2017総選挙/各分野の政策
27、放送と「表現の自由」―憲法と放送法に基づく言論・報道の自由、問われる公共放送のあり方
政府による放送への介入を許さず、政府から独立した規制機関の確立を
2017年10月
憲法を無視して暴走する安倍政権による、放送事業者への威圧・介入がおこなわれていることは重大です。前総務大臣が、政府は「政治的公平に反する」と判断した放送局には停波を命じることができると発言し、それを内閣が容認するなど、歴代自民党政府とくらべても露骨な姿勢があきらかになっています。
また、報道の自由・表現の自由が秘密保護法や共謀罪法によっておびやかされるとの声も広がっています。国連人権理事会でも、この秘密保護法や共謀罪法の成立が〝忖度や当局の圧力を助長している〟と報告されています。
そもそも放送法は、戦前、ラジオ放送が、政府に統制され、事実に基づかない政府に都合の良い放送を繰り返し、国民を悲惨な戦争へと動員する役割を担ってしまったという痛苦の反省の下、言論・報道、表現の自由を保障する憲法21条に基づき定められたものです。政府が番組内容に介入することなど絶対に許されません。
放送法は、番組作りは「何人からも干渉され、又は規制されることがない」としています。放送番組の適性は、放送事業者の自主自律によって図られるべきものです。
日本共産党は、憲法と放送法にもとづき、放送番組への権力の介入を許さず、言論・報道の自由、表現の自由を守っていきます。こうした立場から、日本共産党は放送番組を編集・作成する事業者の認定制度などを導入する放送法の改悪に反対してきました。
放送行政の規制は、政府から独立した規制機関が行うのが世界の常識です。総務大臣の監督ではなく、新たに「放送委員会」(独立行政委員会)を設置し、放送行政を規律するように制度改正をもとめます。
公共放送としての役割をもとめる
安倍政権のもとで、NHKの経営委員人選や会長の発言・姿勢が問題となってきました。前会長は、就任以来、放送法の趣旨を理解しない発言を繰り返し、NHKには、かつてない国民の批判が寄せられ、NHKに対する国民の信頼がそこなわれました。
国民批判を前にNHK会長は替わりましたが、憲法21条と放送法の原則を確固として堅持し、権力監視の役割をはたせるのかNHKはじめ放送事業者の姿勢が問われています。また、前会長時代に相次ぐ不祥事・不正経理問題などが発覚し、国民の不信を広げるものとなりました。
受信料に支えられるNHKは、国民の声にこたえ、信頼を回復することが求められています。
しかし、いまNHKは、受信料未払い対策の強化やインターネット同時配信などを拙速にすすめようとしています。受信料制度は、国民合意があってなりたつ制度であるという原点に立ち返るべきです。また、インターネット同時配信は、国民負担など多くの問題をかかえており、丁寧な国民的議論ぬきにすすめてはならないと考えます。