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紙 智子さん(日本共産党参議院議員)

若者たちのとりくみと国会での論戦が変化をつくりだして−−キヤノンが期間社員8900人に夏冬の休業補償として4万円の支払い

  今回は、23人の方から相談が寄せられました。「派遣、一年契約で働き来年度の契約更新ができないのではないかと不安な状態にある」、「登録型派遣をなくしてほしい」「職場でいじめやセクハラがある」「キヤノンで働いているが、派遣労働者には、生活に困窮して給料日前、あと何日、数千円やりくりしているという一方で、同じ仕事内容の正社員が「マイホームのリフォームの話で盛り上がっているのを聞くとかなしい」など切実な声です。

 ぜひ知ってほしいのは、この間、たたかいが、国会論戦と結んで事態を切り開きつつあることです。

 今年2月の衆議院予算委員会で、不安定雇用のおおもとにある派遣労働の問題で、日本共産党の志位委員長が福田総理に迫った結果、キヤノンが製造現場の12000人のうち6000人については、直接雇用を打ち出したことは、すでに明らかになりました。しかしながら、それは期間工としての雇用であり、期間を区切った採用なので、期間が過ぎたら、そこで解雇というのでは、まったく不十分。そこで今度は、志位委員長先頭に党議員団で滋賀県長浜のキヤノンを訪ね、社長と直接会って、仕事が継続的にあるのに期間社員を2年11ヶ月で雇い止めする問題点、給与が時給制だと、盆・暮れなどの長期休暇があると収入が何万円も減収になる実態など問題点を指摘し対応を求め、「検討」を約束させました。その結果、キヤノンは期間社員に夏冬の休業補償として8900人を対象に4万円支払うことを決定。赤旗の取材にキヤノン本社でも「京浜地区は二万円、そのほかの地域は少し低いがキヤノングループの期間社員全員に休業補助を支払います」と答えています。これは、大きな変化です。今後他の企業も含めて大きな影響を与えることにつながるでしょう。

 また「日雇い派遣」をはじめ、労働者派遣法の規制緩和の問題では派遣労働者のみなさんが立ち上がり運動を発展させてきたことともあいまって、派遣労働法の抜本的な改正への動きが活発になっています。次の臨時国会へ向けて7月25日には全国ユニオンなどがつくる「格差是正と派遣法改正を実現する会」が主催して、「各党のトップに聞く集会」が行われ、日本共産党から志位委員長をはじめ、野党四党が参加。社民、国民新、共産党の三党は「派遣労働を1999年の改悪前に戻すべき」点で一致。臨時国会でも共同して取り組んでいくことが確認されました。

 9月12日に臨時国会が開会されることが決まりましたが、この国会で、労働者派遣法の抜本的改正を行い、労働者を保護する法律へ変えさせていく絶好のチャンスととらえ力をあわせようではありませんか。 


プロフィール

かみ・ともこ

1955年札幌市生まれ。恵庭南高校、北海道女子短期大学工芸美術科卒業。日本民主青年同盟北海道委員、同中央委員会副委員長。日本共産党中央委員会青年学生部、道常任委員などを歴任。2001年7月参議院議員選挙、比例代表で当選。現在、日本共産党中央委員、参院農林水産委員、予算委員、沖縄北方特別委員会。家族は夫。趣味はスキー、山歩き、絵画、料理。

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