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大門みきしさん(日本共産党参議院議員)

「正社員」と「非正社員」−−「分断」されないで

 ある職場では正社員の人たちが、派遣社員のことを「ハケンさん」、契約社員のことを「ケイヤクさん」と、カゲで呼んでいると聞いたことがあります。今回寄せられた「声」のなかでもいわれているように、どこかに非正社員の人たちを見下す気持ちがあるのでしょうか。
 しかし正社員といえども、多くの人は長時間労働やサービス残業を押し付けられ、クタクタの毎日を強いられています。異議をとなえれば、いつ自分も解雇され、派遣やアルバイトの生活をおくることになるかもしれない。そんな不満や不安を、「非正社員よりはまだまし」と思うことで、慰めているのかもしれません。
 派遣や契約社員で働いている人も、正社員と同じ仕事をさせられているのに、なぜ給与や待遇が低いのか、正社員よりやる気も能力もあるのになぜいつまでも正社員になれないのか。そういう疑問が、会社への怒りでなく、目の前の正社員にたいする反感に変わってしまう場合があります。
 正社員と非正社員が対立意識をもてば(たとえ表面にあらわさなくとも)、同じ職場で働く人たちの間に「分断」がうまれます。
 古来、民衆を「分断」して支配することは、権力者の常套手段として使われてきました。
例えば、封建時代以前には、民衆を身分や階級制度で区分して支配しようとしました。どんなに圧政をうけても、自分はより「下」の階層よりましだと思わせてガマンさせる。ときには不満を「下」の階層にむけさせ、攻撃させる。そうなると「下」の階層も当面の敵は、「上」の階層と考えてしまう。民衆が互いにいがみ合っている間は、権力者の支配は安泰です。こんなやり方が歴史上くり返されてきました。
小泉内閣は企業のリストラを応援し、労働法制を改悪して、非正社員を増やしました(=雇用の「構造改革」)。この「改革」には、正社員と非正社員の「分断」が、最初から織り込み済みだったような気がします。現代的な「分断」支配です。
団結こそ力であるということも、歴史的な教訓です。「分断」されないでほしいと思います。いま心ある組合では、正社員のことだけでなく、パートや派遣などの人たちの要求を組織し、共にたたかおうとしています。一人で入れる組合もあります。正社員と非正社員が力を合わせることこそ、明るい未来をひらくと思うのです。

プロフィール

だいもん・みきし

参議院議員。予算委員、財政金融委員、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会委員、国際問題に関する調査会委員
日本共産党参議院国会対策委員会副委員長、党議員団・建設国保対策委員会事務局長など。

1956年生まれ。神戸大学中退後、生協勤務など経て東京土建書記長に。建設労働者の権利と中小業者の営業、地域のまちづくりを発展させる運動の先頭で奮闘。

写真 議員会館を訪ねてきた青年と就職やフリーターの厳しい実態を語り合う大門議員(右奥)(04年2月16日)

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