2017総選挙/各分野の政策
64、国家戦略特区問題
「国家戦略特区」制度は廃止します
2017年10月
「加計問題」―国家戦略特区を使った「国政私物化」疑惑という重大問題
安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園による獣医学部新設計画(愛媛県今治市)が安倍首相の働きかけで有利に進められたのではないか――安倍政権の「国政私物化」が問われる、かつてない重大な疑惑です。
安倍首相は、国会でまともな説明ができず、真相究明に背を向けつづけてきました。臨時国会冒頭の解散・総選挙は、こうした「森友・加計疑惑」を覆い隠すものです。
この「加計学園」問題での国政私物化に使われたのが国家戦略特区の仕組みです。
国家戦略特区―首相のトップダウンで財界が要求する規制緩和を押し付ける
国家戦略特区は、2012年12月に発足した第2次安倍内閣が鳴り物入りで導入(2013年12月国家戦略特区法施行)したものです。
2013年6月14日に閣議決定された「日本再興戦略」は、国家戦略特区について「地域の発意に基づく従来の特区制度とは異なり、国が主体的にコミットをし、(中略)国家戦略の観点から内閣総理大臣主導の下、大胆な規制改革を実行するための強力な体制を構築して取り組む」と位置付けました。
内閣府に設置される「国家戦略特別区域諮問会議」(議長は内閣総理大臣)は、首相が指定する国務大臣や首相が任命する財界人らのメンバーで構成され、規制緩和を実行するため、きわめて強い権限が与えられています。規制緩和に係る分野を所管する関係大臣も、影響を受ける地域の住民も意思決定にかかわれない仕組みとなっています。
つまり、国家戦略特区は、農業、医療、教育、労働などの分野の国民生活や安全にかかわる規制を「岩盤」と称し、「岩盤規制」に穴をあける「ドリル」として、徹底した首相主導の仕組みによって、財界が求める規制緩和を「国家意思」として上から一方的に押し付け、実現する仕組みとなっています。日本共産党は、財界が求める規制緩和を首相のトップダウンで推進するこの仕組みを当初から厳しく批判してきました。
2017年4月1日現在、全国各地に計10の国家戦略特区が指定・運用されています(仙北市、仙台市、新潟市、東京圏、愛知県、関西圏、養父市、広島県・今治市、福岡市・北九州市、沖縄県)。これらの地域の人口の合計は、日本全体の過半数に及びます。
日本共産党は、財界の利益優先のための規制緩和を、地域住民や主権者国民の声を排除してひたすらに推進する国家戦略特区の廃止を求めます。