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日本共産党

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赤旗

2016参議院議員選挙/各分野の政策

37、文化

――助成制度、文化施設、専門家の権利・地位向上、知的財産権

2016年6月


芸術・文化の活動を支え、文化が豊かに発展する社会をめざします

 芸術・文化は、人々の感性や創造性をはぐくみ、多様な価値観をつくります。人々に生きる力を与え、心豊かなくらしに欠かすことができないものです。文化を創造し、享受することは国民の権利です。ところが、近年、芸術・文化に「経済効果」や「効率」、「採算性」が求められ、それが作品や文化事業の評価の基準になる傾向がみられます。また、長時間労働や低賃金で国民が文化を楽しむ機会が奪われています。

 2012年9月の国会で史上初めて「文化芸術政策を充実し、国の基本政策にすえる」請願が採択されました。芸術・文化の発展は国民が求めているものです。日本共産党は、国民のみなさんと一緒に文化が豊かに発展する社会をめざします。

文化予算を抜本的に増額し、日本の文化の発展を

 芸術・文化を発展させ、国民が文化に親しみ楽しむうえで、芸術家や芸術団体の創造活動が長期的・持続的に発展することが重要であり、そのためには国の支援が不可欠です。しかし、文化庁の予算は1039億円(2016年度)にすぎず、日本の国家予算に占める文化予算の割合は0.11%で、諸外国に比べてとても低いものです。芸術団体に対する助成は、小泉自公政権の2003年以来、毎年のように削減され、芸術団体助成の中心である重点支援は最高時の半分以下にまで落ち込んでいます。芸術文化振興基金の助成は、設立された91年当時は31億円だったものが、25年たった現在では10億円までに減っています。芸術団体(舞台芸術)への重点支援は、わずか33億円であり、これを最高時に戻すには34億円増ですみます。日本共産党は、あまりにも低い文化予算を抜本的に増額することを求めます。

芸術団体への支援を強めます

 芸術団体への助成は、新たに入場料収入に応じた助成方式が導入され、集客力が助成金の判断基準になるジャンル(オぺラ・オーケストラ)が生まれています。芸術団体が専門性を発揮し、持続的に発展していけるよう基盤整備を含めた助成制度の発展をはかります。幅広い団体が気軽に活用できる助成制度の確立や、助成への応募を年複数回にするなど制度の改善をはかります。助成金の一部「前払い」制度を本格的に実施し、すみやかな支払いを実現します。寄付税制の充実など、税制支援をすすめます。

子どもたちの心豊かな成長に寄与する芸術活動を支援します

 「子どもたちの6人に1人が貧困」という調査結果もあるほど、子どもの貧困が進んでいます。子どもたちの心豊かな成長のために、どの子にも芸術・文化を創造、鑑賞できる条件を整えることが重要です。地域での文化活動のとりくみや、学校での芸術鑑賞教室は、すべての子どもに芸術鑑賞の機会を保障する大切なとりくみです。全国の小中学校は約3万校ですが、実際に芸術鑑賞教室が実施されているのは、その12分の1程度でしかありません。

 すべての子どもが年1回以上芸術鑑賞ができるよう、様々な芸術鑑賞教室を視野に入れた国による事業の拡充や支援制度を確立し、あわせて学校と芸術団体の自主的な努力を応援します。その際、情報提供や申請実務の簡素化など条件整備をすすめます。

日本映画、アニメーションの製作を支えます

 日本映画やアニメなどの製作システムをささえる財政支援の充実をはかります。文化庁の「映画振興に関する懇談会」の提言「これからの日本映画の振興について」(2003年)が提起した製作支援、専門家育成など日本映画再生のための支援策を、その後の映画をめぐる状況の変化を踏まえて抜本的に強化します。現在、東京国立近代美術館の付属組織になっているフィルムセンターの独立、職員の正規化をはかります。映画フィルムの保存を急ぐとともに、フィルム作品の劣化や散逸、急速に進むデジタル化に対応した映画作品の保存をすすめます。 

文化財、地域の芸能・文化の保存と育成をはかります

 文化財は、有形・無形問わず、先人の生きてきた証しであり、現在・未来に生きる財産です。4月に熊本地震があり、文化財に大きな被害が出ました。東日本大震災で被災した文化財の保存・修復も道半ばです。被災地の文化活動への支援、文化財保存のために財政的な支援を求めます。文化財の保存と活用のために、普段からの調査活動を支援します。大型公共事業とその関連工事による文化財破壊を許さず、埋蔵文化財をはじめ、文化遺産、歴史的景観および文化的景観の保護をはかります。「陵墓」に指定されている古墳の学術目的での公開と保存をすすめます。 

劇場・音楽ホールなど、文化施設への支援を強めます

 文化施設は、創造と鑑賞の両面から、芸術・文化の発展になくてはならない場所です。特に、公的な文化施設は利用者のためのものであり、地域の文化の拠点です。ところが、自民党政治のもとで指定管理者制度が設けられ、多くの文化施設で予算が削減されてきました。市町村合併で、文化施設が統合され、遠方になったため、鑑賞や発表の機会が減っている地域もあります。

 2012年に劇場法が制定され、劇場・音楽堂は、芸術・文化の創造と鑑賞だけではなく、「社会包摂」の場としても役割を果たすことが求められています。しかし、施設・設備が老朽化したのに大規模改修の費用を捻出できず、休館・閉館に追いこまれる劇場・音楽堂もあり、民間劇場の閉鎖も相次いでいます。劇場法を生かし、専門家を適切に配置するとともに、施設改修や舞台機能の高度化への支援措置を設けるなど、劇場・音楽堂への国の支援を強めます。劇場どうし、劇場と芸術団体の連携公演などの支援を強めます。また、民間の劇場・音楽堂や映画館は、現状では商業施設として扱われ、何の支援もありません。年間100日以上事業を行っている会館を劇場とみなして固定資産税の軽減を図るなど、積極的な支援を行います。施設の閉館、改修で首都圏のホールが足りなくなる「2016年問題」解決のために、仮設のホール・劇場建設や、今ある公的ホールの使用規定の見直しなど芸術団体の活動場所を確保し、国民の鑑賞の機会を保障します。

 美術館・博物館、図書館は、「表現の自由」を土台として国民に鑑賞機会を提供するとともに、大切な社会教育の場です。コレクションの充実、ワークショップなどの活動を支援します。

 芸術・文化活動の拠点として活性化するために、国立美術館・博物館、国立劇場・新国立劇場については、国の施設にふさわしく予算の充実をはかります。

 文化施設の運営への芸術家と市民の参画を促し、舞台技術者や司書、学芸員など非正規職員となっている専門家の身分を保障し、専門家として力量を発揮できるよう支援します。国民の身近な文化施設である文化ホールや図書館、美術館・博物館の民営化、民間委託をやめさせ、公的支援を充実します。

地域の文化活動を応援します

 地域では、住民が主人公となって多種多様な文化活動が、様々な市民や団体で行われています。NPOやサークル、鑑賞団体などの自主的な活動を支援します。まだまだ足りない大小さまざまな表現空間や展示場所、けいこ場といった芸術家・文化団体の活動の条件を整備します。映画、アニメ、マンガ、写真、音楽、美術など、文化各ジャンルの貴重な遺産の収集・保存を支援します。 

著作者の権利を守り発展させます

 日本の芸術・文化の発展のうえで各ジャンルの専門家の役割はきわめて重要です。著作権は、表現の自由を守りながら、著作物の創造や実演に携わる人々を守る制度として文化の発展に役立ってきました。ところが、映画の著作物はすべて製作会社に権利が移転され、映画監督やスタッフに権利がありません。実演家もいったん固定された映像作品の二次利用への権利がありません。国際的には視聴覚実演に関する条約が作成されるなど、実演家の権利を認める流れや、映画監督の権利充実をはかろうという流れが強まっています。著作権法を改正し、映画監督やスタッフ、実演家の権利を確立します。

 私的録音録画補償金制度は、デジタル録音録画の普及にともない、一部の大企業が協力義務を放棄したことによって、事実上機能停止してしまいました。作家・実演家の利益をまもるために、私的複製に供される複製機器・機材を提供することによって利益を得ている事業者に応分の負担をもとめる、新たな補償制度の導入をめざします。

TPP協定の承認に反対します

 TPP協定で、著作権の分野では、「保護期間の延長」「非親告罪化」「法定賠償金制度」「アクセスコントロールの回避等」についての措置、「配信音源の2次使用料請求権の付与」があらたに持ち込まれ、著作権法の改正が議論されようとしています。現状では、アーカイブの整備、孤児著作物の増加問題などに手が打たれておらず、またアメリカ型の訴訟・裁判制度の持ち込みに懸念の声も広がっています。専門家や関係団体などの間でも意見が分かれている問題を、外圧をてこに強行するのはゆるされません。TPP協定と関連法案の撤回を求めます。

文化を支える専門家の地位向上にとりくみます

  年収300万円未満が5割以上という劣悪な状態にある実演家をはじめ、多くの芸術家やスタッフは、一般の勤労者に比べても低収入です。仕事のうえでの怪我であっても労災認定は5.3%にすぎないように、社会保障がほとんどありません。これでは、技能を高める前に辞めざるを得なくなり、技術の伝承のみならず、日本の芸術・文化の発展を阻害することになりかねません。そのため、ユネスコやILOは、芸術家の地位向上をはかることを求め、収入の向上や社会保障制度を実演家の実情に適合させることを求めています。専門家の地位向上を理念として掲げるだけでなく、一般勤労者並みに改善することを目標に施策を実施します。

 演劇・舞踊や映画の国立大学の設立や国立劇場・新国立劇場での専門家養成・研修事業の充実、海外研修支援の拡充など、専門家の養成における国の責務をはたさせます。 

憲法を生かし、表現の自由を守ります

 芸術活動は自由であってこそ発展します。憲法は「表現の自由」を保障しています。ところが、第2次安倍内閣の発足以降、各地の美術館や図書館、公民館など公の施設で、創作物の発表を不当な理由で拒否するなど、表現の自由への侵害が相次いでいます。安倍首相のもとに開催される「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」のように、特定の価値観を創造活動に押しつける動きもあり、創作活動の委縮も懸念されます。安倍政権による放送の自由、言論の自由への権力的介入もきわめて重大です。憲法の基本的人権の条項をまもり生かして、表現の自由を侵す動きに反対します。「児童ポルノ規制」を名目にしたマンガ・アニメなどへの法的規制の動きに反対します。

 諸外国では、表現の自由を守るという配慮から、財政的な責任は国がもちつつ、専門家が中心となった独立した機関が助成を行っています。文化庁の助成は応募要綱などが行政の裁量で決められ、芸術団体の意見がそこに十分反映されていません。すべての助成を専門家による審査・採択にゆだねるよう改善します。

文化庁の京都移転は抜本的な再検討を求めます

 政府は3月、文化庁を、一部の部署をのぞき京都に全面的に移転することを決めました。京都に移転することで、国会の行政監視機能、行政の効率性が低下し、実際の文化行政の実施に支障をきたすおそれがあります。移転費用やその後の経費についても不確定であり、国民や芸術・文化団体の声が届きにくくなるなど、懸念の声があがっています。抜本的な再検討を求めます。

国民や芸術団体の活動を困難にする消費税増税は「先送り」でなく、断念させます

 「アベノミクス」の失敗で、労働者の実質賃金は下がっているうえに、消費税が8%になり、ますます国民が芸術・文化に親しむ機会から遠ざかっています。家計から芸術や文化を楽しむ支出を節約することによって、芸術・文化団体の経営や活動も大打撃を受けています。消費税の10%増税は、「先送り」実施ではなく、きっぱり断念すべきです。

 

 

 

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