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紙 智子さん(日本共産党参議院議員)

悩んだまま何もしなければ変わらない。いま直面している人は、ぜひ周りに相談してみてほしい

 就職して働いていても、労働条件があまりにもひどく、健康を害したという人の悩み、仕事を探しているが、いまだ見つからず、不安な毎日をおくっている人など、それぞれおかれた状態によって、悩みは少しずつ違います。
 最近の労働実態のひどさは、目に余るものがあります。私が直接相談を受けた例では、「チェーン店の店長」という管理職にされ、わずかな管理職の手当がつくだけで、膨大な残業をしても手当も全く払われず、土日も休みが取れず、すっかり健康を損なってしまった。しかし職場には組合もなく、どこに訴えればいいのかわからず悩んでいたが、思い切って地域の労働組合に相談し(個人加盟できる組合)、この間の労働実態、残業で何時間働いたのか、受け取った賃金、管理職としての実態はどうなのか、具体的な資料を用意し、職業安定所に訴えました。労働基準法違反の疑いがある実態がある以上、それを是正するのは厚生労働省の責任に関わる問題でもあり、指導を強めるように私も国会で担当者に提起。地元では職業安定所を中に立てて交渉しました。会社側は非を全面的に認めるまではいかなかったものの、これまでの未払いになっていた賃金の一部支払い、休み取得を約束するなど一定の改善がはかられました。もし悩んだまま、何もしなければ、何も変わらなかったわけです。職場の状況にもよりますが、こうした例は、数多くあります。いま直面している人は、ぜひ周りに相談してみてほしいと思います。
 働きたくても働けない、仕事が見つからないという状況を一刻も早く解決しなければなりません。受け皿となる企業への対策も必要だという意見もその通りだと思います。日本共産党は中小企業の雇用促進対策や、青年の雇用政策を提案してきました。実現のためには個別の要求運動を発展させるとともに、実際に予算に影響を与えられる力関係を変えなければなりません。また、障害者の雇用への意見もありました。国は法定雇用率を決めているのにそれを守らない企業は6割。これも打開していくためには、必要な予算を取らなければなりません。根本は、こうした問題を優先させる政治にいかに転換していくかです。そこに向かって、今やれることから行動することが大事だと思います。


プロフィール

かみ・ともこ

1955年札幌市生まれ。恵庭南高校、北海道女子短期大学工芸美術科卒業。日本民主青年同盟北海道委員、同中央委員会副委員長。日本共産党中央委員会青年学生部、道常任委員などを歴任。2001年7月参議院議員選挙、比例代表で当選。現在、日本共産党中央委員、参院農林水産委員、予算委員、沖縄北方特別委員会。家族は夫。趣味はスキー、山歩き、絵画、料理。

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