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学費 無償化が世界のルール

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学費 なるほど コラム

学費無償化が世界のルール


 学費無償化をめざすことは、国際人権社会権規約(注)で明記され、圧倒的多数の国々の「ルール」となっています。このため各国が学費無償化に向けて努力しています。OECD加盟国では半分の国が大学まで授業料を無償化しています(表参照)。

注:国際人権規約とは、各国の人権を守るために1966年に国連でつくられた多国間条約。自由権規約と社会権規約などでつくられている。

学費無償化を明記した社会権規約第13条

 社会権規約の第13条1項は、「締約国は、教育についてのすべてのものの権利を認める」としたうえで、2項(c)で、高等教育(日本では大学)は「無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべてのものに対して均等に機会が与えられるものとすること」と定めています。また、2項(b)は、中等教育(日本では中学校と高校)の無償化を定めています。

日本は学費無償化条項を守らないと宣言

 この学費無償化条項も含め、社会権規約を批准している国は、148カ国(2005年7月)に上ります。日本は、社会権規約を1979年に批准したのですが、学費無償化を定めた13条2項(b)(c)を留保(この条項は守らないと宣言すること)しています。こうした国は、日本とルワンダ、マダガスカルだけです。

世界から批判される日本

 2001年、国連社会権規約委員会は、日本政府に対し、この留保の撤回を検討することを勧告し、その回答期限を2006年6月末までとしました。政府は、未だ回答しておらず、留保に固執しています。政府は、留保を撤回し、学費負担軽減にふみだすべきです。

 国連の勧告をうけて、留保の撤回を求める運動がおきています。


 →「無償化条項の留保の解除を 全大教などが要請」(「しんぶん赤旗」2006年3月11日)

 →「教員らが『国際人権A規約13条の会』」(「しんぶん赤旗」2005年12月29日)

表 OECD加盟国の大学・高校の授業料無料化と給付制奨学金の有無

国 名 高 校
授業料無償化
大   学
授業料無償化 給付制奨学金 授業料の年額、奨学金制度の概要など
デンマーク 登録料もなし。
フィンランド 登録料もなし。
ノルウェー 登録料もなし。政府教育ローンファンドが給付・貸与奨学金を支給
スウェーデン 登録料もなし。
ギリシャ 保護者と別に居住し、所得水準が一定以下の場合、手当てを支給。
ハンガリー 有償コースは、授業料を徴収。高等教育法などで学生経済支援を規定。
ポーランド 高等教育法にもとづき経済的困難な学生に給付制奨学金・家賃手当支給。
チェコ共和国 社会的に恵まれない学生などに給付する奨学金がある。
アイルランド 96年から授業料廃止。登録料あり。低所得者対象の給付制奨学金あり。
フランス 登録料(約2.1万円、2005年)のみ。通学距離、家族構成、世帯年収に応じて奨学金の支給額を決定。
スロバキア 登録料のみ。2004〜05年に授業料導入法案否決。
ルクセンブルク 登録料のみ。
アイスランド
入学金あり
× 国立大学は登録料のみ。大学院研究コースに給付制奨学金あり。
ドイツ 一部の州で授業料(1000ユーロ、約16万円)を導入。連邦の奨学金法にもとづく半額給付・半額貸与の奨学金あり。
オーストラリア × 5242豪ドル(42万円、2003年)。卒業後払い。低所得層や先住民族の学生に年額約20万円を支給。
オーストリア × 363.36ユーロ(約4.9万円、2002年)。学生支援法に基づき、所得水準と学業成績で受給者を決定。
ベルギー × フランス語圏とオランダ語圏には登録料の減免制度がある。
カナダ × 4025加ドル(34万円、2003年)。州政府実施の給付制奨学金制度あり。
オランダ × 1329.58ユーロ(約14万円、2001年)。入学後10年以内に卒業すれば返還不要となる奨学金がある。
ニュージーランド × 授業料は国が上限を設定し、大学ごとに決定。低所得世帯出身の学生に支給する給付制奨学金がある。
スペイン × 学生の75%が授業料を払う。
トルコ × 1985年に授業料導入。
イギリス × 授業料は3000ポンド(約67万円)が上限。後払い制。給付制奨学金は、いったん廃止されたが2004−05年に復活。スコットランドは無償。
アメリカ合衆国 × 授業料は州立5,027ドル(約57万円、2004年)、私立18,604ドル(約212万円、2004年)
メキシコ × × 授業料は大学ごとに設定。大学院生むけの給付奨学金制度はある。
スイス
一部州は有料
× 憲法と連邦法に基づき各州法令に従い給付・貸与奨学金制度を実施。
イタリア × × ボローニャ大学経済学部952ユーロ(約12万円)
ポルトガル × × 所得水準の審査をへて授業料、居住費にあてる給付制奨学金がある。
韓国 × × × 授業料は国公立8.4〜24万円、私立:22.1〜85.6万円(2006年度)。ともに入学料などあり。
日本 × × × 授業料は、国立53.58万円(標準額)、私立約83.48万円(平均)。
注) 授業料無償化の「○」は授業料無、「×」は授業料有。奨学金の「○」は給付制奨学金あり、「×」はなし。出所)Eurydice(EUの教育に関する情報ネットワーク)、『教育指標の国際比較』(2008年度版)、各国教育省HPなど、国立国会図書館が収集した資料をもとに作成。


●コラム1 学費無償化が世界のルール

●コラム2 日本の学費は世界一高い?

●コラム3 30年ぶりに値上げストップ

●コラム3 大もとにメスを入れてこそ