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日本共産党

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赤旗

2017総選挙/各分野の政策

12、生活保護・福祉・援護―生活保護の改悪阻止、バッシング、ハンセン病元患者、残留邦人

自公政権が推進する生活保護の大改悪を阻止し、貧困の打開、福祉の充実をはかります

2017年10月


安倍政権の生活保護改悪を許さず、必要な人すべてが受けられる生活保護へ

 自民党は、2010年代初めから、生活保護を“不正受給だらけ”のように描いて制度や利用者を攻撃するバッシングを繰り返し、安倍政権の発足後、生活保護制度の切り捨て・改悪にひた走っています。

 生活保護基準は、住民税の非課税限度額、就学援助、最低賃金、国保・介護の負担減免、公営住宅の家賃減免など他の制度の基準とも連動し、その切り下げは、国民のくらしを支える制度の全面的な縮小に直結します。

 この間、全国各地で、保護の申請を門前払いされた人が、餓死・孤立死に追い込まれ、遺体で発見されるなどの事件が相次いでいますが、安倍政権がすすめる方向は、こうした悲惨な事態をさらに広げるものです。

 生活保護は、憲法25条が明記した国民の生存権をまもる“最後の砦”であり、保護費の水準は、国民生活の最低基準(ナショナル・ミニマム)を具体化したものとされています。生活保護の改悪策動は、憲法が保障した人権を国民から奪いとる攻撃にほかなりません。しかも、その手法は、利用者全体が「不正」をしているかのように事実をゆがめ、国民のなかに分断を持ち込んで、互いに「たたきあう」よう仕向けるものです。

 日本共産党は、社会保障の縮小・解体をねらった自公政権の卑劣な攻撃を断じて許さず、生活保護の制度と、憲法25条が保障した国民の生存権をまもるためにたたかいます。保護申請の門前払いや強権的な保護の打ち切りなど、排除と切り捨ての保護行政をあらため、生活保護を国民の人権保障の制度として再構築していきます。

〈保護基準の切り下げをストップし、給付の改善を〉

安倍政権はこの間、生活扶助費の切り下げ、期末一時扶助の減額、住宅扶助基準の引き下げ、冬季加算の削減など、生活保護費の連続削減を強行してきました。これらの改悪により、たとえば、30歳代の母と小学生・中学生の子どものひとり親世帯は、年間で20万円という大幅な保護費の切り下げとなっています。

 さらに、安倍政権は、2015年12月に閣議で確認した「社会保障改革」の「工程表」で、2018年度を目途に生活保護の「制度改革」をおこなう方針を打ち出しています。

 政府・与党や財界は、生活保護世帯と“生活保護を利用していない貧困世帯”の所得を比較し、「格差是正」や「均衡」を理由に保護基準を切り下げることを常套手段としています。しかし、生活保護基準以下の困窮世帯が多数にのぼるのであれば、支援の拡充や貧困の打開に国を挙げて取り組むのが政治の責務のはずです。そうした事態を放置しながら、保護世帯と“保護を利用していない低所得世帯”に貧困を競わせあうなど、本末転倒です。

 生活保護基準は、就学援助、住民税の非課税限度額、最低賃金などの基準となり、介護保険の保険料・利用料の減免ライン、障害者福祉の利用料の減額基準、公営住宅の家賃の減免基準、国保の窓口負担の減免対象の基準などにもリンクしています。未熟児への医療費補助、慢性疾患のある子どもへの日常生活養護の給付、児童入所施設の費用、私立高校の授業料減免など、子どもの支援に関わる多くの制度も同様です。生活保護基準の引き下げは、税制や賃金、福祉施策の全面的な後退を引き起こします。

 日本共産党は、生活保護費を切り下げる、あらゆる改悪に反対し、「ナショナル・ミニマム」にふさわしい水準への改善・向上をめざします。削減された生活扶助基準を元に戻し、物価上昇や生活実態にふさわしい水準に引き上げます。期末一時扶助、住宅扶助、冬季加算などの削減・改悪を中止し、元の水準への回復と制度の改善をはかります。

 2000年代に自公政権が廃止した、生活保護の「老齢加算」を復活させます。

 自公政権のもとで廃止され、国民の世論と運動を受けて民主党政権で復活された「母子加算」をめぐっても、2018年度の制度改変に向け、「有子世帯への加算の見直し」の名で、再び削減・廃止する動きが持ち上がっています。これらの改悪に反対し、「母子加算」「障害者加算」など、社会的弱者の生活と権利をまもる仕組みをまもり、拡充します。

 持ち家がある高齢者に不動産を担保にお金を貸し付け、保護受給を遅らせる「リバースモーゲージ」制度など、自公政権によって導入された、保護費削減のために受給権を侵害する制度改悪を撤廃します。

〈「水際作戦」の合法化を許さず、国民の受給権をまもります〉

 保護を申請にきた生活困窮者を、自治体の窓口で追い返す、違法な「水際作戦」の横行が各地で大問題となっています。

 2013年、安倍・自公政権によって提出・可決された改定生活保護法は、生活保護を申請するときに「書類提出」を義務づけ、「書類の不備」を理由に追い返せるようにするなど、「水際作戦」の強化につながる内容でした。また、同法には、申請者の親・子・兄弟姉妹に収入・資産を報告させ、取引銀行や勤務先に照会をかけるなど、申請者と親族に圧力をかけていく措置も盛り込まれました。これも、受給者の申請権を著しく侵害するとともに家族関係に行政が介入することで、保護断念や保護費減額に追い込もうとするものです。

 安倍政権の生活保護法改定案は、「水際作戦の合法化」をねらったものでしたが、法案審議における日本共産党の追及で、厚労省は「水際作戦」が許さない立場を何度も言明し、申請について「運用は変えない」と答弁せざるを得ませんでした。

 日本共産党は、憲法にもとづく生活保護の申請権・受給権のはく奪を許さず、国民のくらしと人権、命をまもるために全力をつくします。「水際作戦」を許さない立場を国として明確にし、各自治体の保護行政の状況を調査して違法行為の根絶にむけた指導を強めます。生活困窮者の支援に取り組むNPO、NGO、受給者などの意見を聴きながら「生活保護の実施要領」を改善し、自治体に徹底します。

〈国民分断をねらったバッシング、受給者への人権侵害をやめさせます〉

 生活保護の受給者・制度を攻撃するバッシングが、自民・公明や日本維新の会、一部メディアによって続けられています。

 しかし、生活保護の不正受給は支給総額の0・5%前後に過ぎず、しかも、不正受給と言われるなかには、「高校生の子どもが、アルバイトを始めたのをうっかり届け出ていなかった」などの事例も少なくなく、悪質なものはごく少数です。

 洪水のような「生活保護バッシング」のなか、利用者が追い込まれて精神疾患が悪化したり、生活に困窮する人が保護の申請をためらい、孤立死や心中に至るなどの悲惨な事件も起こっています。

 この間、一部の自治体で、生活保護を利用する人の“パチンコ屋通い”や“過度の飲酒”を住民に通報させるシステムが導入されています。住民に互いの生活を監視させ、プライバシーの「密告」を奨励するなど政治退廃の極みです。こんな暴挙は断じて許せません。

 2017年1月、小田原市の生活保護担当課が、生活保護の利用者を脅しつける文句を書き連ねた専用ジャンパーを製作し、業務中、職員に着用させていたことが発覚して、大問題となりました。住民の人権をまもるべき福祉職員が、“生活保護バッシング”“利用者いじめ”を率先して行うなど言語道断です。

 日本共産党は、国民の人権にかけられた攻撃を、社会的連帯の力で跳ね返すたたかいの先頭に立ちます。

 厚労省は2015年3月、生活保護利用者に、毎年、貯金通帳のコピーなど「資産申告書」を出させるよう自治体に指示する通達を発令しました。厚労省はその根拠として、2013年の生活保護法改定をあげていますが、改定法の規定は、受給者と福祉事務所が協力して、金銭管理の適正化をはかるというものであり、「資産申告」強要の根拠とはなりません。

 生活保護法では、利用者が行政への届出を義務づけられるのは生計状況に変化があった場合に限られ、不正などの疑いで資産調査をおこなう場合も、その要件は厳格に規定されています。機械的な「資産申告」の義務づけは、生活保護法の趣旨にも反します。

生活保護の利用者が、子どもの学費や耐久消費財の買い替えのために、保護費を任意にプールできること、それを収入認定しないことは、「中嶋学資保険訴訟」における最高裁判決(2004年3月)などで明確なルールとなっています。“過剰な預貯金”が見つかった場合は、それを収入認定し、「保護を停廃止」することもありうるという厚労省の言い分は、こうした到達点を無視したものです。

 日本共産党議員の追及を受け、厚労省も、「いきなり停廃止をするようなことはしない」と答弁しましたが、「資産申告」自体は粛々と実行されています。

これらの措置は、生活保護の利用者・制度へのバッシングに“便乗”し、利用者の私生活に対する監視・統制を強め、保護から追い出していく策動の一環にほかなりません。

 日本共産党は、生活保護の利用者の人権を侵害する「資産申告」をやめさせます。厚労省の通達を撤回させ、生活保護法の主旨に即した行政を徹底します。

〈膨大な漏給、低すぎる捕捉率こそ改革を〉

 日本の生活保護で、早急に解決がせまられているのは、収入が最低生活費未満の人が生活保護を受けている割合――捕捉率があまりに低いという問題です。

 日本の生活保護利用率は国民全体の1・6%、増えたとはいっても他の先進国よりも低い水準にとどまっています(フランス:5・7%、イギリス:9・3%、ドイツ:9・7%)。日本の捕捉率は約2割ですが、ドイツは6割、イギリスは5~6割(求職者)、フランスが9割(OECD基準)です。公的扶助予算も、日本がGDPの0・8%なのにたいし、ドイツ:2・0%、フランス:2・0%、アメリカ:3・7%、イギリス:4・3%です(埋橋孝文・同志社大学教授の調査)。

 2013年5月、国連の社会権規約委員会は、「スティグマ(恥辱)のために生活保護の申請が抑制されている」日本の現状に「懸念」を表明し、「生活保護の申請を簡素化」すること、「申請者が尊厳をもって扱われることを確保するための措置をとる」こと、「生活保護につきまとう恥辱を解消する」手立てをとることを日本政府に勧告しました。これこそ、いま取り組むべき改革です。

 国として捕捉率を向上させる年次目標を設定し、生活保護法にも違反した行為や無法な指導をやめさせ、必要な人がきちんと保護を受けられるようにします。生活保護は国民の権利であることを広く知らせる活動を、国と自治体ですすめます。「年越し派遣村」で注目を集めた「ワンストップサービス」の経験を生かし、どの窓口からでも必要な人には生活保護にアクセスできるようにします。急迫した人々には即時対応できる制度に改善します。安価で入居できる公営住宅の整備や就労支援など、生活支援を強めます。

〈「就労支援」の名による切り捨てをやめさせます〉

 2012年、消費税増税法と一体に可決された「社会保障制度改革推進法」は、生活保護費の切り下げと同時に、「正当な理由なく就労しない場合には厳格に処罰する措置を検討する」と明記し、「就労指導」の名で保護の門前払いや打ち切りを強化する方向を打ち出しました。厚生労働省が策定した「生活支援戦略」も、徹底した「就労指導」、行政による受給者の生活態度や家計支出の管理、調査・指導・罰則の強化などを提唱しています。受給者の人権・プライバシーを無視し、権利としての生活保護制度を、戦前の“お恵み”の制度に後退させていくものです。

 安倍内閣が2013年の生活保護法改悪と一体に可決させた生活困窮者自立支援法により、ただちに就労が困難な生活困窮者に「中間的就労」を促す「就労訓練事業」が導入されました。その内容は、保護の受給者・申請者を、最低賃金も適用されない事業に「とりあえず就労」させるというものです。この制度には、低賃金労働を助長し、保護の打ち切りや「水際作戦」のツールとなり、貧困ビジネスにも悪用されかねないなど、様々な懸念が出されています。2007年、北九州市で、生活保護を打ち切られた男性が、「オニギリ食べたい」というメモを残して孤独死する事件が発生しましたが、これも“保護よりも就労指導”という行政の方針によって引き起こされました。

 日本共産党は、「就労支援」の名で要保護者に圧力をかけ、「水際作戦」や強権的な保護の打ち切りを推進する制度改悪に反対します。

〈生活困窮者のサポート体制を抜本的に強化します〉

 不正受給は、当然、なくさなければなりません。不正受給を防止・根絶するとともに、はるかに深刻な「漏給」問題を解決するには、生活困窮者の相談や申請に迅速に対応し、実情を踏まえてきめ細かく対応する体制を整えることが不可欠です。

 貧困が広がる一方、福祉分野の予算・人員の削減が続くなか、福祉事務所のケースワーカーは、1人で膨大な件数を担当せざるを得ない状況が続いています。マスコミも、「貧困層が増えるなか、ケースワーカーが置かれている状況を改善しない限り、適切な保護行政など望むべくもない」と指摘する状況です。

 日本共産党は、生活保護費にたいする国・地方の負担割合の改善などを進め、福祉行政にかかわる国の財政支出を増やします。国の責任でケースワーカーを大幅に増員し、過重な担当件数を減らすなど待遇改善をはかります。保護の申請者・受給者のなかには、生活困難や社会的孤立、さまざまな悲惨な体験から、精神的に追い込まるなど、緊急の対応が必要な人もいます。ケースワーカーの専門性を高め、生活困窮者にきめ細かな支援ができる体制を構築します。

 この間、「暴力団対策」「不正受給対策」などと称して、警察官OBを福祉事務所の窓口に配置する動きが、国も予算をつけて推進され、大問題になっています。保護の申請者・受給者を“犯罪者予備軍”扱いし、窓口に相談に行くことまでも委縮させようとするものです。申請者・受給者を威圧して、申請の断念や保護の打ち切りに追い込んでいく、福祉行政にあるまじきやり方は、ただちにやめるべきです。

 生活保護受給者を食い物にした「貧困ビジネス」が全国で横行しています。住居や食事を実態とはかけはなれた高額料金で提供し、さまざまな名目をつけて、保護費のほとんどを“ピンハネ”していく悪質業者・団体への、実効性ある規制づくりに取り組みます。

「貧困ビジネス」が横行する背景には、行政が、住居を失った人や窮迫した人に「住む場所」を提供しなかったり、保護を受給しても、保証人がいないためにアパートが見つからなかったりする、現実があります。行政として責任をもって住む場所を保障するようにします。

〈国をあげて貧困打開をすすめます〉

 生活保護受給者が200万人を超えて、過去最高を更新し続けているのは、不正受給が増えているからではなく、年収200万円以下の給与所得者が1000万人を超え、貯金ゼロ世帯が全世帯の3割にのぼり、国民年金の平均受給額が月5万円しかないなど、日本社会を未曽有の貧困がおおっているからです。貧困の拡大に手を打たないまま、保護申請の門前払いや保護の打ち切りを強化しても、餓死・孤立死が増え、国民の命が脅かされるだけです。

 日本共産党は、日本社会のゆがみをただし、貧困を打開する改革をすすめます。

 正規雇用への転換、最低賃金の引き上げ、解雇規制の強化など、人間らしく働けるルールを確立し、雇用と賃金を立て直して、「働く貧困層」をなくしていきます。

 中小企業と大企業の公正な取引ルールの確立、中小企業の本格的振興、農林漁業の再生など、中小企業や農林漁業者の経営をまもり、所得増をはかる改革を推進します。

 年金削減の中止、低年金の底上げ、最低保障年金の導入で、無年金・低年金問題の根本的解決をはかります。医療や介護の保険料・自己負担の軽減、公的保育の充実など、社会保障の拡充をすすめます。

 雇用保険の拡充、失業者に対する生活扶助制度の確立、職業訓練と再就職支援の強化など、“生活保護以外の公的扶助が弱すぎる”という現行制度の弱点をただし、失業者を支援する制度の総合的な充実を推進します。

 

ハンセン病元患者にたいする保障を充実させます

 全国には、13ケ所の国立ハンセン病療養所、1ケ所の民間の療養所があります。入所者は約1473人(うち民間療養所入所者は5人:17年5月時点)で、平均年齢は85歳となっており、高齢化と身体の不自由が年々すすんでいます。2001年の「隔離は違憲」とした熊本地裁判決、ハンセン病問題対策協議会での「基本合意」「確認事項」にもとづいた運動を受け、2008年6月には、療養所の具体的な維持対策を求めた「ハンセン病問題基本法」が成立しました。元患者への名誉回復、社会復帰・社会内生活支援、在園保障などについて、一日も早く、法の完全実施が実現されるよう力をつくします。

 日本共産党は、「基本法」にふさわしい入所者の処遇改善や職員体制の充実を一刻も早く実施し、生活環境が地域から孤立することなく、安心して豊かな生活を営むことができるよう必要な措置を講じることを、国会質問でもとりあげ、国に申し入れてきました。

 元患者家族は差別や偏見に苦しめられてきたことで、国に謝罪広告や損害賠償を求める集団訴訟を起こし、568人が提訴(16年3月時点)しています。全面解決に向けて、市民の支援の輪も広がっています。

〔療養所の職員の増員と処遇改善をはかる〕

 緊急に入所者の医療・生活保障を拡充し、不足している医師、看護師、介護職員の確保・増員をはかることが必要です。そのために、国家公務員の定員削減計画からハンセン病療養所を除外するべきです。重症化している入所者の夜間の看護・介護体制の充実をすすめます。

 2016年度から療養所と港を結ぶ官用船の一部の船員の処遇改善がはかられ、人員を補充可能な海事職として採用されています。職員の拡充や賃金などの処遇改善をおこなうとともに、民間委託化された航路を国直営に戻すことを求めます。

退所者が安心してかかることのできる医療制度を確立します。賃金職員の差別的処遇の抜本的な改善をはかります。

〔入所者の願いに応えた地域構想・保存を〕

 療養所ごとに「将来構想」づくりがすすめられています。入所者が最後の一人になるまで国は面倒を見ると言っていますが、そのためには療養所の医療を地域に開放し、ニーズを高めて機能を維持、あるいは充実させていくことが大切です。療養所施設の保存を求めます。療養所に併設されているハンセン病の資料館を、公的責任で運営できるようにします。

 全国の療養所敷地内に保育所や特養ホームが開設されています。広大な敷地に障害者施設や高齢者福祉施設などを誘致することも望まれています。他施設の誘致、併設にあたっては、法外に高い借地代の改善が不可欠です。国は、自治体とともに入所者の願いを反映する療養所を実現するため、着工の予算を確保し、積極的で万全な支援と保障につとめるべきです。

 厚労省で開かれる毎年の追悼式への交通費を、代表者だけでなく、元患者やその家族に支給します。

〔「特別法廷」の違憲性を受け止め人権侵害の再発防止へ〕

 裁判所以外の療養所などで開かれた「特別法廷」のハンセン病患者の裁判は、1948年から72年まで95件が実施されました。

 最高裁は「療養所入所者協議会」などから要請をうけ、「特別法廷」の正当性について調査し「裁判所法には違反するが憲法の公開原則には反しない」という結論を出しました(2016年4月)。これに対し、第三者で構成される「有識者委員会」は、「憲法の平等原則に違反し、公開原則は違憲の疑いがぬぐいきれない」と述べています。

 今年4月には、特別法廷について最高検検事は特別法廷について元患者側弁護団と面会し謝罪しましたが、弁護団側からは、国民に向けての公式な謝罪が求められています。

裁判官などへの人権研修をすすめ、いまだに克服されていないハンセン病に対する偏見、差別をなくし、政府がなぜ隔離政策をとったのか、その隔離政策とは何であったのか、広く国民に知らせ、二度と同じ過ちを繰り返さないための啓発活動を積極的に講じていきます。

 

中国からの帰国者に社会的支援を確実におこないます

 さきの戦争で犠牲になった中国「残留孤児」「残留婦人」たちが、国の謝罪と生活支援を求め、全国で訴訟に立ち上がった結果、改正「中国残留邦人支援法」による支援給付金などの制度ができました。しかし、国は、終戦間際に多くの国民を中国東北部に置き去りにし、その後も長期にわたって支援を怠ってきたことへの真摯な反省と謝罪をしていません。そのために、支援給付金の水準は、「安心した老後を送りたい」という願いにこたえるものとはなっていません。

 残留邦人の配偶者には2014年10月から支援給付金と合わせて老齢基礎年金の3分の2相当が加えられるようになりました。さらなる支援拡充をすすめます。

 2世と同居しやすくするため、同居2世の収入を理由にした支援給付金のカットをやめさせ、中国渡航期限(2カ月以内)の緩和などを行ないます。

 配偶者や2・3・4世も含め、国が「孤児」たちに約束した「日本に帰ってきてよかったといえる支援策づくり」を、人間としての尊厳にふさわしく、確実におこなっていきます。

 

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