を繰り広げ、テレビでもしばしば実況中継された。日本共産党中央委員・国際局次長として野党外交の現場に臨んで奮闘。「非核の政府を求める会」常任世話人など。

 1952年、大阪生まれ、東大経済学部を卒業後、同農学部でも学ぶ。青年学生運動以来、国際活動で30数カ国を訪問。家族は妻と母。母親は広島で被爆している。趣味 料理、ウォーキング。

[閉じる]