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日本共産党

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赤旗

2017総選挙/各分野の政策

41、歴史認識・靖国・「慰安婦」

歴史に逆行し、戦後の国際政治の土台を覆す侵略戦争の肯定・美化は許されない

2017年10月


 日本の侵略戦争・植民地支配にどのように向き合うかという問題は、国際社会とりわけアジア諸国との関係で、たえず日本が問われ続ける課題です。ところが、安倍政権は依然として日本の過去の侵略戦争と植民地支配を美化し、正当化する立場に固執しており、諸外国との関係で大きな矛盾を抱え続けています。

 安倍政権は現在、「戦争する国」づくりをしゃにむにすすめていますが、これは侵略戦争と植民地支配を肯定・美化する歴史逆行の政治と一体のものです。過去の侵略戦争を反省しないものが、海外での戦争に乗り出すことほど危険なことはなく、このような政権に日本の政治を担う資格はありません。

〈侵略戦争に無反省のまま植民地支配を正当化した70年談話〉

 安倍首相は2015年8月、戦後70年にあたっての首相談話(「安倍談話」)を発表しました。同談話には、「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫び」などの文言がちりばめられましたが、日本が「国策を誤り」「植民地支配と戦争」をおこなったという「村山談話」(1995年)に示された歴史認識の核心的内容はまったく語られませんでした。「反省」と「お詫び」も過去の歴代政権が表明したという事実に言及しただけで、首相自らの言葉としては語られないという欺瞞に満ちたものとなりました。また、暴力と強圧をもって朝鮮半島の植民地化をすすめた日露戦争を賛美したことは、乱暴きわまりない歴史の歪曲であり、植民地支配正当化論です。

 「安倍談話」は、戦後50年にあたって「村山談話」が表明した立場を、事実上、投げ捨てるものとなりました。「安倍談話」によって「村山談話」を“過去の文書”にしてしまい、日本政府の歴史認識を大きく後退・変質させることは許されません。日本共産党は、「村山談話」の核心的内容を、今後とも日本政府の歴史認識の基本にすえ、その精神にふさわしい行動をとることを強く求めます。

 戦後70年の首相談話が有害な内容となった根底には、安倍首相本人はもちろん、安倍政権の閣僚のほとんどが、侵略戦争を肯定・美化し、歴史を偽造する極右勢力によって構成され、支えられているという問題があります。首相は都議選での自民党の惨敗、内閣支持率続落をうけ、今年8月に第3次安倍再々改造内閣を発足させましたが、首相を含む20人の閣僚のうち19人までもが、「日本会議国会議員懇談会」「神道政治連盟国会議員懇談会」などに加盟歴のある「靖国」派で占められています。安倍内閣の閣僚によって靖国神社参拝が繰り返され、首相自身も玉ぐし料・真榊の奉納を続け

ていることは、侵略戦争美化の立場に身を置く行動として許されません。

〈日本軍「慰安婦」問題と「河野談話」〉

 日本軍「慰安婦」問題は、日本が起こした侵略戦争のさなか植民地にしていた台湾、朝鮮、軍事侵略していた中国などで女性たちを強制的に集め、性行為を強要した非人道的行為です。当時の国際法規から見ても違法行為です。

 この問題について、2015年12月の日韓外相会談で合意がかわされました。しかしこの合意はあくまで問題解決の出発点であり、すべての「慰安婦」被害者が人間としての尊厳を回復してこそ真の解決となります。そのために日本政府は韓国政府と協力して誠実に力を尽くさなければなりません。「慰安婦」問題で「軍の関与と強制」を認めた「河野談話」(1993年)は、「歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さない」と明記しており、子どもたちに歴史の事実を語り継いでいくことは、わが国の責務です。

 日本共産党はこの間、見解「歴史の偽造は許されない」の発表(2014年3月)など、日本軍「慰安婦」問題での逆流に徹底的な批判をくわえ、歴史の真実を明らかにしてきましたが、こうした努力を引き続き行っていきます。女性の人間としての尊厳を踏みにじった歴史の事実に対して、「性奴隷制」の加害の事実を認め、被害者への謝罪と賠償の責任を果たすべきです。

 歴史逆行の問題では、小池百合子都知事が今年9月1日におこなわれた関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に、石原慎太郎氏を含む歴代都知事が毎年送ってきた追悼文を送らなかったことも重大です。1923年の関東大震災では、「朝鮮人が井戸に毒を流した」などの流言が広げられ、軍隊や警察が数千人といわれる罪のない朝鮮人を虐殺しました。小池知事の対応は歴史的事実の隠蔽に他ならず、大きな批判にさらされたのは当然です。

〈歴史問題にあたって日本の政治がとるべき基本姿勢〉

 日本共産党は、戦後70年の節目となった2015年、日本とアジア諸国との「和解と友好」に向かう年となることを強く願い、そのために、日本の政治がとるべき5つの基本姿勢を提唱しました。

 第一は、「村山談話」「河野談話」の核心的内容を継承し、談話の精神にふさわしい行動をとり、談話を否定する動きに対してきっぱりと反論する。

 第二は、日本軍「慰安婦」問題について、被害者への謝罪と賠償など、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出す。

 第三に、国政の場にある政治家が靖国神社を参拝することは、侵略戦争肯定の意思表示を意味するものであり、少なくとも首相や閣僚による靖国参拝はおこなわないことを日本の政治のルールとして確立する。

 第四は、民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために、政治が確固たる立場に立つ。

 第五は、「村山談話」「河野談話」で政府が表明してきた過去の誤りへの反省の立場を、学校の教科書に誠実かつ真剣に反映させる努力をつくす。

 日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた党として、歴史を偽造する逆流を大本から断ち切り、日本とアジア諸国との「和解と友好」を実現するために全力をつくします。

 

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