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高橋千鶴子さん(日本共産党衆議院議員)

2ヶ月ごとに更新し、時給もリセットされるー―期間の定めのある契約でも繰り返し更新されれば「差別禁止」の規定がある

 

 今回は、19人の方からメールをいただきました。労働実態のひどさだけではなく、職場の人間関係がいじめやパワハラなどひどすぎる。ご本人だけでなく、家族の状態も障害や病気、経済的に困難を抱えているという複合的な問題が多かったと思います。

 2ヶ月ごとに更新し、時給もリセットされるので増えない、という34歳の男性。昨年4月にパート労働法の改正があり、そのときの私の質問で、「期間の定めがあるけれども、実質反復雇用されて定めのない雇用と同視すべき労働者が相当程度いる」ことを認め、厚労省は「そうならないように差別禁止の規定を置いた」と答えています。また、「きちんと働きたいのだけれど、アルバイトや派遣では職歴になれず、年齢的にも企業は雇ってくれません」という訴えは、多くの方に共通する思いでしょう。「いつ経験をつめばいいの?」という質問もやったことがあります。また、授業料無料で就職率抜群の公的職業訓練校を統廃合せず、増やすことが大事だと主張してきました。

 23歳の男性は、両親が無職で、一家の家計を担わされています。あまりにたくさんの事情がありすぎて、希望がもてない。何かひとつ糸口がほしいですね。お父さんがもし、知的障害だというのなら、障害年金をもらうこともできますし、さまざまな助成制度もあります。また、家計がどうしようもなく煮詰まったときは、あまりがんばらずに生活保護も検討してみてはどうでしょうか。いま、”反貧困”をかかげる市民運動が活発ですが、その中で、生活保護は権利なのだから堂々と受けられる。そして、仕事が定着でき見通しがついたらいつでもやめればいい、そういうゆるやかな制度でもいいのではないか、という議論があり、私も、最近のネットカフェ難民などを解決するうえでも必要だと思っています。

 テレビやラジオで国会中継を聞いたり見たりしているのに、話題にものぼらずがっかりしている、という25歳の男性。たとえばサービス残業は党の国会議員団が200回以上も繰り返し取り上げ、厚労省が2度にわたって通知をし、不払い賃金を取り戻しています。面接時の逆差別なども、男女雇用機会均等法改正で、女性だけではなく、男性が差別うける場合も問題にするということが明記されました。国会中継は数ある国会の委員会の中のほんの一部分しか紹介しませんが、こうした国会論戦が繰り返し行われて現実の改善や法改正にも結びついてきたのは事実です。ネットで検索すればいろいろな論戦が見られるので、のぞいてみてください。同時にそれを力に、交渉や裁判などで、粘りづよくとりくんで勝利している労働者も増えています。5月も、松下の偽装請負を告発した吉岡力さんが大阪高裁で勝訴しました。志位委員長の2月8日にやった派遣問題質問は、14万件もアクセスがあり、派遣法改正まったなし、というところまで追い込んでいます。身近なところに、一緒に行動してくれる人がいるかもしれません。ぜひ、もよりの共産党事務所や全労連などに相談してください。

 35歳の発達障害があるという女性は障害者職業センターを利用してトライアル雇用になりました。「みなさん、泣き寝入りしてはいけません。みんなで団結し、力をあわせれば必ず解決の道は開けます」とよびかけてくださっています。ありがとうございます。ちなみに、トライアル雇用だから社会保険がないということですが、06年6月に私の質問にたいし「社会保険については用件を満たしていれば、試用期間であるかないかは関係ない」と明確に答弁していることも紹介しておきます。


「5月10日に福島県郡山市でおこなわれた高橋議員の街頭演説(高橋議員のホームページより)」

http://www.chiduko.gr.jp/act/2008/kiji/0805/080510.html


プロフィール

たかはし・ちづこ

1959年秋田県能代市生まれ。青森市の私立東奥女子高校の英語教師。教職員組合の役員や、民青同盟青森県委員会副委員長としても活躍。

1983年11月日本共産党入党。青森県議会議員を経て2003年より衆議院議員。東北比例ブロック。

日本共産党準中央委員。現在、衆院厚生労働委員、党厚生労働部会長、党食料・食の安全・農林水産対策委員会責任者。

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