各分野政策(2017年)

2017総選挙/各分野の政策

6、若い世代―高等教育無償化、学費・奨学金、長時間労働規制、ブラック企業・ブラックバイト、最低賃金、18歳選挙権、高校生の政治活動

若者が安心して学び、働ける社会へ―高等教育の無償化にむけ学費半額、給付奨学金の抜本拡充をすすめ、最低賃金は時給1500円をめざします

2017月10月


  学生には、高い学費と奨学金返済の不安がのしかかり、働く若者のあいだには、低賃金や雇用破壊、長時間労働、ブラック企業がまん延しています。未来を担う若い世代が、安心して学び、働ける社会をつくることは、一人ひとりの若者の権利を守るとともに、日本社会の発展につながります。日本共産党は、税金は社会保障、子育て支援とともに若者支援に優先して使います。また、ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールをつくるために、全力をあげます。

 

高等教育の無償化をめざします――大学授業料を10年で半額、給付奨学金を70万人の学生に

 日本の大学授業料は、世界有数の高さです。しかも、国民の声におされてようやく創設された給付奨学金の規模は、たった2万人(学生の2%足らず)です(平成30年度文部科学省概算要求)。OECD諸国では、アメリカで35%、学費無償のドイツで27%、フランスで35%の学生が給付奨学金をうけています。日本と同様に高学費の韓国では、世論が高まるなか、2011年に給付奨学金が創設され、学生の36%にあたる約120万人の規模にまで広がっています(2016時点)。日本では奨学金のほとんどが、学生に借金をさせる「学生ローン」であり、利用した学生は、平均でも300万円、大学院進学など多い人では1000万円もの借金を負わされています。奨学金が若者を借金苦と貧困に引きずり込む、こんな社会に未来はありません。

日本共産党は、高等教育の無償化をめざします。そのために、まずは大学授業料の半額化計画と奨学金制度の抜本的改革を提案します。

 

(1) 大学授業料を毎年引き下げ、10年間で半額にします。予算規模は、国公私立全体で、毎年1100億円程度ずつ増やし、10年後には1兆1000億円の規模となります。

 ――国立大学への国の交付金を毎年1%程度(約160億円)ずつ増やし、その分、学費を値下げしていけば毎年2万6千円程度を値下げできます。現在、年53万円の授業料を、10年後には26万円にまで引き下げます。

 ――私立大学については、国の私学助成に学費値下げ用の緊急枠をつくり、毎年900億円程度ずつ国からの補助を引き上げることで、平均で年86万円の私大授業料を、10年後には半分の額まで引き下げます。

 ――公立大学にも、10年で授業料を半額にするための助成を実施します。そのために、毎年40億円程度ずつ助成を増やします。

 ――年収400万円以下の家庭の学生の授業料を免除し、半額免除を増やします。

 

 (2) 返済不要の給付奨学金を2万人から70万人へ、抜本的に拡充します。

 ――月額3万円の給付制奨学金を、現行の奨学金受給者の半分にあたる70万人の規模で拡大し、さらに規模を増やします。支給対象は、経済的必要性を基準にします。月額3万円は、現在の奨学金貸与額の月6万円程度(無利子5・9万円、有利子7・3万円)の半分くらいに相当します。4年間では144万円となり、貸与奨学金の平均利用額である300万円の半分程度を給付制奨学金に置きかえることになります。

 予算規模は、年間2500億円程度であり、すぐにでも実現できるものです。(奨学金政策はこちら・リンク)。

 ――すべての奨学金を無利子にします。新規に貸与する奨学金を無利子にするとともに、在学中の学生の有利子奨学金を無利子奨学金へと「借り換える」制度をつくり、国が利子補給を行って全員に無利子化を実現します。予算規模は年間1000億円程度です。

 ――既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、返済猶予や減額期間の上限撤廃など返済に困ったときの救済制度を拡充します。保証料・保証人制度、延滞金の廃止をすすめ、〝借金取り立て最優先〟の姿勢をあらためます。すべての奨学金を、返済能力に応じて返済する所得連動型にするとともに、20年間返還すれば残額を免除します。

 

ブラックバイトをなくします

 「学費と生活費を稼ぐために、ひどい労働条件のアルバイトでもやめられない」「テスト期間にもシフトを入れられ学業に支障が出ている」など、若者を「使いつぶす」ブラック企業のような違法・無法な働かせ方が学生アルバイトにも広がっています。

 日本共産党が青年団体、労働組合と協力して、国会でとりあげ、政府に対策をもとめるなかで、文部科学省が、相談窓口の周知を学生に行なうよう、大学等に通知をだすなど対策にのり出しました。相談窓口の拡充など労働行政を、さらに強めます。

――ブラックバイトをなくすために、学生にも労働関係の法令(労働基準法、労働安全衛生法など)が適用されるよう労働行政を強めます。

(リンク)各分野の政策 1、労働・雇用

 

最低賃金1500円をめざし、いますぐどこでも1000円にします

 貧困と格差が広がり、働いても貧困から抜け出せないという状況が広がっているおおもとには低すぎる最低賃金があります。中小企業への直接支援を本格的に行い、最低賃金を引き上げることは、地域経済の活性化につながります。

 ――最低賃金を、いますぐどこでも1000円にし、さらに1500円をめざします。時給1000円で働くと、年間1800時間の労働時間で年収180万円、時給1500円で働いても年収270万円にすぎません。時給1500円をめざすことは、最低限の生活を保障するうえで当然の要求です。

 ――社会保険料減免や賃金助成など、中小企業の賃上げに本格的な支援を行います。

 ――最低賃金の地方間格差を是正し、全国一律最低賃金制に踏み出します。

 

ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールをつくります

 「ブラック企業で有給休暇も社会保険もなく、交通費は自腹」「派遣社員で、いつクビを切られるか不安」「正社員になれたが、働きすぎで死にそう」――長時間労働や低賃金など劣悪な働き方が、若い世代に広がっています。若者を新卒で採用し、長時間残業やパワハラを強い、その過程で大量の若者が退職に追い込まれる、「ブラック企業」の問題は放置できません。これらは、若者に責任があるのではなく、政府が財界・大企業の要望にこたえ、「労働法制の規制緩和」をすすめてきた結果です。

 日本共産党は、若者をはじめ働く人を過酷な労働に追い込んで、モノのように「使い捨て」「使いつぶす」ブラック企業を国政の大問題として訴え、2013年の参議院選挙の前進で獲得した議案提案権を活用して、ブラック企業規制法案を国会に提出しました。法案提出後、厚生労働省は、5000をこえる事業所に調査に入り、82%の事業所が法令違反を犯していたことを明らかにし、是正指導・勧告をおこないました。また、「固定残業代」のような求人票の誇大・虚偽記載について実態を調査し、未払い賃金が10億円にのぼるとの調査結果を発表して是正指導をおこない、関係団体に対して誇大・虚偽の求人広告を掲載しないよう要請しました。2015年には、ハローワークがブラック企業の新卒求人を拒否することや、募集・採用や労働時間など職場情報の開示を企業に義務化することを定めた青少年雇用促進法が全会一致で可決、成立しています。法案の提出や、国会での質疑を通じて、行政を動かしてきました。

 日本共産党は、ブラックな働き方をなくし、長時間労働を規制するなど人間らしく働けるルールを確立します(分野の政策 1、「労働・雇用})。

 ――残業時間を法律で制限し、長時間労働を是正し、「過労死」をなくします。残業時間の上限を法律で規制し、終業から翌日の始業まで最低11時間空けるインターバルの確保など労働基準法を改正します。「残業代ゼロ法案」に断固反対し、廃案をめざします。

 ――違法な「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にして払わせるなど、「ただ働き」を根絶します。離職者数や過去の労働法違反の経歴など、労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を公開させます。パワハラ行為をおこなった企業には、労基署などが助言、指導、勧告を行い、勧告に従わない企業名を公表します。

 ――労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は臨時的・一時的業務に限定して、正社員の派遣労働への置き換えをなくします。同一労働同一賃金、均等待遇を、労働基準法、男女雇用機会均等法、パート労働法、労働者派遣法に明記するなど、非正規への不当な差別・格差をなくします。

 ――働くものの権利や法律的知識の若者への普及、相談窓口やサポートセンターの拡充など、政府が責任をもってすすめます。

 

家賃補助、公共住宅建設など若者が安心してくらせるように支援を強めます

各分野の政策 25、住宅・マンション

 

高校生の政治活動禁止・制限に反対し、主権者としての自由を守ります

 18歳選挙権で有権者になる高校生が生まれますが、政府は、高校生の政治活動を制限・禁止しています。日本国憲法にさだめられた政治活動の自由を、政府の権限で高校生だけ除外することは許されません。

 政府が2015年10月に出した通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」には、高校生の政治活動を不当に制限する内容が、事細かに記されています。「通知」では、生徒会や部活動での政治活動を全面禁止し、校内では放課後や休日であっても制限・禁止するとしています。これによって、生徒会や合唱部、演劇部などで平和や人権について取り上げたり、クラスで友達と政治のことを話したりすることも、禁止されるおそれがあります。

 さらに学外の政治活動について、「学業や生活などに支障が認められる」と校長が判断すれば禁止できるとし、いつ、どこで、どんな活動に参加するかを事前に届け出させる「届け出制」まで容認する見解を示しています。政治活動の規制が際限なく拡大されるおそれがあり、高校生の内心の自由を侵し、萎縮させるものです。

 政治活動の自由は、憲法に保障された基本的人権の一つです。高校生にも、政治について語り合い、声をあげる自由があります。政府は「教育目的」のためなら人権を制限できるとしていますが、民主主義社会の担い手として、自分の頭で考え、他者と意見をかわし、行動する主権者としての自覚と成長を支えることこそ教育の目的にかなうものです。仮に行き過ぎがあるなら、抑圧的に規制するのではなく、教師と生徒の信頼関係と話し合いで解決すべきです。

 日本共産党は、政府に「通知」を撤回させ、高校生にも政治活動の自由があることを明確にし、主権者としての自覚と成長を支えます。

 

被選挙権の年齢を速やかに引き下げます

 選挙権は18歳に引き下げられましたが、被選挙権は、参議院議員や都道府県知事で30歳以上、衆議院議員や市区町村長、地方議員で25歳以上であり、多くの若者が除外されています。被選挙権は、選挙権と一体に国民の参政権をなすものです。すべての主要政党が18歳から入党できることをみても、18歳以上であれば政治を担う意欲と力量があることは明らかです。

 日本共産党は、若者が政治の担い手としていっそう活躍できるように、被選挙権の速やかな引き下げを求めます。

 

若者の政治参加をすすめる施策をおこないます

 若者が主権者として政治に参加し活動できるように、規制だらけの公職選挙法を改正するとともに、以下の施策をすすめます。

 ――大学など若者が集中する場所への投票所設置をすすめます。

 ――住民票を移動していない多くの学生に、不在者投票についての周知をつよめます。

 ――政治教育は、選挙制度の説明にとどまらず、政治に関する基本的知識を身につけ批判力を育むものにします。社会的に意見の対立がある問題は、一方的教化は避けつつ、議論の分かれている問題として正面から取り扱えるようにします。

 

 (c)日本共産党中央委員会