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民青同盟雇用調査に反響

高知県、市長「青年の苦悩掘り下げた」

奈良県、知事「正規雇用の拡大が必要」


日本民主青年同盟が全国各地でとりくんでいる雇用アンケートにもとづく社会的告発が、注目されています。この秋、告発をもとに議会や行政にたいして、雇用とくらしを守る「全国いっせい要請行動」(九月から来年三月)にとりくんでいます。

高知県、市長「青年の苦悩掘り下げた」

 民青同盟高知県委員会は、高知で働く三十代までを対象にした雇用アンケート調査の結果を六月に発表しました。

 記者会見の翌日、地元の高知新聞は、「三人に一人 年収二百万円以下」「60%が『将来に不安』」と四段見だしで六段の記事を掲載しました。

 マスメディアが注目したのは、低い収入だけではありません。「月四百時間労働」「辞める同僚は『負け組』なのか」「無給の残業…過労で生理も止まった」。民青同盟員が三百人近い若者から聞き取った声は、人間性をも奪う雇用のすさまじい実態です。「苦悩する若年層 失われる『人間性』」(六月二十八日付)と報道されました。

 この告発にもとづいて九月、高知市議会で日本共産党の秦(はた)愛市議が、市長に「がんばってアンケートをとった若者たちと今後協力していく考えはないか」と質問しました。

 岡崎誠也市長は答弁で「アンケートは、かなり詳細に高知県の若者の実態と苦悩が、非常にまとまって、かなり深く掘りこまれている」と評価し、今後の民青同盟との情報交換の場を約束しました。

 民青同盟高知県委員会の浜川百合子委員長は、「なかなか話してくれない実態を聞き取ってみて、改めて一人ひとりの声が政治に力を与えることを実感しました。雇用の改善のために、労働組合とも協力しながらとりくみを強めていきます」と話しています。

奈良県、知事「正規雇用の拡大が必要」

 民青同盟奈良県委員会は「青年雇用アンケート」を昨年から今年にかけて駅前や街頭で集めてきました。約百六十人から回答を得ました。回答者の四割が非正規雇用で、五割が年収二百万円以下。「サービス残業」は四割の人が該当するという結果でした。

 同県委員会は昨年十二月、奈良県と労働局にアンケートの結果をまとめた「労働黒書」を提出し、県内の青年の雇用実態を示すとともに県と局に対応を求めました。

 今年、奈良労働局と県は「労働に関する相談窓口のご案内」と題する相談先の電話番号が記された名刺大の案内ビラを二十万枚発行。五月から保育所やコンビニ、図書館、県内の高校、映画館等に配布しています。ビラの作製、配布について担当者は「(民青同盟の要請も)一つのきっかけになっていると思う」とのべています。

 アンケート結果を用いて日本共産党の宮本次郎県議が六月、議会で非正規労働者の深刻な実態を「正社員と同じ仕事内容なのに時給は七百三十円」「刑務所に入った方が生活が安定するのではと上司に言われた」などの声を紹介して取り上げました。宮本議員は正規雇用を増やし、雇用の安定を図ること、パート・アルバイトの最低賃金の引き上げが問題解決のカギだと指摘しました。

 荒井正吾知事はワーキングプア(働く貧困層)については調査・把握が必要とし、県としても実態把握調査、解消に努めたいと答弁。正規雇用の拡大、最賃の引き上げの必要性や県内の雇用を拡大し、正規雇用の拡大が大事だとのべました。

 八月には労働局長と知事の連名で県内五つの経済団体に正社員求人の拡大要請を行いました。

 民青同盟の谷川和広県委員長は「ビラの発行や知事と労働局長の経済団体への要請など、アンケートがきっかけになって県の対応を変えさせてきた。これを力に今後も取り組みを強めていきたい」と話しています。

( 2007年10月10日 「しんぶん赤旗」 )




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